化学品の市場調査、研究開発の支援、マーケット情報の出版

  ■ 発  刊:2021年6月10日
■ 著  者:矢田幸博 医学博士
        筑波大学大学院 グローバル教育院 教授
        ㈱花王 HHC研究センター 主席研究員
■ 定  価:38,500円(税込)
■ 体  裁:B5判 222頁
■ 発  行:㈱エヌ・ティー・エス
   ISBN 978-4-86043-720-6

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本書の特徴

 疲労・不眠・冷え・肌荒れさらに老化etc.
  …不定愁訴に対峙する注目のヒューマンバイオロジー!

執筆者

矢田 幸博(やだ・ゆきひろ) 医学博士
    筑波大学大学院 グローバル教育院 教授
    ㈱花王 HHC研究センター 主席研究員

【著者略歴】

筑波大学大学院人間総合科学学術院 教授,花王株式会社栃木研究所 主席研究員,
久留米大学大学院心理学研究科 客員教授。( 2021年3月現在)

専門は,生化学(細胞内情報伝達機構),皮膚生理学(皮膚組織の機能と有効性解析),
統合生理学(中枢~末梢機能の統合生理解析)。
日本行動医学会,日本ストレス学会,日本健康支援学会,抗加齢学会等に所属。

1984年 花王石鹸株式会社(現:花王株式会社)入社。皮膚生理機能に関する基礎研究に従事。
 この間,留学を経て1992年岐阜大学医学部にて学位習得(医学博士)。
1995年 スキンケア研究所(当時)に転属。この間,世界で初めて細胞情報伝達関連酵素の精製,
 紫外線による皮膚の黒化機構の解明やアトピー性皮膚炎の脂質代謝異常の発見およびそれらの
 ケア剤の開発を行った。
2001年 ヒューマンヘルスケア研究所に転属。睡眠研究,香り研究,温熱生理研究,サニタリー
 研究に従事した。
2010年より現職。この間,国内での共同研究と合わせて中国やインドネシアなどの大学との
 共同研究活動も進める。
2011年 久留米大学客員教授。現在に至る。
2012年 筑波大学教授。現在に至る。グローバル教育院ヒューマンバイオロジー博士課程の教授も務め,
 教育・研究活動に邁進中。
 外部での教育・研究活動としては,東京女子医科大学医学部,富山大学医学部,佐賀大学理工学部,
 広島国際大学看護学部で客員研究員,非常勤講師を歴任。

主な著作物:『嗅覚と匂い・香りの産業利用最前線』(分担執筆),
『化粧品に求められる使用感の共有化と感性価値の数値化・定量化』(分担執筆),
『aromatopia』特集・冷え症の根本原因と対処法を探る(単著),
『感性特性評価事例集』(分担執筆),『水素を吸えば,脳が変わる』(監修),
『ヒトの感性に訴える製品開発とその評価』(分担執筆)など著書多数。

== まえがき ==

 本書の刊行の目的は,美,健康,老化および不定愁訴に関して研究開発を行っている香粧品メーカー, 食品メーカー,医薬メーカーなど様々な分野,業態の企業の研究開発支援につながるような技術や手法を発信するためである。 著者自身もかつてそうであったように,新しい研究テーマを模索したり,素材について新しい評価を行おうと思ったときに, 何から手をつけてよいのか戸惑う場面が多々あったように思う。このような場面に直面したときに, 一から専門書や書籍,論文を読みふけった諸氏も多いと思われるが,残念なことに,そのようなものからは, 開発のヒントになったり,新しく糧になるものは見つからなくて落胆したことが多かったように思われる。 また,遠路はるばる吾妻の地まで打ち合わせにお越しいただいた企業研究者や開発担当者の方々とお話をさせていただいて, 「皆さん,良い素材や技術をお持ちなのにどのようにして研究開発をしていいのか困ってるんだなあ」, 「それだったら,こんな評価方法もあるのでぜひ検討してほしい」と思うことである。たとえば, 食品の研究開発者に食品素材を化粧品素材としてどのように評価すればよいか問うても, 正答を得るのは難しいのも当然であろう。しかしながら,2020年初頭から世界中がコロナ禍で様々に対応, 模索している最中であるからこそ,現状を守りながらもアフターコロナを見据えた研究開発の準備, 強化が必要と考えている。そういう意味でも私たち自身の研究力を強固にしていく必要があろう。

 本書では,美,健康維持,老化防止および不定愁訴緩和という4つの課題に対して統合生理学的な視点から, 第1章から第4章までは関連する事象について順に概説した。 第5章からは,具体的な評価技術として心理学的な手法をまとめて記した。 第6章では,生理学的な手法を自律神経活動評価,中枢神経活動の評価,さらには動作や筋機能評価等について言及した。 第7章では,官能評価試験,有効性評価試験の実施とその課題についてまとめた。 さらに第8章では,応用編として調査,有効性評価試験の実施方法について記した。 第9章では,重要であるが,第1~8章でふれることができなかった内容についてまとめた。 このような構成にしたことで,第1章から第4章で出てきた事象の実際の評価法と課題,さらには, 具体的な試験の実施方法についても後章で確認できるようになっている。 冒頭から読み進まなくても中途から読んでもいいように構成したつもりである。

 本書の内容が多岐にわたることから,発刊のお話をいただいたときは, まず知り合いの専門家に相談して各専門分野を分担して執筆していただき,まとめていこうと考えていた。 しかしながら,著者自身の構想が進むにつれて,元々本書の発刊の目的がある研究分野に関する専門書というより, 産業界で実践的な立場の方々に活用していただく実用参考書のような位置づけの専門書を提供することであると考えるようになった。 したがって,著者一人で全章を執筆するに至ったが,その考えと取り組みは間違っていなかったと思っている。 自身でまとめみて,各課題の関係性,たとえば,美と老化防止や美と健康の関連性などについては, 専門家でもまとめるのが大変であったろうと思案した次第である。

 本書で取り上げた4つ課題の解決に向けて多くの方々が取り組んでいるが, 統合生理学的な視点がその一助になることを期待している。

                                  2021年3月
                                  矢田 幸博

主な目次

第1章 統合生理学の基礎
第2章 美の視点
第3章 健康,不定愁訴の視点
第4章 老化防止の視点
第5章 心理学的な解析,測定法
第6章 生理学的な解析,測定法
第7章 官能評価試験,有効性評価試験の実施と課題
第8章 調査,有効性評価試験の実施(応用編)
第9章 皮膚免疫と香りの新活用(追加情報)
索引

詳細目次

目次一覧PDF
まえがき
  
第1章 統合生理学の基礎

1.統合生理学とは
2.個々の生理機能を統合的に検討することの意味
3.心理学的視点,評価との関わり
4.統合生理学的視点,評価の重要性
5.美,健康,老化防止の生理
  
第2章 美の視点
1.歳を重ねるということ
2.皮膚の構造と機能
3.表皮の構造とメラニン色素
4.真皮の構造と機能
5.皮膚付属器官
6.皮膚全体としての機能
7.皮膚の老化現象
8.皮膚の乾燥とバリア能
9.皮膚の黒化とシミの形成
10.紫外線による色素沈着機構
11.シワの発生とハリの低下によるたるみの発生
12.皮膚血流の低下とくすみの発生
13.美と老化防止の視点
  13.1 顔面の加齢変化の特徴
  13.2 身体外観の加齢変化の解析
  
第3章 健康,不定愁訴の視点
1.はじめに
2.むくみの発生と実態
3.下肢のむくみの発生機構
4.冷え症状の実態
5.冷え症状とストレス意識
6.冷え性女性の心身状態の解析
7.睡眠実態から見える日本人の睡眠負債とは
8.睡眠と概日リズム
9.生物時計と睡眠
10.睡眠状態;レム睡眠とノンレム睡眠
11.睡眠と覚醒さらには,摂食について
12.日常の生活における睡眠,覚醒および摂食行動の関連性
13.ストレス実態と対応
14.ストレス反応
15.ストレスに対する生体反応
16.自律神経バランスとストレス回避
  
第4章 老化防止の視点
1.はじめに
2.心身の老化とは
3.老化と血液循環
4.歩行動作の年齢変化
5.歩行による認知症予防
6.転倒予防
7.認知機能と認知特性
8.認知機能の低下と認知症予防
9.認知症予防のための脳トレ
10.動かないことによる疲れ
  
第5章 心理学的な解析,測定法
1.はじめに
2.ストレスや疲労に関する心理質問票
  2.1 SCL30(Stress-check List 30-items;ストレスチェックリスト30 項目)
  2.2 SCL60(Stress-check List 60-items;ストレスチェックリスト60 項目)
  2.3 対人ストレス反応尺度
  2.4  CFSI(Cumulative Fatigue Symptoms Index;蓄積的疲労徴候インデックス)
3.うつや不安感に関する心理質問票
  3.1 SDS(Self-rating Depression Scale;うつ性自己評価尺度)
  3.2 MAS(Manifest Anxiety Scale;不安尺度調査票)
  3.3 STAI(State-Trait Anxiety Inventory;状態・特性不安調査票)
4.気分や感情・情動に関する質問票
  4.1 POMS2(Profile of Mood States 2nd Edition;気分プロフィール検査票)
  4.2 MMS(Multiple Mood Scale;多面的感情状態尺度)
5.健康状態,生活状況に関する質問票
  5.1 CMI(Cornell Medical Index;コーネル健康調査票)
  5.2 GHQ(General Health Questionnaire;一般健康調査票)
  5.3  SF-36(MOS Short-Form 36-Item Health Survey;MOS 健康調査36項目短縮版)
6.睡眠状態に関する質問票
  6.1 PSQI(Pittsburgh Sleep Quality Index;ピッツバーグ睡眠質問票)
  6.2 AIS(Athens Insomnia Scale;アテネ不眠尺度)
  6.3 OSA-MA(OSA sleep inventory MA version;OSA 睡眠調査票MA 版)
  
第6章 生理学的な解析,測定法
1.はじめに
2.自律神経活動,末梢循環,内分泌機能の計測
  2.1 心電図測定:R-R 間隔解析,心拍変動・周波数解析
  2.2 血圧測定:収縮期血圧,拡張期血圧測定,血圧変動解析
  2.3 バルサルバ息堪え試験:心拍と血圧変動の関連性から圧受容器反射の解析
  2.4 胃電図の測定:胃の活動電位の解析
  2.5 瞳孔対光反応測定:縮瞳率(CR),散瞳速度(vd)の計測
  2.6 皮膚温度差測定:自律神経活動(特に交感神経活動)の解析
  2.7 指尖容積脈波測定:ストレス評価や血管年齢を解析
  2.8 唾液成分分析:唾液中のストレスホルモン測定による解析
3.中枢神経活動の計測
  3.1 脳波測定(10-20 法):α波,β波,θ波などの解析
  3.2 感性スペクトル解析:大脳の脳波マッピングと感性評価を統合した解析
  3.3 フリッカー値の測定:光の点滅(フリッカー)の識別で脳疲労を評価
  3.4 事象関連電位(ERP)の測定:随伴陰性変動,後期陽性電位の測定など
  3.5 随伴陰性変動(CNV)の測定:脳の覚醒,鎮静を解析
  3.6  陽性電位P300:注意力,集中力の解析
  3.7  SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)測定:脳代謝の計測による解析
  3.8  近赤外分光法(NIRS)による測定:脳血流(脳活動)変化の解析による情動,認知の解析
  3.9  核磁気共鳴画像法(MRI;Magnetic Resonance Imaging)および
機能的核磁気共鳴画像法(fMRI;functional Magnetic Resonance Imaging)の測定:脳の構造と機能の解析
4.動作,歩行,睡眠状態の計測
  4.1 重心動揺測定:重心移動の測定により平衡感覚機能,転倒リスクを解析
  4.2  歩行測定:圧シート上を歩行することで歩行速度,歩隔,歩幅などの歩行因子を総合的に解析
  4.3  3 次元動作測定:関節,屈曲部位等に貼付した反射球により3 次元動作を解析
  4.4  無線・携帯型機器による測定:加速度,呼吸数,心拍数などの生体活動情報を無侵襲に解析
  4.5  簡易睡眠測定:圧センサー,活動量計により睡眠中の心拍数,呼吸,体動を測定し睡眠状態を解析
  4.6 筋電図・筋音図測定:筋活動の解析
  4.7  脳機能の総合評価:脳実行機能(左右認知,動作の俊敏性,足脚部の運動機能,脳の活動度などを
     総合的に計測して身体機能を解析
  4.8 皮膚性状の測定と評価①:皮膚水分量の計測
  4.9 皮膚性状の測定と評価②:バリア能評価のための経皮水分蒸散量の計測
  4.10 皮膚性状の測定と評価③:皮膚色の計測
  4.11 皮膚性状の測定と評価④:シワの計測
  4.12 皮膚性状の測定と評価⑤:肌のハリの計測
  4.13 皮膚性状の測定と評価⑥:皮膚のくすみの計測
  
第7章 官能評価試験,有効性評価試験の実施と課題
1.はじめに
2.官能評価試験の実施に向けて
  2.1 官能評価試験の現状と課題
  2.2 被験者選出のための検討課題
  2.3 分析評価型官能評価法と嗜好型官能評価法について
  2.4 試験法について
  2.5 被験者選出における基本的な課題
  2.6 試験実施に影響を及ぼす要因
3.保湿化粧料,シワ改善化粧料の有効性評価試験
4.美白化粧料の有効性評価試験
5.評価試験実施のための準備と実施
  5.1 試験立案と試験プロトコール
  5.2  生活者の生活の質に関する調査および介入試験
(高齢者の生活実態調査と介入試験を例に)
  5.3 就労者の動かないことによる疲労,心身への影響調査(就労女性を例に)
6.香りの心理生理評価試験(天然香気成分を例に)
7.下肢のむくみの評価試験(立位維持によるむくみ発生を例に)
8.冷え性の評価試験(生活実態調査による冷え性の調査を例に)
  
第8章 調査,有効性評価試験の実施(応用編)
1.はじめに
2.美肌評価試験Ⅰ(食品素材を例に)
3.美肌評価試験Ⅱ(香り成分を例に)
4.脳機能評価試験(水素吸引を例に)
5.睡眠評価試験(香りによる睡眠改善効果を例に)
6.施術有効性評価試験(顔面および頸部への施術を例に)
  
第9章 皮膚免疫と香りの新活用(追加情報)
1.はじめに
2.皮膚バリア機能と皮膚免疫
3.香りの新活用と3 次元評価
  
あとがき
  
索 引

  
※ 本書に記載されている会社名,製品名,サービス名は各社の登録商標または商標です。
なお,必ずしも商標表示(®,TM)を付記していません。