■ 発 刊:2020年1月31日 ■ 定 価:66,000円(税込) ■ 体 裁:B5版 並製本 約250頁 ■ 発 行:R&D支援センター ISBN 978-4-905507-38-3 |
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著 者
※敬称略
自治医科大学 滝 龍雄
関西大学 松村 吉信
鈴鹿工業高等専門学校 兼松 秀行
ライオン㈱ 山岸 弘
小林製薬㈱ 五味 満裕
大阪大学医学部附属病院 西 功
国立感染症研究所 泉福 英信
食品・微生物研究所 内藤 茂三
株式会社ミツトヨ 国正 重乃
エコラボ合同会社 茂呂 昇
平原エンジニアリングサービス㈱ 村上 大吉郎
化粧品微生物コンサルタント 松田 潤
麻布大学 古畑 勝則
金沢工業大学 小田 忍
趣 旨
【本書籍のポイント】
〇 生物学的手法と機器分析による方法の実際とは?
〇 豊富なバイオフィルム発生事例を掲載!
〇 微生物の培養・同定法も詳細に解説!
〇 バイオフィルとの共存・産業利用とは?
・居住空間、台所、浴室、トイレ、医療現場、内視鏡、口腔内、食品、製造工場(医薬品、食品、化粧品)…様々な現場でのバイオフィルム発生事例を掲載!!
本書の特徴
目 次
目次一覧PDF1 微生物と地球環境
1.1 微生物の誕生と進化
1.1.1 微生物の誕生
1.1.2 微生物の進化
1.1.3 古細菌と真正細菌
1.2 微生物の分類
1.2.1 微生物とは
1.2.2 生物の分類と微生物
1.2.3 原核生物と真核生物
1.2.4 各種微生物の性状
1.3 細菌の代謝
1.3.1 独立栄養菌と従属栄養菌
1.3.2 好気性菌、嫌気性菌と正常細菌叢
1.3.3 代謝(Metabolism)
1.4 細菌の構造
1.5 細菌の形態
1.5.1 球菌Coccus, Cocci
1.5.2 桿菌Bacillus, Bacilli, Rod, Rods
1.5.3 らせん菌Spirillum, Spirilla
1.6 細菌の基本構造
1.6.1 細胞壁Cell wall
1.6.2 細胞膜Cell membrane
1.6.3 細胞質Cytoplasma
1.6.4 核様体Nucleoid
1.6.5 莢膜Capsule、粘液層Slime layer
1.6.6 鞭毛Flagella
1.6.7 線毛Pili
1.6.8 芽胞Spore, Endospore
1.7 真菌とは
1.8 真菌の分類
1.9 真菌の代謝
1.9.1 真菌の生活環と増殖
1.9.2 糸状菌(菌糸型真菌)
1.9.3 酵母様真菌
1.10 真菌の構造
1.11 バイオフィルムに関連のある現象
1.11.1 クオラムセンシング(Quorum sensing)
1.11.2 生きてはいるけれども培養できない細菌 Viable but nonculturable(VBNC) bacteria.
2 微生物の培養と同定
2.1 微生物の分離・培養検査法
2.1.1 検体の選び方
2.1.2 検査材料の塗抹に用いる器具
2.2 無菌操作法
2.2.1 無菌操作の必要性
2.2.2 使用器具の火炎滅菌法
2.2.3 検査材料の塗抹と3 段階希釈法
2.3 同定検査法
2.3.1 細菌と真菌の培養の基礎知識
2.3.2 細菌の培養に用いる種々の培地
2.3.3 真菌の培養に用いる種々の培地
2.3.4 細菌の培養環境
2.3.5 真菌の培養環境
2.3.6 細菌の集落
2.3.7 真菌の集落と糸状菌の分生子の作成
2.3.8 細菌同定法
2.3.9 細菌性状の検査法
2.3.10 検査キットを用いた迅速診断法
2.3.11 血清学的・免疫学的検査法
2.3.12 細菌の遺伝子検査法
2.3.13 新たな細菌同定法
第2章 バイオフィルムの構造と形成過程
1 はじめに
2 一般的なバイオフィルム構造
3 バイオフィルムの特徴
4 バイオフィルムの固着(接着)・生長・脱離
4.1 浮遊細胞から固着細胞へ
4.2 バイオフィルム形成初期段階で働くセカンドメッセンジャーc-di-GMP
4.3 その他のヌクレオチド型セカンドメッセンジャーによるバイオフィルム形成への影響
4.4 マイクロコロニーおよびバイオフィルムの成長
4.5 バイオフィルムの成熟
4.6 バイオフィルムの崩壊とバイオフィルム離脱細胞の特徴
5 最後に
第3章 バイオフィルム発生評価
1 生物学的手法と機器分析による方法
2 菌数測定―その限界と問題点
3 各種染色法
3.1 非蛍光染色
3.2 蛍光色素を用いる場合
4 遺伝子解析
5 光学顕微鏡
6 蛍光顕微鏡
7 共焦点レーザ顕微鏡
8 走査型電子顕微鏡(SEM)
9 透過型電子顕微鏡(TEM)
10 原子間力顕微鏡(AFM)
11 可視紫外分光法(UV-VIS)
12 ラマン分光法とFTIR 法
13 質量分析
14 白色干渉計
15 NMR 法
第4章 バイオフィルムの発生事例と対策
第1節 居住空間でのバイオフィルム発生事例と対策
第1項 快適な居住空間のためのバイオフィルム対策
第2項 浴室内でのバイオフィルム(ヌメリ)発生事例と対策
1 浴室に発生する微生物汚染
2 ピンクヌメリの微生物実態
2.1 汚染の状態
2.2 生育速度
2.3 生育に及ぼす汚れの影響
3 ピンクヌメリ対策
3.1 日頃の対策
3.2 抗菌剤の活用
4 まとめ
第3項 台所環境におけるバイオフィルム発生事例と対策
第4項 トイレでのバイオフィルム発生事例と対策
1 はじめに
2 トイレ便器内に生息する細菌とバイオフィルム形成
2.1 トイレ便器内バイオフィルムからの細菌単離と菌叢解析
2.2 トイレ便器内から単離された細菌のバイオフィルム形成能
2.3 トイレ便器内のバイオフィルム形成への寄与度検証
3 トイレ便器内に生息する細菌に対する殺菌剤の効果
4 おわりに
第2節 医療現場でのバイオフィルム発生事例と対策
第1項 内視鏡のバイオフィルム発生事例と対策
1 背景
2 内視鏡を介した汚染事項とその要因
3 内視鏡洗浄消毒に関する国内外の情勢
4 内視鏡清浄度調査
4.1 サンプリング
4.2 洗浄液の塗抹・培養検査
4.3 調査の現状
5 内視鏡洗浄消毒の課題
第2項 口腔内のバイオフィルム発生事例と対策
1 口腔バイオフィルムの特殊性
1.1 常在性口腔細菌
1.2 唾液の役割
1.3 食品の作用
1.4 口腔清掃後の磨き残し
2 口腔バイオフィルムの病原性
2.1 う蝕
2.2 歯周病
2.3 舌上のバイオフィルム疾患
2.4 誤嚥性肺炎
3 口腔バイオフィルム関連疾患に対する対策
3.1 バイオフィルムの物理的除去
3.2 食生活改善によるバイオフィルム形成制御
3.3 抗菌剤によるバイオフィルム形成制御
第3節 食品のバイオフィルム発生事例と対策
1 食品中の微生物とバイオフィルム
1.1 微生物が産生するバイオフィルム
1.2 食品中でバイオフィルムを産生する微生物
1.3 食品中での微生物共生によるバイオフィルム産生
2 食品中のバイオフィルム
2.1 洋菓子のバイオフィルム
2.1.1 洋菓子のロープ生成変敗現象と変敗微生物
2.1.2 洋菓子のバイオフィルム生成の制御
2.2 水産加工食品のバイオフィルム
2.2.1 イカ加工製品のバイオフィルム
2.2.2 剣先するめのバイオフィルム
2.2.3 かまぼこのバイオフィルム
2.2.4 水産加工食品のバイオフィルム生成の制御
2.3 農畜産加工食品のバイオフィルム
2.3.1 めん類のバイオフィルム
2.3.2 豆類加工品のバイオフィルム
2.3.3 肉類のバイオフィルム
2.3.4 農産物のバイオフィルム
2.3.5 農産加工食品のバイオフィルム生成の制御
第4節 食品工場におけるバイオフィルム発生事例と対策
第1項 ゆば製造工場におけるバイオフィルム発生事例と対策
1 はじめに
2 大豆加工品(ゆば)と微生物の挙動
3 製造現場におけるモニタリング方法
4 ゆば製造における微生物汚染とその対策
4.1 バイオフィルム防止のため洗浄殺菌
4.2 原料(大豆)の除菌洗浄―酵素系洗浄剤の利用―
4.3 製造装置および機械の洗浄殺菌
4.3.1 豆乳配管の洗浄殺菌
4.3.2 ゆば巻き取り自動装置
4.3.3 加工ゆば充填機
5 まとめ
第2項 食品製造設備・機器のバイオフィルム発生事例と対策
1 はじめに
2 食品製造施設のバイオフィルムに関与する微生物
2.1 リステリア菌
2.2 シュードモナス属
2.3 バチルス属
3 食品製造施設におけるバイオフィルムが形成されやすい箇所
3.1 乳製品製造工場
3.2 食肉加工工場
3.3 その他
3.3.1 搬送コンベアーのガイド
3.3.2 テーブルの脚
3.3.3 機器の入口と出口のフラップ
3.3.4 不良な溶接
3.3.5 バルブのゴム製ハンドルカバー
3.3.6 ゴム製マット
4 バイオフィルム対策-洗浄と殺菌
4.1 洗浄
4.2 殺菌
5 おわりに
第5節 医薬品製造工場におけるバイオフィルム発生例と対策
1 バイオフィルムとは何か?
2 バイオフィルムができるステップ
3 バイオフィルムの発生と発育
4 欧州薬局方第9 版の内容
5 精製水製造装置
6 精製水製造時における微生物管理におけるWHO と日本薬局方と無菌操作法の比較
7 製薬用水設備の配管勾配
8 デッドレッグ(Dead Legs)およびデッドエンド(Dead End)の回避
8.1 層流と乱流
8.2 流速とステンレス管内壁へのバイオフィルムなどの付着
9 微生物の増殖防止策
9.1 微粒子の大きさ
9.2 TOC(Total Organic Carbon)と細菌数の関係
第6節 化粧品製造工場における微生物汚染とバイオフィルム対策
1 化粧品の微生物汚染
1.1 一次汚染と二次汚染
1.2 化粧品の微生物汚染例
1.3 汚染の原因と対策の基本
2 化粧品工場での汚染とバイオフィルム
2.1 バイオフィルムの存在場所
2.2 バイオフィルムの予防およびその除去
2.2.1 排水設備などのバイオフィルムの予防・除去
2.2.2 パイプラインのバイオフィルムの予防・除去
2.2.3 純水設備のバイオフィルムの予防・除去
第5章 バイオフィルム対策技術のポイント
1 バイオフィルムを退治する
2 バイオフィルムの発生防止ポイント
3 バイオフィルム形成防止技術
3.1 微生物付着
3.2 付着・増殖の阻止
3.2.1 表面改質
3.2.2 薬剤
3.2.3 細菌の情報伝達機構(クオラムセンシング)
3.2.4 超音波
4 バイオフィルムの除去技術
4.1 洗浄・殺菌
4.1.1 湿式洗浄
4.1.2 アルカリ剤の洗浄効果
4.1.3 次亜塩素酸の洗浄効果
4.1.4 界面活性剤の併用効果
4.1.5 塩素系アルカリフォームの洗浄効果
4.2 プラズマ
4.3 パルスレーザ照射
4.4 分解酵素
4.4.1 アルギン酸リアーゼ
4.4.2 バリダーゼ(ストレプトキナーゼ)
4.4.3 プロテアーゼ/ セルラーゼ
4.5 バクテリオファージ
5 バイオフィルム対策の実際
5.1 各種水系におけるバイオフィルム制御
5.1.1 冷却水系(スクラバー)
5.1.2 浴槽水系
5.1.3 給湯水系
5.2 食品工場でのバイオフィルム発生を抑制する洗浄殺菌技術
5.2.1 バイオフィルム形成を防止する設備要件
5.2.2 バイオフィルム形成防止策としての洗浄要件
5.2.3 殺菌を兼ねた洗浄方法
5.3 口腔バイオフィルム形成の制御方法
5.3.1 物理的な口腔清掃方法
5.3.2 代用甘味料を用いたバイオフィルム形成抑制
5.3.3 洗口剤によるバイオフィルム形成抑制
5.3.4 歯磨きペーストによるバイオフィルム形成抑制
5.3.5 クオラムセンシング阻害によるバイオフィルム形成抑制
5.4 医学分野におけるバイオフィルム
5.4.1 医療器具のバイオフィルム汚染
5.4.2 異物感染
5.4.3 ラクトフェリンとバイオフィルム感染症
5.4.4 バイオフィルム感染症と抗菌薬
終わりに
第6章 バイオフィルムとの共存・産業利用
1 はじめに
2 水処理分野におけるバイオフィルムの利用
3 発酵・酵素生産分野におけるバイオフィルムの利用
3.1 固体培養法
3.2 液面(表面)培養法
3.3 膜面液体培養法
4 固/液界面バイオフィルムの利用
4.1 固/液界面における毒性緩和現象
4.2 加水分解・エステル化反応への利用
4.3 酸化反応への利用
4.4 還元反応への利用
4.5 生分解への利用
5 気/液界面バイオフィルムの利用
6 液/液界面バイオフィルムの利用
6.1 液/液界面バイオフィルムの微生物変換への利用
6.1.1 加水分解反応への利用
6.1.2 還元反応への利用
6.1.3 水酸化反応への利用
6.1.4 エポキシ化反応への利用
6.2 液/液界面バイオフィルムの発酵への利用
6.3 界面バイオフィルムの天然物創薬への利用
7 おわりに