- ノボラックレジストから最新EUVレジストまで -
■ 発 刊:2012年3月9日
■ 定 価:11,000 円(税込)
■ 体 裁:B5判並製本 250頁
■ 発 行:S&T出版
ISBN 978-4-86428-037-2
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著 者
関口 淳 リソテックジャパン㈱
趣 旨
フォトレジスト材料の評価方法についてはそれほど多くの著書はありません。それは、フォトレジストの開発は特許性が高く、その評価方法は各社各様であるためです。標準的な基準は無く、メーカー独自の評価方法が採用されているからです。一般的な評価方法では、樹脂に感光剤を配合し、スピン塗布方法により基板に塗布、ステッパなどの露光機でパターンを露光します。その後、アルカリ現像液で現像し、得られたパターンをSEMで観察する方法が取られています。この方法を直接評価法といいます。直接評価法は材料とその、最終評価項目である現像後のレジスト形状を直接結びつける方法であり、評価方法としては絶対的であると言えます。しかし、評価には高額な露光装置(ステッパ)や走査電子顕微鏡(SEM)を必要とします。これに対し、リソテックジャパン社では、長年にわたりシミュレーションを用いた感光性樹脂の評価方法を提案しています。この方法を直接評価法に対して、間接評価法またはバーチャル・リソグラフィー評価法と呼びます。実際にパターンを転写し、SEM観察するのでは無く、感光性樹脂の現像速度データからシミュレータを用いて現像後のレジストパターン形状を予測し、リソグラフィ特性の評価を行います。この手法は一般的な形状シミュレーションと違い、実際のレジストの光学パラメータや現像速度データを用いることを特徴し、より現実的なシミュレーションと言えるでしょう。本書では、バーチャル・リソグラフィー評価方法の解説を中心に、リソグラフィーの工程に沿って、下記のような構成で、リソグラフィーの基礎から、最新のフォトレジスト材料の評価方法について述べたいと思います。
フォトレジストの研究開発、評価、プロセスアプリケーション、製造、品質管理の業務にかかわる多くに人々の参考書、また、ビギナー研究者のテキストとしてご活用いただければ、大変光栄です。
(著者より)
目 次
目次一覧PDF第2章 フォトレジストの塗布
1. フォトレジスト塗布装置の概要
1.1 スクリーン塗布方法
1.2 スピン塗布法
1.3 ロールコーティング法
1.4 ラミネーター法
1.5 ディップコーティング法
1.6 スプレーコーティング法
2. スピン塗布プロセスの実際
2.1 スピンプログラム
2.2 塗布プロセスの影響
2.2.1 高速回転時間の影響
2.2.2 塗布時の湿度の影響
3. HMDS処理
3.1 HMDSの原理
3.2 HMDS処理効果の確認
4. プリベーク
5. 膜厚の評価
5.1 段差計による膜厚測定(数μm~500μm)
5.2 分光反射率計による膜厚測定(50nm~300μm)
5.3 エリプソ法による膜厚計(1nm~2μm)
第3章 露光技術
1. 露光装置の概要
1.1 コンタクトアライナー
1.2 プロキシミティー・アライナ
1.3ミラープロジェクション
1.4 縮小投影露光装置 ステッパの登場
2. 露光技術
2.1 プロキシミティー露光の光学
2.2 ステッパの光学
2.3 高解像化へのアプローチ
3. フォトレジストの感光の原理とABCパラメータ
第4章 露光後ベーク(PEB)と現像
1. 露光後ベークの概要
2. PEBにおける感光剤の熱分解
3. PEBによる感光剤の拡散長の測定
3.1 現像速度測定による感光剤の拡散長の推定
3.2 実験結果および考察
3.2.1 拡散長の推算
3.2.2 各PEB温度における拡散長を用いた形状シミュレーション結果とSEM観察結果との比較
3.3 まとめ
4. 表面難溶化パラメータの推算とその評価
4.1 はじめに
4.2 現像速度測定装置の高精度化
4.3 表面難溶化パラメータの推算方法
4.4 表面難溶化パラメータ測定実験および結果の考察
4.5 まとめ
5. 現像技術の概要
5.1 ディップ現像
5.2 スプレー現像
5.3 パドル現像
5.4 ソフトインパクト・パドル現像
第5章 g線,i線レジスト(ノボラックレジスト)の評価技術
1. ノボラックレジストの概要
1.1 はじめに
1.2 高解像度化の要求
1.2.1 コントラストの向上
1.2.2 表面難溶化層の導入
1.2.3 高透明化
2. リソグラフィー・シミュレーションによるノボラックレジストの材料評価
2.1 はじめに
2.2 リソグラフィー・シミュレーション技術
2.3 パラメータの実測とシミュレーションの実行
2.3.1 ABCパラメータの測定
2.3.2 現像パラメータの測定
2.4 まとめ
3. シミュレータを用いたプロセスの最適化
3.1 はじめに
3.2 実験
3.3 シミュレーションの検討
3.4 考察
3.5 まとめ
第6章 KrF・ArF用フォトレジストの評価技術
1. KrF露光用レジストの概要
2. 化学増幅レジストの脱保護反応の解析
2.1 ハードウェハの概要
2.2 従来モデルの問題点とSpenceモデルの検討
2.2.1 従来モデルの問題点
2.2.2 Spenceらのモデル
2.3 実験及び結果
2.3.1 露光中の反応
2.3.2 PEB中の脱保護反応
2.4 新規な脱保護反応モデルの提案と脱保護反応の解析
2.5 まとめ
3. 露光中のレジストからのアウトガスの分析
3.1 QCMモニターによる露光中のレジストの質量変化の観察
3.2 GC-MSによる露光中のレジストから生じるアウトガスの分析
3.2.1 露光中のアウトガスの補足
3.2.2 露光中のレジストから生ずるアウトガスの分析
3.3 FT-IRによる露光中の脱保護反応の観察
3.4 実験および結果
3.4.1 QCMによる露光中アウトガスの観察
3.4.2 GC-MSによるアウトガス成分の分析
3.4.3 FT-IRによる露光中のレジストの脱保護反応の観察
3.5 まとめ
4. ArF露光用レジストの概要
5. FT-IRによるPAGからの酸発生反応の観察
5.1 ハードウェハの構成
5.2 実験及び結果
5.3 考察
5.4 まとめ
6. ArF露光用レジストからの露光中のアウトガス分析
6.1 アウトガス捕集装置および方法
6.1.1 アウトガス捕集のための露光装置
6.1.2 PAG由来のイオン性アウトガスの捕集・分析方法
6.1.3 保護基由来のVOCの捕集・分析方法
6.1.4 有機Sの捕集・分析方法
6.2 実験および結果
6.2.1 PAG由来のイオン性アウトガスの捕集・分析結果
6.2.2 保護基由来のVOCの捕集・分析結果
6.2.3 PAG由来の有機硫黄アウトガスの捕集・分析結果
6.3 考察
6.4 まとめ
7. 現像中のフォトレジストの膨潤解析
7.1 実験装置
7.2 ヒートショックの低減
7.3 実験
7.4 繰り返し測定精度
7.5 TBAH現像液における膨潤挙動の観察
7.6 まとめ
8. クマリン添加法によるPAGからの酸発生反応の観察
8.1 実験
8.2 結果および考察
8.3 まとめ
第7章 ArF液浸レジスト・ダブルパターニング(DP)プロセスの評価技術
1. ArF液浸露光技術
2. 液浸露光プロセスの評価(1) レジスト膜への水の浸透と感度変化
2.1 液浸露光対応反応解析システム
2.2 液浸リソグラフィ用レジスト材料の評価
2.2.1 液浸対応レジストの現像特性の評価
2.2.2 レジストからのアウトガスの評価
2.2.3 液浸露光中のレジスト膜の質量分析
2.3 実験
2.3.1 液浸対応レジストの感度の比較
2.3.2 液浸液の分析
2.3.3 液浸露光中のレジストの質量変化
2.4 まとめ
3. 液浸露光プロセスの評価(2) リーチングの評価
3.1 WEXA-2システムの概要とサンプリング方法
3.1.1 WEXA-2システムの概要
3.1.2 サンプリング方法
3.2 分析および解析
3.2.1 検量線の作成
3.2.2 LC/MS/MS分析
3.2.3 動的なリーチング特性の解析
3.3 システムの検証
3.4 実験
3.5 まとめ
4. 液浸DP露光技術
4.1 LLE法
4.2 ダブルパターニングのプロセス評価
4.3 まとめ
第8章 EUVレジストの評価技術
1. EUV露光技術
2. リソグラフィ・シミュレータを用いたEUVレジストの評価
2.1 システムの構成
2.2 実験および結果
2.3 シミュレーション
2.4 まとめ
3. EUVレジストの脱保護反応の解析
3.1 従来方法の問題点
3.2 EUVLに対応した新規な脱保護反応解析装置の検討
3.3 実験
3.3.1 露光波長の影響
3.3.2 EUVレジストの脱保護反応の観察
3.4 まとめ
4. EUVレジストのアウトガスの評価
4.1 アウトガス評価装置の概要
4.2 アウトガス評価装置 EUVOM-9000
4.3 まとめ
第9章 ナノインプリント・プロセスの最適化とその評価
1. NIL用光硬化樹脂を用いたナノインプリントの最適化と評価
1.1 はじめに
1.2 実験装置
1.3 Pre-Exposure Process(PEP)法の検討
1.4 実験および考察
1.4.1 実験方法
1.4.2 FT-IRによる架橋率の測定
1.5 Pre-Exposure Process法の効果
1.6 考察
1.7 まとめ
2. NIL用光・熱硬化樹脂を用いたナノインプリントの最適化と評価
2.1 SU-8のインプリントへの適用の問題点
2.2 プロセス条件の最適化
2.2.1 プリベーク条件の検討
2.2.2 インプリント温度の最適化
2.2.3 架橋反応のための最適PEB温度
2.4 実験
2.4.1 実験条件および結果
2.4.2 Sub100nmパターンの転写
2.5 まとめ
3. 離型プロセスを不要とするレプリカ転写技術-プロセス条件の検討
3.1 はじめに
3.2 レプリカモールド(MXLテンプレート)の作成
3.3 レプリカ転写実験
3.4 実験結果
3.5 レプリカ転写法の限界寸法
3.6 まとめ
4. ナノマイクロ混在構造の一括転写技術
4.1 PC制御化したナノインプリント装置 LTNIP-2000
4.2 実験
4.3 まとめ