化学品の市場調査、研究開発の支援、マーケット情報の出版

~ 材料別の熱伝導率・熱拡散率測定法から各種製品の熱設計・熱マネジメント技術まで ~

  ■ 発  刊:2019年2月28日
■ 定  価:69,300円(税込)
■ 体  裁:B5版 並製本 294頁
■ 発  行:R&D支援センター
   ISBN 978-4-905507-31-4

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著 者

※ 敬称略
明治大学 小林 健一
東京工業大学 森川 淳子
(国研)産業技術総合研究所 阿子島 めぐみ
図研テック㈱ 藤田 哲也
富山県立大学 石塚 勝
和歌山工業高等専門学校 大村 高弘
(一財)建材試験センター 藤本 哲夫
福岡大学 本田 知宏
神戸市立工業高等専門学校 三宅 修吾
㈱アドバンストナレッジ研究所 大串 哲朗
茨城大学 太田 弘道
アドバンス理工㈱ 池内 賢朗
㈱ベテル 羽鳥 仁人
大阪大学 上谷 幸治郎
(国研)産業技術総合研究所 阿多 誠介
京都電子工業㈱ 田口 博幸
(国研)産業技術総合研究所 阿部 陽香
(一社)産学官連携ものづくり研究機構 横堀 勉
市光工業㈱ 菊池 和重
三菱電機㈱ 田村 正佳
㈱サーモグラフィティクス 竹馬 克洋
㈱サーモグラフィティクス 俊成 修平
元・カルソニックカンセイ㈱ 原 潤一郎
芝浦工業大学 小野 直樹
 

 

発刊にあたって

 多くの製品(材料・部品・機器)において、熱の問題は発生する。パワーや容量などの性能が上がって、小型化・薄型化が進めば、尚更熱の対策は急務となる。
 本書は伝熱の基礎から熱物性の測定事例、熱対策手法までを網羅しており、日頃熱の問題に取り組む技術者・開発者・研究者、品質管理部門・製造部門の方々に必携の一冊となるはずである。

趣 旨

 本書では、まず第1章で伝熱工学の基礎を解説する。本書を活用する上で必要となる伝熱機構や熱物性測定の概要、標準物質について分かりやすく解説がされている。その後で理解しておくべき熱設計・放熱の考え方や熱回路網法の解説に入っていく。
 第2章では、熱物性の中でも特に重要な熱伝導率と熱拡散率を取り上げ、定常法・非定常法の各手法で色々な材料を測定した事例を紹介する。また、普及の広がる非定常法では熱伝導率を直接測ることができず、熱伝導率を算出するためには比熱容量と密度が必要なため、第3節でその比熱測定方法についても解説している。
 第3章では熱対策の事例として、LEDやパワーデバイスなど様々な製品の熱設計、放熱技術、熱マネジメント技術を紹介している。製品や要求レベルは違っても、熱対策に取り組む技術者・研究者にとって役立つ知識を見つけられるはずである。
 そして最後に付録として、熱伝導率や熱拡散率などの熱物性を測定する装置(5社の製品)の便覧が付いている。
 

本書の特徴

 ☆ 定常・非定常の各種測定法および比熱測定法の原理・測定事例・測定上の注意点などを詳しく解説!
 ☆ プリント基板、LED、パワーデバイス、リチウムイオン二次電池などの放熱技術を紹介!
 ☆ 付録として、現在製造・販売されている熱物性測定装置の便覧も収録!

目 次

目次一覧PDF
第1章 伝熱工学の基礎

第1節 伝熱機構(伝導・対流・ふく射)について
 1.熱力学(ジュール)と伝熱(ワット)
 2.伝熱の三形態
 3.熱伝導
 4.対流熱伝達
 5.ふく射
 6.伝熱機構のまとめ
 
第2節 各種熱物性測定の種類・特長
 1.はじめに
  1.1 熱物性測定の意義
  1.2 熱伝導現象
  1.3 熱物性の定義
  1.4 有効熱伝導率
  1.5 熱伝達と熱抵抗
  1.6 輻射における熱抵抗と熱コンダクタンス
 2.熱分析・熱物性測定法総覧
  2.1 概観
  2.2 熱伝導率・熱拡散率測定法概観
  2.3 熱分析と熱容量測定概観
 3.まとめ
 
第3節 熱物性測定の標準物質について
 1.はじめに
 2.固体の熱物性標準物質
  2.1 熱伝導率の標準物質
  2.2 熱拡散率の標準物質
  2.3 比熱容量の標準物質
  2.4 その他の熱物性値に関する標準物質
 3.標準物質の効果的な使用方法
 4.終わりに
 
第4節 熱設計・放熱の考え方
 1.熱設計の目的
  1.1 なぜ製品には熱設計・熱対策が必要か?
  1.2 現代製品の熱設計の目的
 2.熱設計の考え方
  2.1 放熱経路と伝熱機構
  2.2 従来の熱設計の流れ
  2.3 高密度製品の熱設計と熱抵抗
 
第5節 熱回路網法よる熱解析手法
 1.伝熱の基礎
  1.1 伝熱の3要素
  1.2 熱伝導
  1.3 対流熱伝達
  1.4 二つの境界層
  1.5 放射伝熱
 2.熱回路網法の解析と応用
  2.1 熱回路網法の要素
  2.2 熱回路網法の定式化
  2.3 電球形蛍光ランプの熱設計への応用
  2.4 相変化をともなうパッケージの熱解析への応用
 3.あとがき

第2章 熱伝導率・熱拡散率測定の事例

第1節 定常法による測定事例
第1項 保護熱板法(GHP法)による断熱材の熱伝導率測定
 1.はじめに
 2.保護熱板法(GHP法)の測定原理
 3.測定例
  3.1 アルミナ繊維質断熱材
  3.2 ケイ酸カルシウム保温材
 4.測定誤差低減に関する研究
  4.1 厚さ方向の熱伝導率推定方法
  4.2 厚さ方向の熱伝導率推定例
 5.その他の誤差低減に関する研究
 6.まとめ
第2項 熱流計法(HFM法)による断熱材の熱伝導率測定
 1.はじめに
 2.熱流計法(HFM法)熱伝導率測定装置
  2.1 熱流計
  2.2 熱流計法測定装置の構成
  2.3 温度測定
 3.熱流計法(HFM法)測定装置の校正
 4.試験体
 5.測定
 6.熱流計法(HFM法)以外の類似測定法
  6.1 平板比較法
  6.2 保護熱板式熱流計法
 7.おわりに
第3項 複合材料の熱伝導率測定
 1.はじめに
 2.複合材料の測定事例1(平板直接法)
 3.複合材料の測定事例2(保護熱板法)
 4.複合材料の測定事例3(平板比較法)
第4項 等温壁型熱量計による自己伝播発熱反応の発熱量測定
 1.緒言
 2.Al/Ni多層粉末の自己伝播発熱反応
 3.自己伝播発熱反応用等温壁型熱量計
 4.結言
第5項 直線フィン温度分布フィッティング法によるプリント基板の面内方向熱伝導率測定
 1.緒言
 2.測定原理と特長
  2.1 測定原理
  2.2 特長
  2.3 測定可能な測定条件
 3.多層プリント基板の面内方向熱伝導率測定
  3.1 測定装置
  3.2 試験片仕様
  3.3 試験結果
 4.多層プリント基板の面内方向熱伝導率予測式
  4.1 熱伝導率予測モデル
  4.2 熱伝導率予測結果と実測値との比較
 5.結論
第6項 不均一温度場における熱伝導率測定
 1.はじめに
 2.試験体の厚さ方向の熱伝導率測定方法
 3.測定装置
 4.測定結果
 5.まとめ
 
第2節 非定常法の測定事例
第1項 レーザフラッシュ法による融体および複合材料の熱拡散率測定
 1.融体
  1.1 金属
  1.2 半導体
  1.3 非金属融体
 2.複合材料
  2.1 相の大きさと測定試料の大きさ
  2.2 試料の耐熱性
第2項 2ω法法による薄膜の熱物性測定
 1.はじめに
 2.2ω法の原理
 3.2ω法の適応例
  3.1 熱が薄膜と基板の境界付近まで到達している条件で評価する場合
  3.2 熱が基板まで完全に到達している条件で評価する場合
 4.おわりに
第3項 周期加熱法による断熱材の熱拡散率測定
 1.はじめに
 2.測定原理
 3.測定装置
 4.測定結果
  4.1 結晶質アルミナ短繊維断熱材
  4.2 高純度アルミナファイバー断熱材
 5.測定誤差
 6.測定上の注意点
 7.まとめ
第4項 スポット周期加熱放射測温法によるグラファイトシートの熱拡散率測定
 1.はじめに
 2.スポット周期加熱放射測温法の原理
 3.測定装置
  3.1 装置構成
  3.2 試料台
  3.3 製品化の例
 4.測定試料
 5.実験結果
  5.1 距離と位相の関係
  5.2 試料の温度上昇の考慮と熱拡散率測定結果
 6.まとめ
第5項 スポット周期加熱放射測温法によるセルロースナノペーパーの熱拡散率測定
 1.セルロース系の低密度材料
 2.次世代の「紙」セルロースナノペーパーと熱伝導性測定法
 3.セルロースナノペーパーの熱伝導率
 4.CNFによる異方性熱伝導材料
 5.おわりに
第6項 スポット周期加熱放射測温法によるカーボンナノチューブの熱拡散率測定
 1.熱伝導体としてのCNT
 2.CNTの熱伝導性の利用
 3.キャリアの分離
第7項 ホットディスク法によるゴム・プラスチックスの熱伝導率・熱拡散率測定
 1.はじめに
 2.熱伝導率測定の分類
 3.HotDisc法の測定原理
 4.HotDisc装置について
 5.測定例
  5.1 高熱伝導性プラスチック
  5.2 溶融高分子
 6.おわりに
第8項 熱物性顕微鏡によるセラミックス材料及びフィラーの熱浸透率測定
 1.はじめに
 2.サーモリフレクタンス法の原理
 3.熱物性顕微鏡の原理
  3.1 測定原理
  3.2 装置構成
  3.3 熱浸透率の校正
 4.微小構造材料の測定(Al3Ti/Fe傾斜機能材料)
 5.アルミナ電着皮膜の熱浸透率測定
 6.窒化アルミニウム球形フィラーの熱伝導率測定
 7.まとめ
 
第3節 非定常法の熱伝導率換算のための比熱測定方法
第1項 投下法による比熱測定方法
 1.定積比熱と定圧比熱
 2.真比熱と平均比熱
 3.投下法の測定原理
 4.熱拡散率を熱伝導率に換算するための比熱
 5.エンタルピーから定圧比熱(真比熱)を求める場合の注意点
 6.平均比熱の推定式(Sharp-Ginther の式)
 7.平均比熱の測定例
 8.まとめ
第2項 DSC法による比熱測定方法
 1.測定原理
 2.DSCによる比熱測定
 3.測定を実施するための注意事項
  3.1 温度・熱流校正
  3.2 試料容器
  3.3 試料量と昇温速度
  3.4 基準物質
第3項 断熱法による比熱測定方法
 1.定義
 2.測定原理
 3.測定装置
 4.比熱値の求め方
 5.装置の健全性評価
第4項 フラッシュ法による比熱測定方法
 1.測定原理
  1.1 フラッシュ法の原理
  1.2 フラッシュ法による比熱容量測定
  1.3 フラッシュ法による比熱容量測定の実際
 2.測定事例
 3.まとめ

第3章 各製品における熱設計・熱対策の事例

第1節 プリント配線板の放熱方法
 1.プリント配線板の放熱性
 2.小型部品の放熱性
 3.周囲発熱部品からの影響
 
第2節 LEDヘッドランプの熱設計と熱流体解析
 1.はじめに
 2.ヒートシンクの熱移動
  2.1 LEDからベースへの熱の拡散
  2.2 ヒートシンク表面からの対流による熱の放出
  2.3 ヒートシンク表面からの輻射による熱の放出
 3.ヒートシンクの熱設計
  3.1 ヒートシンクサイズの推定
  3.2 ヒートシンクの理想形状の推定
  3.3 実形状の検討
  3.4 最終実形状の決定
 4.今後の課題
 
第3節 パワー素子用水冷ヒートシンクの性能予測と測定
 1.水冷ヒートシンクの技術動向
  1.1 パワー素子とは?
  1.2 なぜ水冷が必要か
  1.3 ベース面積基準熱伝達率(hb)
  1.4 水冷フィンの製法と材料
  1.5 水冷フィンの性能
  1.6 ピンフィンについて
 2.3次元解析による水冷フィンの性能予測
  2.1 ヒートシンクの熱抵抗
  2.2 水冷フィンの解析モデル
  2.3 流れのモデルの決定
  2.4 温度境界層厚さの概算
  2.5 メッシュサイズの決定
  2.6 解析結果の評価方法
  2.7 偏流を考慮した冷却性能解析
 3.水冷フィンの冷却性能試験
  3.1 冷却性能評価の実験系
  3.2 実験によるhbの測定方法
  3.3 実験のポイント
  3.4 解析結果と試験結果の比較例
 
第4節 高熱伝導グラファイトによるパワーデバイスの放熱設計
 1.はじめに
 2.高熱伝導グラファイトの特徴や構造
  2.1 従来のグラファイト
  2.2 高熱伝導グラファイト
  2.3 グラファイトにおける熱の伝わり
 3.高熱伝導グラファイトの複合化技術
  3.1 従来の複合化技術
  3.2 グラファイトの表面構造の制御
  3.3 異種材料との接合
  3.4 グラファイトによる伝熱方向のコントロール
  3.5 コーティング複合体
 4.パワーデバイスに用いる材料への期待
  4.1 デバイスの構成
  4.2 熱伝導と応力緩和
 5.パワーデバイスへの活用について
  5.1 ヒートスプレッダーとして
  5.2 絶縁基板として
  5.3 冷却器として
 6.熱特性評価
 7. 信頼性試験
  7.1 熱サイクル試験
  7.2 パワーサイクル試験
 8.まとめ
 
第5節 次世代自動車の熱マネジメント技術
 1.熱マネジメントにおける3つの柱
 2.排熱回収
 3.空調負荷
 4.暖機
 5.自動運転の時代の熱マネジメント
 
第6節 相変化材料を用いた伝熱システムによるリチウム電池の冷却・放熱
 1.はじめに
 2.相変化材料を用いた冷却システムの試作と短絡実験について
  2.1 冷却システム
  2.2 短絡実験について
 3.実験結果および考察
  3.1 各実験の冷却効果の比較
  3.2 PCMの融点変更の効果
 4.まとめ
 
付録 熱物性(熱伝導率・熱拡散率など)測定装置の便覧
 (1)アドバンス理工㈱
 (2)京都電子工業㈱
 (3)ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン㈱
 (4)㈱ベテル ハドソン研究所
 (5)メンター・グラフィックス・ジャパン㈱
  

 

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