化学品の市場調査、研究開発の支援、マーケット情報の出版



                 ■ 発  刊:2017年10月6日
                 ■ 定  価:68,200円(税込)
                 ■ 体  裁:B5版 355頁
                 ■ 発  行:S&T出版
                   ISBN 978-4-907002-67-1

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著 者

【監修】
五十部誠一郎 日本大学

【執筆】
五十部誠一郎 日本大学
小関成樹  北海道大学
紙谷喜則  鹿児島大学
作道章一  琉球大学
山本和貴  (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門
大嶋孝之  群馬大学
嶽本あゆみ 沖縄工業高等専門学校
君塚道史  宮城大学
坂本宏司  広島国際大学
岡留博司  (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門
植村邦彦  (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門
阿部 茂  酪農学園大学
五月女格  (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門
小川哲郎  島根県産業技術センター
近重克幸  島根県産業技術センター
中川良二  (地独)北海道立総合研究機構 食品加工研究センター
三輪章志  石川県農林総合研究センター
宍戸功一  新潟県農業総合研究所
椎名武夫  千葉大学
石川 豊  農林水産省 農林水産技術会議事務局
北澤裕明  (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門
馬場紀子  福岡県農林業総合試験場
池田浩暢  福岡県農林業総合試験場
飛塚幸喜  山形県工業技術センター
長 俊広  山形県工業技術センター
内田基晴  (国研)水産研究・教育機構 瀬戸内海区水産研究所
源川拓磨  筑波大学
蔦 瑞樹  (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門
田川彰男  鹿児島県 大隅加工技術研究センター 
 

趣 旨

 消費者が期待している食品の高品質化に対応するための食品加工技術が求められています。食品加工技術については、従来の加工食品のみならず、農産物の一次加工分野や外食・中食においても注目されています。
「攻めの農林水産業」として、農林水産業・農山漁村の潜在力を最大限に引き出し、農林水産業・農山漁村の所得を向上させ、地域のにぎわいを取り戻していくために、6次産業化などを核とした施策が実施されてきた中で、農産物の一次加工などの食品加工技術が、今まで以上に生産地での農業生産法人や連携する食品製造業においても注目されていることがその理由です。また労働者不足対策や製品品質の安定のため、外食産業やスーパー等での総菜の調理加工における高効率・高品質化のシステムが求められており、これらに活用できる技術としても注目されています。
 これまで、多くの新しい食品加工技術の紹介が学術論文等でなされてきました。また農水省においても平成21年、さらに平成23年に実施した食品産業技術ロードマップの策定事業においても、現状の食品加工技術についての取りまとめと今後開発が必要とされる技術課題について報告されています。
 本書は国内の農産物の高付加価値化のために、利用可能な様々な食品加工技術について、周辺技術も含めて収録しており、加工食品の製造メーカーの方だけでなく、農産物の一次加工などに関係する農業生産法人、さらに外食・中食製造にかかわる技術者や商品開発担当者などの皆様へ、それぞれの食品開発のための参考となる技術を紹介することを目的としたものです。
 内容としては食品加工技術について、大きく4分野(加工・商品化技術、流通関連技術、発酵処理などの微生物関連技術及び商品化支援技術)に分けて、新規開発技術を中心に、さらに実際の農産物への適用を行うことで高付加価値の商品設計ができている技術なども含めてまとめたものです。またこれらの技術支援を担っている公的研究機関の企業支援サービスについても紹介しています。
 本書が少しでも皆様の食品開発のお役に立てば幸いです。

目 次

目次一覧PDF
第1編 総 論  五十部 誠一郎
 1. はじめに
 2. 高付加価値化とは
 3. 農産物のポストハーベスト技術
 4. 農産物の一次加工処理
 5. 農産物の高機能性確保のための先端加工技術
 6. 品質管理などのモニタリングや危害リスク検出に対応した工学的評価技術
 7. おわりに

第2編 加工・商品化技術

第1章 非熱プロセス技術
 第1節 食品における微生物挙動を予測する技術─予測微生物学の適用可能性─  小関 成樹
  1. はじめに
  2. 予測微生物学
  3. 増殖/死滅モデルの基本概念
  4. 確率論的な予測解析とその活用
  5. 増殖/非増殖境界モデル
  6. 予測ソフトウェアの展開
  7. 食品加工・流通への適用
  8. 最近の研究トレンド
  9. 現状の課題と今後の展望

 第2節 電解水による食品殺菌・洗浄技術  紙谷 喜則
  1. はじめに
  2. 次亜塩素酸ナトリウム(次亜ソ)殺菌の基礎
  3. 電解水の効能 
  4. その他
  5. 安全性
  6. あとがき

 第3節 プラズマ殺菌技術  作道 章一
  1. はじめに
  2. 食品殺菌の現状
  3. プラズマとは
  4. 窒素ガスプラズマによるサルモネラの不活化
  5. 窒素ガスプラズマによる志賀毒素(Stx)やアフラトキシンの不活化
  6. ローラーコンベア型プラズマ装置の開発と殺菌効果の検証
  7. プラズマによる食品殺菌の研究報告例
  8. おわりに

 第4節 高圧加工技術  山本 和貴
  1. 緒言
  2. 熱処理と高圧処理
  3. 高圧処理による各種効果
  4. 食品高圧加工装置
  5. 地域特産加工品の開発
  6. おわりに

 第5節 高電圧パルス電界・放電を用いた非加熱殺菌技術  大嶋 孝之
  1. はじめに
  2. 高電圧パルスと水系
  3. パルス電界による殺菌?パルス殺菌?
  4. パルス殺菌槽(電極構造)の改良
  5. パルス殺菌の応用に向けて
  6. パルス電界のその他の応用

 第6節 衝撃波を利用した食品製造技術  嶽本 あゆみ
  1. 衝撃波を食品加工に利用するために
  2. 衝撃波による食品加工の実際
  3. 最後に

 第7節 冷凍による高付加価値技術  君塚 道史
  1. はじめに
  2. 凍結方法と氷結晶
  3. 凍結速度と解凍後の品質
  4. 保存温度による高付加価値化
  5. 低温処理による食味の改善と成分の向上
  6. 凍結による寄生虫性食中毒への対処

 第8節 凍結含浸法による食品加工技術 坂本 宏司
  1. 凍結含浸法とは
  2. 凍結含浸法を利用した高齢者・介護用食品の製造
  3. 凍結含浸法で得られた食材の品質
  4. 栄養強化、機能性付加技術
  5. 安全性評価のための臨床試験と新規嚥下造影検査食の開発
  6. おわりに

第2章 穀類の粉砕処理による高付加価値化  岡留 博司
 1. はじめに
 2. 米粉製造に使われる粉砕機について
 3. 粉砕方法による米粉の粉体特性及び加工特性の変動
 4. 米のマイクロ・ナノスケール粉砕について

第3章 交流高電界加熱殺菌技術  植村 邦彦
 1. はじめに
 2. ジュール加熱
 3. 交流高電界の高電界による殺菌原理
 4. まとめと今後の展開

第4章 過熱水蒸気処理による農水産物の高付加価値化  阿部 茂
 1. はじめに
 2. 過熱水蒸気の諸特性
 3. 食品加工における過熱水蒸気処理の様々なメリット
 4. 過熱水蒸気技術の新たな展開
 5. おわりに

第5章 アクアガスを用いた粉体造粒技術  五月女 格
 1. はじめに
 2. アクアガス造粒のアイディア
 3. アクアガス造粒装置
 4. バインダ添加量設定方法
 5. アクアガス造粒の事例
 6. おわりに

第6章 機能性に着目した高品質加工技術  小川 哲郎 近重 克幸
 1. はじめに
 2. エゴマ葉への各種乾燥技術の適用
 3. おわりに

第7章  乳酸菌HOKKAIDO 株を用いた機能性を有する食品の開発  中川 良二
 1. はじめに
 2. HOKKAIDO 株の機能性
 3. 機能性発酵豆乳の開発
 4. 乳酸菌発酵酒粕を用いた機能性アルコール飲料
 5. おわりに

第8章 食品加工技術による農水産物の食品素材化  三輪 章志
 1. はじめに
 2. 電気穿孔処理による機能性を向上させた野菜の素材化
 3. 高圧を活用した「かぶら寿し」の迅速製法
 4. おわりに

第9章 高付加価値米加工技術  宍戸 功一
 1. はじめに
 2. 米粒を原料とした高付加価値製品
 3.  米粉としての高付加価値化
 4.  米ゲル
 5.  米デンプン
 6. おわりに

第10章 先端技術シーズによる調理食品の高付加価値化  五十部誠一郎
 1. はじめに
 2. 外食産業の現状
 3. 外食産業の調査(台湾、タイ、中国について)
 4. 加工技術シーズ導入のプロセスについて

第3編 流通関連技術

第1章 農産物の高付加価値化のための生産地からの高品質物流技術  椎名 武夫
 1. はじめに
 2. 環境要因と青果物の品質変化
 3. 青果物の品質保持技術
 4. 輸送モードと品質保持技術
 5. 輸出対応を含む新たな技術開発
 6. おわりに

第2章 農産物輸出促進のための課題と期待される流通技術  石川 豊
 1. はじめに
 2. 農林水産物・食品の輸出実績
 3. 農林水産物・食品の輸出に向けた戦略と課題
 4. 輸出対応を含む新たな技術開発

第3章 農産物流通における新規緩衝包装技術の開発  北澤 裕明
 1. はじめに
 2. 宙づり型緩衝包装容器(イチゴ)
 3. 非接触型緩衝包装容器(イチゴ)
 4. 荷扱いを想定した緩衝包装技術(オウトウ)
 5. 緩衝機構を有する携行容器(リンゴ)
 6. 多段積み包装のための損傷制御技術(イチゴ)
 7. 個々の形状・大きさの違いに対応可能な緩衝包装技術(ブドウ)
 8. 今後の展開

第4章  農産物の鮮度保持等および高付加価値化のための輸送技術  馬場 紀子 池田 浩暢
 1. はじめに
 2. 宙吊り型容器「ゆりかーご(R)」
 3. 青果物用鮮度保持袋「ベジフレッシュ(R)」
 4. 農産物の表面を殺菌する「光殺菌装置」

第4編 微生物関連技術及び商品化支援技術

第1章 発酵処理による地方農産物の高付加価値化技術  飛塚 幸喜 長 俊広
 1. はじめに
 2. 麹菌を活用した食品加工
 3. 乳酸菌を活用した食品開発

第2章 海藻の発酵処理による高付加価値食品の開発  内田 基晴
 1. はじめに
 2. 海藻類の乳酸発酵
 3. 海藻類の高塩分乳酸発酵と藻醤開発
 4. 海藻草類のエタノール発酵と飲料素材開発
 5. 海藻の枯草菌発酵と納藻の開発
 6. 海藻麹の開発
 7. おわりに

第3章 分光計測によるプロセス管理(品質評価、モニタリング)の高度化  源川 拓磨
 1. はじめに
 2. 分光計測によるプロセス管理の高度化
 3. 近赤外分光法によるプロセス管理技術
 4. 分光計測によるプロセス管理の事例
 5. おわりに

第4章 蛍光指紋とデータマイニングによる品質評価手法  蔦 瑞樹
 1. はじめに
 2. データマイニングとは
 3. 応用事例
 4. おわりに

第5章 産地での高品質1 次加工による商品支援技術  田川 彰男
 1. はじめに
 2. 大隅加工技術センターの概要
 3. 県産農産物への研究・開発支援
 4. おわりに

資料 公的研究機関の企業支援サービス
1.北海道立総合研究機構 食品加工研究センター
2.山形県工業技術センター
3.新潟県農業総合研究所 食品研究センター
4.栃木県産業技術センター
5.茨城県工業技術センター
6.長野県工業技術総合センター
7.島根県産業技術センター
8.鹿児島県大隅加工技術研究センター