化学品の市場調査、研究開発の支援、マーケット情報の出版

~ 探索と設計 ~
 
                 ■ 発  刊:2017年6月1日
                 ■ 定  価:40,700円(税込)
                 ■ 体  裁:B5判 312頁
                 ■ 発  行:㈱エヌ・ティー・エス
                   ISBN 978-4-86043-497-7

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本書の特徴

 ・今注目のマテリアルズ・インフォマティクス、その最先端をいくアメリカより最新の進歩についての翻訳本!
 ・第I部ではマテリアルズ・インフォマティクスにおける情報理論のツールの解説と特殊な材料問題への適用方法などの最前線を解説。
 ・第II部では材料科学問題への情報科学ツールの応用に焦点を当てて解説。
 ・第III部ではコンビナトリアル材料科学における大規模データを産生するハイスループット実験を解説。

こんな方におすすめ
 ・統計学、計算機科学、および材料科学の複数の事項を対象とする方に
 ・革新的材料・デバイス技術の開発、即ち実験とデータ科学等の融合による革新的材料開発を実施したい研究者など
 ・製薬会社等で人工知能・機械学習などを活用して創薬を推進したい方に
 ・農業AIを活用して新規農作物で育種を行いたい方など

◇ 原書:Springer Series in Materials Science
「Information Science for Materials Discovery and Design」Springer(2015)
◇ 原著者:Turab Lookman, Francis J. Alexander, Krishna Rajan

翻訳者

石井 一夫
 東京農工大学特任教授。専門はゲノム科学。徳島大学大学院医学研究科博士課程修了。
 2015年度情報処理学会優秀教育賞受賞。日本技術士会フェロー、APECエンジニア、IPEA国際エンジニア、博士(医学)。

 最近の著書
 『あたらしい人工知能の教科書プロダクト/サービス開発に必要な基礎知識』(多田智史/著、石井一夫/監)、翔泳社、2016年12月。
 『科学技術計算のためのPython ―確率・統計・機械学習』(Jose Unpingco/著、石井一夫、他/訳)、エヌ・ティー・エス、2016年12月。
 『Rとグラフで実感する生命科学のための統計入門』(石井一夫/著)、羊土社、2017年3月。

主な目次

第Ⅰ部 データ分析と最適化学習
 第1章 マテリアルズインフォマティクスの概略:最先端と問題点
 第2章 材料科学における情報駆動型実験計画法
 第3章 材料設計のためのベイズ最適化法
 第4章 小規模標本の分類
 第5章 データ可視化および構造同定
 第6章 多重尺度クラスタリングによる物理複雑系に隠された構造の推定

第Ⅱ部 データ、シミュレーション、およびハイスループット計算を用いた材料予測
 第7章 高密度に付加製造された部品製造へのデータマイニング法の利用
 第8章 酸化セリウムによる水の分解における最適ドーパントの選択:第一原理データの探索とスクリーニング
 第9章 第一原理データセットと学習法による材料探索への道
 第10章 第一原理計算(ab initio )データを使うマテリアルズインフォマティクス:MAX相への応用
 第11章 マテリアルズインフォマティクスの記述子としての対称性適応歪みモード
 第12章 機械学習による金属間化合物の相安定性のための電子兆候の発見

第Ⅲ部 ハイスループットな測定と解析によるコンビナトリアル材料科学
 第13章 コンビナトリアル材料科学と、データの取得、解析、および表示に関する問題点の展望
 第14章 ハイスループットコンビナトリアル実験+インフォマティクス=コンビナトリアル科学 

詳細目次

目次一覧PDF
第I部 データ分析と最適化学習

第1章 マテリアルズインフォマティクスの概略:最先端と問題点
 1.1 序論
 1.2 統計的推定と設計:材料探索の加速化を目指す
 1.3 進歩および結語

第2章 材料科学における情報駆動型実験計画法
 2.1 序論
 2.2 最適化実験計画法のツール
  2.2.1 ベイズ推定法
  2.2.2 情報理論の対象
  2.2.3 計算上の考慮点
 2.3 最適化実験計画法の例
  2.3.1 膜─基板系:パラメータ推定のための実験計画法
  2.3.2 ヘテロ相の界面:モデル識別のための実験計画
 2.4 展望

第3章 材料設計のためのベイズ最適化法
 3.1 序論
 3.2 ベイズ最適化法
 3.3 ガウス過程回帰
  3.3.1 共分散関数の選択
  3.3.2 平均関数の選択
  3.3.3 推定
  3.3.4 単一の観測値を用いた推定
  3.3.5 ノイズの多い観測値を用いた推定
  3.3.6 パラメータ推定
  3.3.7 診断
  3.3.8 1つ以上の点での予測
  3.3.9 逆行列の回避
 3.4 標本抽出を行う場所の選択
  3.4.1 期待値改善法
  3.4.2 知識勾配法
  3.4.3 ワンステップ分析を越えた方法および他の方法
 3.5 ソフトウェア
 3.6 結論

第4章 小規模標本の分類
 4.1 序論
 4.2 分類
 4.3 誤差推定
 4.4 正当性
 4.5 最小平均二乗誤差の推定
 4.6 最適化ベイズ分類
 4.7 ガウスモデル
 4.8 ガウス分布モデルにおける最適化ベイズ分類器
 4.9 結論

第5章 データ可視化および構造同定
 5.1 序論
 5.2 理論
 5.3 結果
  5.3.1 圧電データ
  5.3.2 Plsデータ
  5.3.3 Treeデータ
 5.4 結論

第6章 多重尺度クラスタリングによる物理複雑系に隠された構造の推定
 6.1 一般的な問題
 6.2 アンサンブル最小化
 6.3 コミュニティ検出とデータマイニング
 6.4 多重尺度コミュニティ検出
 6.5 画像断片化
 6.6 コミュニティ検出相図
 6.7 複雑な材料と物理系をネットワークとして捉える
 6.8 まとめ
 
第II部 データ、シミュレーション、およびハイスループット計算を用いた材料予測

第7章 高密度に付加製造された部品製造へのデータマイニング法の利用
 7.1 序論
  7.1.1 レーザによる粉末床溶融を用いた付加製造
 7.2 密度のための付加製造部品最適化:現行法
 7.3 実験とシミュレーションを組み合わせるデータマイニング法
  7.3.1 変数パラメータを同定する簡単なシミュレーションの使用
  7.3.2 シミュレーション結果を評価するための簡単な実験の使用
  7.3.3 小さな柱の構築による密度の決定
 7.4 実験結果
 7.5 まとめ

第8章 酸化セリウムによる水の分解における最適ドーパントの選択:第一原理データの探索とスクリーニング
 8.1 序論
 8.2 スクリーニングの枠組み
 8.3 第一原理研究
  8.3.1 方法とモデル
  8.3.2 3段階基準の適用
 8.4 データ分析
  8.4.1 主成分分析
  8.4.2 ランダムフォレスト
 8.5 まとめと展望

第9章 第一原理データセットと学習法による材料探索への道
 9.1 序論
 9.2 DFTデータのハイスループットスクリーニングーリチウムイオン電池のカソード材料
 9.3 DFTデータと機械学習の組み合わせ I:融点
 9.4 DFTデータと機械学習の組み合わせ II:リチウムイオン伝導性酸化物
 9.5 DFTデータと機械学習の組み合わせ III:熱電材料

第10章 第一原理(ab initio )データを使うマテリアルズインフォマティクス:MAX相への応用
 10.1 序論
 10.2 MAX相:独特な材料の部類
 10.3 MAX相に対するマテリアルズインフォマティクスの適用
  10.3.1 初期スクリーニングと MAXデータベースの構築
  10.3.2 MAXの機械的特性と電子構造に関する典型的な結果
  10.3.3 データベースから得る記述子の分類およびそれら記述子間の相関
  10.3.4 マテリアルズインフォマティクスツールの有効性の確認
 10.4 MAXデータのさらなる応用
  10.4.1 高温における格子熱伝導率
  10.4.2 MAX相における普遍的弾性異方性
 10.5 他の材料系への拡張
  10.5.1 MAX関連系、MXene類、MAX固溶液、および類似の層状構造
  10.5.2 CSH-セメント結晶
  10.5.3 他の材料系への拡張:バルク金属ガラスおよび高エントロピー合金
 10.6 結論

第11章 マテリアルズインフォマティクスの記述子としての対称性適応歪みモード
 11.1 序論
 11.2 記述子としての歪みモード
 11.3 ペロブスカイト型ニッケル酸塩
  11.3.1 統計的相関の解析
  11.3.2 主成分分析(PCA)
 11.4 まとめ

第12章 機械学習による金属間化合物の相安定性のための電子兆候の発見
 12.1 序論
 12.2 インフォマティクスの背景とデータ処理
 12.3 インフォマティクスに基づくDOSスペクトルのパラメータ化
 12.4 体積弾性係数のフィンガープリントの同定
 12.5 まとめ
 
第III部ハイスループットな測定と解析によるコンビナトリアル材料科学

第13章 コンビナトリアル材料科学と、データの取得、解析、および表示に関する問題点の展望
 13.1 コンビナトリアル材料科学 ―進歩の20年
 13.2 コンビナトリアル材料合成
 13.3 ハイスループット測定とハイスループット解析
 13.4 データ分析と表示

第14章 ハイスループットコンビナトリアル実験+インフォマティクス=コンビナトリアル科学
 14.1 材料の複雑性を介した材料機能の個別化:ハイスループットなコンビナトリアル法の有用性
 14.2 ビッグデータの例としての材料データセット
 14.3 ハイスループット実験パイプライン:ソーラ燃料材料の探索の例
 14.4 具体的なデータセット:酸素発生反応のための Ni-Fe-Co-Ce酸化物電解触媒
 14.5 情報最大保持のための自動の標本ダウンセレクション:組成 -特性相関によるクラスタリング
  14.5.1 最大の情報量のためのダウンセレクション
  14.5.2 情報理論による方法
  14.5.3 遺伝的プログラミングに基づくクラスタリング
  14.5.4 メンバーシップの計算
  14.5.5 合成ライブラリへの適用
  14.5.6 実験データセット
 14.6 単体標本空間および組成データの統計解析
  14.6.1 閉包効果 ―誘導された相関
  14.6.2 具体的な例
  14.6.3 副組成不整合
  14.6.4 組成データの原則に基づいた解析
  14.6.5 組成スプレッドと距離
  14.6.6 組成データの内挿:スパッタリングからの組成プロファイル
 14.7 まとめと結論