■ 発 刊:2015年10月12日
■ 定 価:46,200円(税込)
■ 体 裁:B5判 386頁
■ 発 行:エヌ・ティー・エス
ISBN 978-4-86043-435-9
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監修者
真下 知士 大阪大学大学院医学系研究科 准教授
城石 俊彦 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構国立遺伝学研究所系統生物研究センター 教授
執筆者 (掲載順・58名)
山本 卓 広島大学大学院理学研究科 教授
佐久間哲史 広島大学大学院理学研究科 特任講師
坂本 尚昭 広島大学大学院理学研究科 准教授
石野 良純 九州大学大学院農学研究院 教授
中川 一路 京都大学大学院医学研究科 教授
濡木 理 東京大学大学院理学系研究科 教授
香月 康宏 鳥取大学大学院医学系研究科/染色体工学研究センター 准教授
押村 光雄 鳥取大学染色体工学研究センター 特任教授
斎藤 慎太 横浜市立大学大学院生命ナノシステム科学研究科
黒沢 綾 横浜市立大学大学院生命ナノシステム科学研究科 客員研究員
足立 典隆 横浜市立大学大学院生命ナノシステム科学研究科 教授
藤田 敏次 大阪大学微生物病研究所 助教
藤井 穂高 大阪大学微生物病研究所 准教授
中村 崇裕 九州大学大学院農学研究院 准教授
吉見 一人 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構国立遺伝学研究所系統生物研究センター 助教
天野 孝紀 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構国立遺伝学研究所系統生物研究センター 助教
城石 俊彦 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構国立遺伝学研究所系統生物研究センター 教授
宮田 治彦 大阪大学微生物病研究所 助教
伊川 正人 大阪大学微生物病研究所 教授
藤井 渉 東京大学大学院農学生命科学研究科 助教
堀居 拓郎 群馬大学生体調節研究所 助教
畑田 出穂 群馬大学生体調節研究所 教授
本多 新 宮崎大学テニュアトラック推進機構 テニュアトラック准教授
佐々木えりか 公益財団法人実験動物中央研究所マーモセット研究部 部長/慶應義塾大学 先導研究センター 特任教授
木下 政人 京都大学大学院農学研究科 助教
坂根 祐人 広島大学大学院理学研究科
鈴木 賢一 広島大学大学院理学研究科 特任准教授
太田 聡 山梨大学大学院総合研究部 医学研究員
川原 敦雄 山梨大学大学院総合研究部 教授
渡辺 崇人 徳島大学農工商連携センター 特任助教
松岡 佑児 徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部
野地 澄晴 徳島大学 理事
三戸 太郎 徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部 助教
坪田 拓也 国立研究開発法人農業生物資源研究所遺伝子組換え研究センター 任期付研究員
瀬筒 秀樹 国立研究開発法人農業生物資源研究所遺伝子組換え研究センター ユニット長
笹倉 靖徳 筑波大学生命環境系下田臨海実験センター 教授
刑部祐里子 徳島大学農工商連携センター 特任准教授
菅野 茂夫 徳島大学農工商連携センター 特任助教
刑部 敬史 徳島大学農工商連携センター 特任教授
安本 周平 大阪大学大学院工学研究科 日本学術振興会特別研究員
關 光 大阪大学大学院工学研究科 准教授
村中 俊哉 大阪大学大学院工学研究科 教授
横井 彩子 国立研究開発法人農業生物資源研究所農業生物先端ゲノム研究センター 任期付研究員
土岐 精一 国立研究開発法人農業生物資源研究所農業生物先端ゲノム研究センター ユニット長/横浜市立大学木原生物学研究所 客員教授
北畠 康司 大阪大学大学院医学系研究科 助教
高田 望 国立研究開発法人理化学研究所多細胞システム形成研究センター 研究員
蝦名 博貴 京都大学ウイルス研究所 助教
小柳 義夫 京都大学ウイルス研究所 教授
福原 崇介 大阪大学微生物病研究所 助教
松浦 善治 大阪大学微生物病研究所 教授
草野 好司 ㈱ID ファーマDNAVEC センター基礎研究部 部長
朱 亜峰 ㈱ID ファーマ 取締役社長
立川 雅司 茨城大学農学部 教授
小泉 望 大阪府立大学大学院生命環境科学研究科 教授
石井 哲也 北海道大学安全衛生本部 教授
難波 栄二 鳥取大学生命機能研究支援センター 教授/センター長
足立 香織 鳥取大学生命機能研究支援センター 助教
主な目次
序論 ゲノム編集技術の登場・課題・展望
第1編 遺伝子改変のための基盤技術
第1章 ゲノム編集技術の概要
第2章 ゲノム編集要素技術
第2編 応用展開
第1章 動物個体への応用Ⅰ
第2章 動物個体への応用Ⅱ
第3章 植物への応用
第4章 幹細胞・培養細胞への応用と治療法の開発
第3編 リスクマネージメントと環境整備
第1章 新しい育種技術をめぐる諸外国における政策動向
第2章 植物に適用した遺伝子組換え技術のこれまでと今後
第3章 ゲノム編集の医療応用の課題と展望
第4章 ゲノム編集技術を用いて作成した生物の取り扱い
詳細目次
目次一覧PDF1. ゲノム編集技術の登場
2. ゲノム編集技術の利用
3. ゲノム編集技術の課題
4. ゲノム編集技術の展望
第1編 遺伝子改変のための基盤技術
第1章 ゲノム編集技術の概要
第1節 ZFN,TALEN,CRISPR/Cas9システムとは (山本卓,佐久間哲史,坂本尚昭)
1. はじめに
2. ZFN
3. TALEN
4. CRISPR/Cas9システム
5. ゲノム編集によるさまざまな遺伝子改変
6. おわりに
第2節 CRISPRの発見と遺伝子工学への応用 (石野良純)
1. はじめに
2. CRISPR発見に繋がった大腸菌研究
3. iap遺伝子の配列解析
4. CRISPRの発見
5. CRISPRは広く存在する
6. CRISPR/associatedgene(cas)
7. CRISPR/Casの機能とその作用機作
8. CRISPR/Casの分類
9. CRISPRの機能解明から応用へ
10. CRISPR/Cas9の種々の応用例
11. おわりに
第3節 CRISPR/Casシステム:微生物における新規機能 (中川一路)
1. はじめに
2. CRISPR/Casシステムの基本構造と機能
3. 細菌の生存戦略におけるCRISPR/Casの役割
4. CRISPR/Cas9を用いたゲノム編集
5. おわりに
第4節 Cas9タンパク質の構造解析とゲノム編集技術の発展 (濡木理)
1. はじめに
2. Cas9-sgRNA-標的DNA三者複合体の立体構造
3. 転写活性化ツールの創出
4. ゲノム編集を用いた細胞治療へ向けて
第5節 人工染色体技術とゲノム編集技術の融合による遺伝子改変技術 (香月康宏,押村光雄)
1. 染色体工学技術とゲノム編集技術とは
2. 人工染色体ベクターとは
3. HAC/MACベクターへの遺伝子搭載法
4. 目的遺伝子搭載HAC/MACベクターの受容細胞への導入
5. 染色体工学技術とゲノム編集技術の融合
6. おわりに
第2章 ゲノム編集要素技術
第1節 相同組換えに依存しない簡便・正確・高効率な遺伝子ノックイン法:PITChシステム (佐久間哲史,山本卓)
1. はじめに
2. DNA二本鎖切断の修復経路
3. 従来の遺伝子ノックイン法
4. 新規遺伝子ノックイン法:PITChシステム
5. おわりに
第2節 遺伝子改変技術の効率化を指向したターゲティングベクターの開発 (斎藤慎太,黒沢綾,足立典隆)
1. はじめに
2. ベクターのランダム挿入とDNA二本鎖切断修復機構
3. ベクター構造から考えるランダム挿入を抑制するためのアプローチ
4. エクソントラップ型ベクターの設計と構築
5. エクソントラップ型ベクターの有用性の向上―新規ネガティブ選択カセットの開発と標的遺伝子の選択的発現誘導
6. おわりに
第3節 CRISPR/Cas9を用いたenChIP法による遺伝子座特異的ゲノム機能解析 (藤田敏次,藤井穂高)
1. はじめに
2. 研究背景
3. CRISPR/Cas9を利用したenChIP法の原理
4. CRISPR/Cas9を利用したenChIP法によるゲノム機能解析
5. TALタンパク質を利用したenChIP法
6. 他の競合技術との比較
7. おわりに
第4節 カスタム核酸結合タンパク質PPRの開発 (中村崇裕)
1. はじめに
2. 植物で大きく拡大したPPRタンパク質ファミリー
3. PPRタンパク質の構造と機能
4. RNA/DNA認識コードの解読
5. PPRを利用したDNA操作,RNA操作技術の開発
6. ゲノム編集ツールとしてのPPR技術の位置づけ
7. ゲノム編集の産業利用
8. 今後の展望
第2編 応用展開
第1章 動物個体への応用Ⅰ
第1節 CRISPR/Cas9システムを用いた自由自在なゲノム編集 (吉見一人,真下知士)
1. はじめに
2. ゲノム編集技術の発展
3. CRISPR/Cas9によるノックアウト動物の作製
4. CRISPR/Cas9によるノックイン動物の作製
5. 今後の展望
第2節 四倍体補完法を利用したCRISPR/Cas9ゲノム改変マウス胚の解析 (天野孝紀,城石俊彦)
1. はじめに
2. ES細胞におけるゲノム編集
3. テトラプロイド補完法
4. 展 望
第3節 ゲノム編集技術による疾患モデルマウスの作出 (宮田治彦,伊川正人)
1. はじめに
2. 疾患モデルマウス
3. CRISPR/Cas9システムを用いたノックアウトマウスの作製
4. CRISPR/Cas9システムを用いた点変異導入マウスや遺伝子挿入マウスの作製
5. まとめ
第4節 複数座位を標的としたゲノム改変マウスの作製:現状と課題 (藤井渉)
1. はじめに
2. 主要な人工ヌクレアーゼによる複数座位の改変
3. 複数座位の破壊の応用
4. 今後の課題と展望
第5節 CRISPR/Casによる遺伝子改変マウスの作製と疾患モデル多能性幹細胞への応用 (堀居拓郎,畑田出穂)
1. はじめに
2. Cas9とsgRNAの準備
3. CRISPR/Casによる疾患モデル多能性幹細胞への応用
4. CRISPR/Casによる遺伝子改変マウスの作製
5. オフターゲット作用を回避するために
6. おわりに
第6節 ウサギにおけるゲノム編集 (本多新)
1. はじめに
2. ウサギのゲノム編集
3. Cas9とgRNAを同時に含むプラスミドDNAの前核注入によるウサギ遺伝子破壊
4. ウサギゲノム編集における今後の課題
第7節 人工ヌクレアーゼを用いた遺伝子改変サルの作製 (佐々木えりか)
1. 非ヒト霊長類の実験動物
2. サル類における遺伝子改変技術
3. 今後の課題
第2章 動物個体への応用Ⅱ
第1節 メダカにおけるゲノム編集 (木下政人)
1. はじめに
2. ゲノム編集ツール調製時の注意点
3. メダカへのゲノム編集ツールの導入方法
4. 標的ゲノムの変異検出方法
5. 遺伝子破壊メダカ系統の作製
6. 複数のゲノム編集ツールによる変異導入
7. 遺伝子挿入
8. 塩基置換
9. crRNA,tracrRNA,Cas9タンパク質の利用
10. off-targetの切断活性と対策
11. おわりに
第2節 ツメガエルにおけるゲノム編集 (坂根祐人,山本卓,鈴木賢一)
1. はじめに
2. 各ゲノム編集ツールにおける展開
3. ツメガエルにおけるゲノム編集の留意点―オフターゲット作用について
4. 総括と今後の展望
第3節 ゼブラフィッシュにおけるゲノム編集 (太田聡,川原敦雄)
1. はじめに
2. ゼブラフィッシュにおける遺伝子破壊
3. ゼブラフィッシュにおける外来遺伝子のノックイン
4. おわりに
第4節 フタホシコオロギにおけるゲノム編集 (渡辺崇人,松岡佑児,野地澄晴,三戸太郎)
1. はじめに
2. ZFN/TALENを用いたコオロギ内在遺伝子への変異導入
3. CRISPR/Cas9システムを用いたゲノム編集
4. おわりに
第5節 カイコにおけるゲノム編集 (坪田拓也,瀬筒秀樹)
1. はじめに
2. ZFNによるゲノム編集
3. TALENによるゲノム編集
4. CRISPR/Cas9によるゲノム編集
5. 新規ノックイン技術
6. 今後の展望
第6節 ホヤにおけるゲノム編集 (笹倉靖徳)
1. 脊索動物ホヤとは
2. カタユウレイボヤ・ゲノムへの外来DNA挿入
3. カタユウレイボヤにおけるゲノム編集
4. 最近の研究紹介
5. おわりに
第3章 植物への応用
第1節 人工ヌクレアーゼを用いた植物の遺伝子変異導入技術への応用展開 (刑部祐里子,菅野茂夫,刑部敬史)
1. はじめに
2. ZFN,TALENを用いた植物ゲノム編集
3. CRISPR/Cas9を用いた植物ゲノム編集
4. 植物ゲノム編集の将来展開
第2節 人工ヌクレアーゼを用いた植物代謝工学 (安本周平,關光,村中俊哉)
1. 植物特化代謝産物とゲノム編集
2. ゲノム編集による植物代謝改変の実例
3. ゲノム編集による植物代謝改変の今後の展開
第3節 イネにおけるゲノム編集 (横井彩子,土岐精一)
1. はじめに
2. GTによるゲノム編集
3. 人工制限酵素を利用した標的変異技術によるゲノム編集
4. 高効率GT技術の確立に向けて
5. 今後の展望
第4章 幹細胞・培養細胞への応用と治療法の開発
第1節 ヒトiPS細胞におけるゲノム編集技術:その基本と応用 (北畠康司)
1. はじめに
2. ヒトES/iPS細胞と3つのゲノム編集技術
3. ヒトiPS細胞でのゲノム編集の実際―遺伝子ノックアウト
4. ゲノム編集技術の応用―ダウン症候群における病態解析モデルの確立
5. 今後の展望
第2節 神経上皮パターニングの視覚化:相同組替え技術を基盤として (高田望)
1. はじめに
2. 試験管内における立体神経組織の誘導
3. 人工ヌクレアーゼを用いたES細胞のゲノム編集
4. おわりに
第3節 ゲノム編集のHIVへの応用 (蝦名博貴,小柳義夫)
1. ウイルス感染症の治療法へのゲノム編集技術の注目
2. HIV感染症の現状
3. HIV治癒に向けた試み
4. ゲノム編集法によるエイズ治療戦略の現状
5. ゲノム編集法のHIV感染症治療への応用の展望と課題
第4節 遺伝子改変技術を利用した新しいHCV研究システムの開発 (福原崇介,松浦善治)
1. はじめに
2. C型肝炎の臨床病態とその治療
3. HCVの感染環
4. HCVの同定とHCV感染培養系の開発
5. HCV研究の問題点
6. 相反する結果が報告されているHCV関連宿主因子
7. アポリポタンパク質のHCV感染における役割
8. ノックアウトHuh7細胞の樹立とその細胞に対するHCV感染実験
9. HCV研究における遺伝子改変技術を用いた今後の展開
10. おわりに
第5節 遺伝性疾患患者のiPS細胞を用いた遺伝子修復治療への課題 (草野好司,朱亜峰)
1. 遺伝子修復治療の意義と目標
2. 遺伝子対ヘテロ接合性の喪失の危険性
3. 遺伝子修復型遺伝子治療の基盤機構
4. 人工ヌクレアーゼによる点変異・欠失・挿入型遺伝性疾患の治療
5. 人工ヌクレアーゼが標的遺伝子座だけを認識しドナーDNAを認識しない遺伝子修復
6. DNA二本鎖切断修復機構に帰する医療事故(患者細胞のゲノム破壊)とその回避法
7. 遺伝子治療費の高額化回避への貢献
第3編 リスクマネージメントと環境整備
第1章 新しい育種技術をめぐる諸外国における政策動向 (立川雅司)
1. はじめに
2. EU
3. アメリカ
4. 豪州とニュージーランド
5. アルゼンチン
6. 結 語
第2章 植物に適用した遺伝子組換え技術のこれまでと今後 (小泉望)
1. はじめに
2. 遺伝子DNAの発見,組換え技術そして規制
3. 遺伝子組換え植物の誕生と実用化
4. 世界に広がる遺伝子組換え作物
5. 遺伝子組換え作物の輸入
6. 遺伝子組換え作物の栽培認可
7. 遺伝子組換え植物の食品利用と表示
8. 社会受容と今後
第3章 ゲノム編集の医療応用への課題と展望 (石井哲也)
1. ゲノム編集の医療応用の時代へ
2. ゲノム編集医療の3アプローチ
3. 医療応用に向けた課題
4. 展 望
第4章 ゲノム編集技術を用いて作成した生物の取り扱い (難波栄二,足立香織)
1. はじめに
2. 遺伝子組換え実験の規制について(カルタヘナ法)
3. 国際的な動向と日本の対応について
4. 全国大学等遺伝子研究支援施設連絡協議会での取り組み
5. ゲノム編集生物の取り扱いに関して