化学品の市場調査、研究開発の支援、マーケット情報の出版

Latest Trends in PET Bottle Recycling – Materials, Chemicals, and Biotechnology –

  ■ 発  行:2024年5月30日
■ 監  修:加茂 徹
■ 定  価:本体(冊子版) 100,000円(税込 110,000円)
       本体 + CD(PDF版) 120,000 円(税込 132,000円)
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■ 体  裁:A4判・並製・本文182頁
■ 編集発行:㈱シーエムシー・リサーチ
   ISBN 978-4-910581-52-1
  パンフレット

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本書の特徴

➢ PETボトル(マテリアル・ケミカル・バイオ)リサイクルの動向と問題提起!
➢ 世界に先駆けて実用化したPETボトルリサイクルの実績を掲載!
➢ リサイクルを含むライフサイクル全体を通して環境負荷を低減!
➢ PETボトルリサイクルに関する企業動向や国際動向を紹介!
➢ これまでのPETボトルリサイクルと、これからのPETボトルリサイクルに関する技術情報!

= はじめに =

 ミネラルウォーター等が入ったPETボトルは,我々が日常生活で使用するもっとも身近なプラスチック製品の一つであり,世界では毎年数千億本もの製品が製造され,そして廃棄されている。また海洋漂流プラスチックゴミの中で,PETボトルは常に上位10位以内に入っており,廃プラスチック問題のシンボルの一つとなっている。
 1970年代に米国で実用化されたPETボトルは,軽く丈夫で安価であるため世界中に急速に普及し,日本でも数年後には使用されるようになった。PETボトルのリサイクルは,容器包装リサイクル法が完全施行される前の1993年から開始され,2022年のリサイクル率は約87%とドイツ等の環境先進諸国とほぼ同じ値に達している。日本でPETボトルのリサイクル率が高いのは偶然ではなく,導入当初から競合関係にあるガラスビンとの比較を意識したためである。当時,一升ビンやビールビンなど繰り返し使えるガラスビンが多く使用されていたため,PETボトルは当初1L以上の大型ボトルだけに使用が限定されていた。しかし軽量で壊れ難いために要望が大きく,500mlの小型ボトルの解禁と共にリサイクルの取り組みが始まった。関連業界では環境負荷を低減するために自主ガイドラインを作成し,飲料ボトルの材料を透明PETに限定し,軽量化を促進する等の努力を積み重ねた。その結果,日本で回収される使用済みPETボトルは,ポストコンシュマーの廃プラスチックとしては例外的に高品質で高純度であり,これらが高いリサイクル率を実現させる要因となっている。またマテリアルリサイクルやケミカルリサイクルを世界に先駆けて実用化した実績は,研究開発のレベルの高さだけでなく,環境に対する経営者の優れた判断に帰するもと高く評価すべきである。
 廃プラスチックの循環利用を考えた場合,単に排出された廃プラスチックを再利用する技術を開発する,いわゆるend of pipe型の対応では不十分である。製造から販売・回収そしてリサイクルを含むライフサイクル全体を通して環境負荷を低減させることが重要であり,PETボトルはその成功例の一つと言える。
 一方,日本では未回収のPETボトルは今でも5%以上あり,これは約10億本に相当し,これらの一部が不法投棄され最終的に海洋プラスチックごみの原因となっている。またPETボトルの販売量が増加したため,軽量化を進めても全体の温室効果ガスの排出量は減ってはいない。今後,技術および社会システムにおける更なる努力が期待されている。
本著は,現在,日本でPETボトルのリサイクルに関連している企業,大学,研究機関の第一線でご活躍されている方々に執筆をお願いした。今後の廃プラスチックや資源循環の発展に貢献できれば幸いである。
                            加茂 徹(早稲田大学)

執筆者一覧

加茂 徹  早稲田大学 ナノ・ライフ創新研究機構 上級研究員(研究院教授)
中村真悟  立命館大学 経営学部 経営学科 教授
浅野正彦  PETボトルリサイクル推進協議会 事務局 事務局長
安田真一  遠東石塚グリーンペット㈱ 代表取締役社長
熊谷将吾  東北大学大学院 工学研究科 准教授
吉岡敏明  東北大学大学院 環境科学研究科 教授
舟橋みゆき  一般財団法人 ニッセンケン品質評価センター 東京事業所 試験部 係長
安藤 建  一般財団法人 ニッセンケン品質評価センター 専務理事 東京事業所 所長
西 聡史  石坂グループ 環境事業部
田中真司  産業技術総合研究所 触媒化学融合研究センター 主任研究員
池永和敏  崇城大学大学院 工学研究科 応用化学専攻 教授
福永浩一  阪本薬品工業㈱ 営業本部 開発部 課長
坪井輝道  阪本薬品工業㈱ 営業本部 開発部 部長
宇山 浩  大阪大学 工学研究科 教授
石津 縁  ㈱JEPLAN Business Development Business Planning Manager
髙尾正樹  ㈱JEPLAN 代表取締役 執行役員社長
下田晃義  ㈱旭リサーチセンター 科学技術分野部門 主幹研究員
川島政彦  ㈱旭リサーチセンター 科学技術分野部門 主幹研究員
府川伊三郎  ㈱旭リサーチセンター 科学技術分野部門 シニアリサーチャー
渡邉 賢  東北大学大学院 工学研究科 附属超臨界溶媒工学研究センター 教授
鄭 慶新   東北大学大学院 工学研究科 附属超臨界溶媒工学研究センター 特任助教
須賀善規  東北大学大学院 工学研究科 化学工学専攻 修士2年生
中村真悟  立命館大学 経営学部 経営学科 教授
粟生木千佳  公益財団法人 地球環境戦略研究機関 主任研究員

構成および内容

目次構成・内容一覧PDF
第1編 ペットボトルリサイクルのこれまでの歩み 
  
第1章 持続可能な社会におけるプラスチックのリサイクル技術  加茂 徹
1 はじめに
2 持続可能社会を目指す背景
3 廃プラスチック問題
4 ゼロカーボン時代のプラスチックリサイクル
5 廃プラスチックのリサイクル技術の概要
 5.1 選別
 5.2 マテリアルリサイクル
 5.3 ケミカルリサイクル
6 PETボトルリサイクルの現状と課題
7 PETボトルのリサイクル技術
8 持続可能な社会における資源循環
参考文献
  
第2章 使用済みPETボトルの流通  中村真悟
1 使用済みPETボトルの増加とその背景
 1.1 小型PETボトル生産・販売の解禁
 1.2 生産技術・生産システム革新
 1.3 流通経路の多様化
 1.4 リターナブルシステムからノン・リターナブルシステムへの転換
2 使用済みPETボトルの流通
3 使用済みPETボトルの用途
参考文献
  
第3章 PETボトルの自主設計ガイドライン  浅野正彦
1 ガイドライン制定の経緯
2 ガイドライン改訂の経緯
3 原則基準と例外規定に関して
4 材料評価基準による試験(ボトル)
5 材料評価基準による試験(ラベル)
6 日本のPETボトルリサイクル率が高い理由
7 ガイドライン不適合品の市場調査
8 環境配慮設計
  
第2編 リサイクル(マテリアル)
  
第1章 BtoBメカニカルリサイクル  安田真一
1 はじめに
2 台湾におけるPETボトルリサイクル
3 弊社の再生フレーク製造プロセス
4 弊社の除染およびSSP(固相重縮合)プロセス 
5 おわりに
参考文献
  
第2章 ポリエチレンテレフタレートの熱分解油化  熊谷将吾,吉岡敏明
1 はじめに
2 プラスチックの熱分解
3 PETの熱分解油化における課題
4 PETの熱分解油化
5 おわりに
参考文献
  
第3章 リサイクルPET繊維の判別技術  舟橋みゆき,安藤 建
1 はじめに
 1.1 リサイクル材料をめぐる問題
 1.2 リサイクル繊維の認証
2 PETボトル由来のリサイクルPET繊維の判別技 術
 2.1 オリゴマー量と金属触媒の違いによる判 別
 2.2 イソフタル酸量の違いによる判別
 2.3 赤外分光法(FT-IR)と機械学習による判 別
3 リサイクルPET繊維の判別技術における課題 
参考文献
  
第3編 リサイクル(ケミカル) 
  
第1章 動脈産業と静脈産業を繋ぐAIロボット  西 聡史
1 はじめに
2 AI自動選別ロボット
3 今後の展望
  
第2章 PETの低温解重合法  田中真司
1 PETのケミカルリサイクル法
 1.1 ケミカルリサイクル法の特長
 1.2 従来の手法
2 解重合反応の低温化
 2.1 酵素分解法
 2.2 溶媒膨潤メタノリシス法
 2.3 炭酸ジメチル法
3 今後の展望
 3.1 PETケミカルリサイクル法の複合素材への展開可能性
 3.2 複合素材プラスチック全般への展開
参考文献
  
第3章 PETボトルのケミカルリサイクル:グリセリン活用の可能性  池永和敏,福永浩一,坪井輝道
1 はじめに
2 グリセリンを用いたPETのマイクロ波解重合 実験
3 グリセリンを用いたPETのマイクロ波解重合 の条件検討及び構造解析
4 まとめと今後の方針
謝辞
参考文献
  
第4章 リサイクル(全般)  宇山 浩
1 はじめに
2 マテリアルリサイクル
3 ケミカルリサイクル
4 おわりに
参考文献
  
第5章 PETケミカルリサイクルの経済合理性に基づくサーキュラーエコノミーへの貢献  石津 縁,髙尾正樹
1 サーキュラーエコノミーとは
 1.1 サーキュラーエコノミーと経済合理性
 1.2 プラスチック循環の難しさ
 1.3 プラスチックにおけるサーキュラーエコノミー
2 プラスチックを循環させる課題
 2.1 プラスチックリサイクル関連法と経済性 の課題
 2.2 メカニカルリサイクル
 2.3 リサイクル原料の価格変動
3 理想的仮説
4 理想的仮説からPETボトルの循環(ボトル to ボトル)をみる
5 PETケミカルリサイクル技術
 5.1 アイエス法
 5.2 劣化を回復させる
 5.3 無機固形物蓄積の回避
6 理想的仮説を実現するために
参考文献
  
第4編 リサイクル(バイオ)
  
第1章 バイオPETとバイオPEFボトルの動向について  下田晃義,川島政彦,府川伊三郎
1 はじめに
 1.1 バイオPETの定義
 1.2 バイオPETとバイオPEFの物性比較
2 バイオPET及びバイオPFEのモノマー製造法
 2.1 バイオ法MEGの製造法と開発動向
 2.2 バイオテレフタル酸の製造法と開発動向
 2.3 バイオ法フランジカルボン酸の製造法と開発動向
 2.4 バイオPFE重合法の開発動向
 2.5 バイオPEF本格工業化への企業動向
3 飲料メーカーのバイオPET/PEFボトルへの取組
 3.1 サントリー 
 3.2 コカ・コーラ 
 3.3 ペプシコ 
 3.4 ダノン
4 おわりに  
脚注
参考文献
  
第5編 業界団体・動向
  
第1章 連続プロセスに向けたPET/PE多層フィルムの液相反応の半回分装置による解析  渡邉 賢,鄭 慶新,須賀善規
1 プラスチックリサイクルにおける多層フィルムの位置付け
 1.1 国内のプラスチックリサイクルの現状
 1.2 多層フィルムの位置付け
 1.3 多層フィルムのケミカルおよびマテリアルリサイクル
2 半回分装置によるPET/PEフィルムの分解挙動
 2.1 実験
 2.2 分析  
3 結果と考察
 3.1 生成物の同定
 3.2 温度と圧力の依存性 
4 まとめ
謝辞 参考文献
  
第2章 日本のPETボトルリサイクルシステム  中村真悟
1 日本のリサイクル制度の特徴─拡大生産者責任と分担型責任─
2 使用済みPETボトルリサイクルのシステム原理
3 サーキュラー・エコノミー,資源循環戦略
 3.1 飲料メーカー各社の資源循環戦略
 3.2 調達競争の激化
 3.3 Bottle to Bottleリサイクル事業者の新規参入・新増設
4 Bottle to Bottle持続性の課題
 4.1 安全性問題と品質保証体制
 4.2 自治体の財務的負担,分担責任構造の合理的根拠脚注
参考文献
  
第3章 PETボトルリサイクルに関する国際動向(欧米プラスチック資源循環政策との関連を中心に)  粟生木千佳
1 はじめに─プラスチック汚染対策に向けた国際議論動向
 1.1 欧州連合(EU)循環経済政策を起点とした国際的なプラスチック対策の高まり
 1.2 国連等における多国間協議の動向
2 欧州におけるプラスチック政策
 2.1 循環経済におけるプラスチックに関する欧州戦略
 2.2 特定プラスチック製品が環境に与える影響の低減に関する指令
 2.3 容器包装・容器包装廃棄物に関する政策動向
  2.3.1 容器包装・容器包装廃棄物に関する各種制度
  2.3.2 容器包装・容器包装廃棄物に関する規則案
 2.4 関連の民間動向
  2.4.1 Plastic Recyclers Europe(PRE) 
  2.4.2 European PET Bottle Platform
  2.4.3 Petcore Europe
  2.4.4 RecyClass
3 北米におけるプラスチック政策
 3.1 米国
  3.1.1 国家レベルの政策
 3.2 カナダ
 3.3 関連の民間動向(北米)
4 デポジットリターンスキーム(DRS)の実施状況
5 まとめにかえて 
脚注
参考文献

  
  

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