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- 最新の研究動向と技術シーズ -
Biotechnological Recycling of Rare and Precious Metals - Latest Research Trends and Technology Seeds -

  ■ 発  行:2024年3月31日
■ 監  修:小西 康裕
■ 定  価:本体(冊子版) 88,000 円(税込)
       本体 + CD(PDF版) 110,000 円(税込)
        ★ メルマガ会員:定価の10%引き!
■ 体  裁:A4判・並製・本文198頁
■ 編集発行:㈱シーエムシー・リサーチ
   ISBN 978-4-910581-50-7
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本書の特徴

➢ レアメタル・貴金属をもリサイクルする資源循環システム!
➢ 生物学を基盤とする金属リサイクル技術!!
➢ 国内研究者による研究成果の集大成!
➢ 金属資源循環におけるGX技術の研究開発にも繋がる技術たち!
➢ バイオ分離技術をベースにしたレアメタル・貴金属リサイクルに係る最新の研究動向!

= 刊行に寄せて =

 金属資源を海外に大きく依存せざるを得ない状況のなかで、都市鉱山(使用済み家電、電子機器、触媒、工業廃液等)に含まれる希薄なレアメタル・貴金属をもリサイクルする資源循環システムを構築し、自給体制を強化することは重要なテーマである。しかしながら、地金価格が高い貴金属を回収すれば大きな利益が見込めるにもかかわらず、その国内リサイクル率(リサイクル量/国内需要量)は低調に推移している。この「もったいない」現状から脱却して金属資源の安定供給確保を図るためには、都市鉱山に低濃度で存在するレアメタル・貴金属を高効率に低コストでリサイクルできる脱炭素型技術の研究開発が俟たれるところである。
 当書は、従来の金属リサイクル技術とは発想を異にする「生物学を基盤とする金属リサイクル技術」の研究開発を目指して、その技術シーズとなる「微生物機能を活用するレアメタル・貴金属等の分離回収(バイオソープション、バイオミネラリゼーション等)」について、国内研究者による研究成果を集大成して出版したものである。これらのバイオ技術シーズは、常温・常圧下での微生物機能を利用してレアメタル・貴金属を高効率に分離濃縮・回収できることを示唆するものであり、金属資源循環におけるGX技術の研究開発にも繋がるものとして期待できる。
 サーキュラーエコノミー(循環経済)への移行に関心が集まる昨今、幅広い分野の産業に不可欠なレアメタル・貴金属を対象としたバイオ湿式リサイクルは、脱炭素型資源循環システムの開発に向けた取り組みとして、「ものづくり」に携わる方々にとって興味深いテーマであろう。当書は、バイオ分離技術をベースにしたレアメタル・貴金属リサイクルに係る最新の研究動向を把握しようとする際にも、大いに役立つものと確信している。また当書を通して、金属資源・素材分野における微生物機能の活用について、関心を寄せる研究者や技術者が数多く現れることを期待する。
 最後に、ご多用にもかかわらず、貴重な時間を充てて本書にご執筆いただいた先生方に深く御礼申し上げます。
                           大阪公立大学   小西康裕

執筆者一覧(執筆順)

谷 幸則  静岡県立大学 食品栄養科学部 環境生命科学科 教授
宮田直幸  秋田県立大学 生物資源科学部 生物環境科学科 教授
保倉明子  東京電機大学 工学部応用化学科 教授
髙野 力  国立大学法人 北海道大学 大学院工学研究院 助教
青柳秀紀  指定国立大学法人 筑波大学 生命環境系 教授
中島一紀  国立大学法人 北海道大学 大学院工学研究院 准教授
川﨑 了  国立大学法人 北海道大学 大学院工学研究院 教授
鶴田猛彦  八戸工業大学 工学部工学科 教授
東 雅之  大阪公立大学 大学院工学研究科 教授
尾島由紘  大阪公立大学 大学院工学研究科 准教授
小西康裕  大阪公立大学 理学研究科 客員研究員,名誉教授
蓑田 歩  指定国立大学法人 筑波大学 生命環境系 助教
Bhatnagar Sharad  指定国立大学法人 筑波大学 生命環境系 博士研究員
Nobchulee Nuanaon  指定国立大学法人 筑波大学 生命環境系 職員
黒田真史  常葉大学 社会環境学部社会環境学科 准教授
池 道彦  大阪大学 大学院工学研究科環境エネルギー工学専攻 教授
大塚 治  ㈱ケー・エフ・シー 技術部
芝浦工業大学 メタルバイオテクノロジー共同研究講座 特任准教授
山下光雄  芝浦工業大学 学長室 シニア教授
山本兼由  法政大学 生命科学部・マイクロナノテクノロジー研究センター 教授
松本拓也  大阪公立大学 大学院工学研究科 助教
荻野博康  大阪公立大学 大学院工学研究科 教授
林 秀謙  公立大学法人 前橋工科大学 工学部 生命工学領域 准教授
田村厚夫  神戸大学 大学院理学研究科 准教授
飯田禎弘  神戸大学 大学院理学研究科 学術研究員

構成および内容

目次構成・内容一覧PDF
第Ⅰ編 バイオソープション(バイオ吸着)
  
第1章 Mn(II)酸化真菌によるバイオMn酸化物形成能を利用したレアメタル回収   谷 幸則,宮田直幸

1 微生物によるバイオ Mn 酸化物の形成と活性 BMO
 1.1 はじめに
 1.2 微生物によるMn(II)酸化機構
 1.3 Mn(II)酸化酵素活性を有するバイオMn酸化物:活性BMO
2 活性BMOを利用したレアメタル回収
 2.1 活性BMOによるAsbolane鉱の形成による溶存Mn2+と溶存Co2+の同時回収
 2.2 活性BMOによるCr(III)の回収とCr(IV)への酸化
 2.3 活性BMOによるマンガン酸化物形成過程におけるBa2+イオンの選択的な不可逆的な収着
 2.4 Mn(II)酸化酵素活性BMOによるMn(II)酸化真菌を利用したオキソ酸型元素の回収
3 おわりに
参考文献
  
第2章 単細胞藻類によるテルルおよびセレンの回収とその蓄積機構   保倉明子
1 植物を利用する有用メタルの回収─ファイトマイニ ング
 1.1 はじめに
 1.2 微細藻類が重金属を捕獲するメカニズム
 1.3 周期表16族のカルコゲン─セレン,テルル─
2 微細藻類を利用するセレン回収
3 微細藻類を用いるテルル回収.
4 おわりに
参考文献
  
第3章 耐酸性細菌による強酸性溶液からの有用金属の回収   髙野 力,青柳秀紀,中島一紀,川﨑 了
1 酸性バイオソープションの概要
 1.1 はじめに
 1.2 金属リサイクルにおけるバイオソープションの活用
2 酸性条件下でのバイオソープション技術の開発
 2.1 強酸性条件下におけるバイオソープションの意義
 2.2 強酸性条件下での金属吸着に使用可能な細菌の探索
 2.3 金属回収能力の評価
  2.3.1 レアアースのバイオソープション
  2.3.2 ベースメタルのバイオソープション
 2.4 金属回収プロセスの構築
3 今後の展望
4 総括
参考文献
  
第4章 Pseudomonas saccharophilaによるタングステンの回収   鶴田猛彦
1 はじめに   
2 微生物を用いた水溶液からのタングステンの除去の概要
 2.1 pHの影響
 2.2 菌体量の影響
 2.3 タングステン濃度の影響
 2.4 タングステン除去の経時変化
3 固定化微生物を用いた水溶液からのタングステンの除去,回収,リサイクルの概要
 3.1 pHの影響
 3.2 菌体量の影響
 3.3 タングステン濃度の影響
 3.4 タングステン除去の経時変化
 3.5 タングステン脱着の経時変化
 3.6 固定化微生物を使用したタングステン吸脱着の繰り返し
参考文献
  
第5章 リン酸化酵母によるレアアースの回収   東 雅之,尾島由紘
1 はじめに
2 リン酸化酵母の作製と金属イオン吸着
 2.1 リン酸化酵母の作製と金属イオン吸着・脱離
 2.2 リン酸化酵母を用いたレアアースの選択的回収
 2.3 リン酸化酵母を用いた温泉水からのレアアースの選択的回収
3 金属イオンが吸着したリン酸化酵母上での鉱物化 4 おわりに
参考文献
  
第6章 パン酵母による酸性溶液からの貴金属・レアメタルの分離回収   小西康裕
1 はじめに
2 酵母による有用金属イオンの吸着
3 パン酵母によるバイオ吸着の貴金属リサイクルへの 応用
 3.1 廃電気電子機器(E-Scrap)からの金(Au)回収
 3.2 メッキ液からのパラジウム(Pd)回収
 3.3 鉱工業実液からの貴金属(Au, Pd, Pt)回収
4 パン酵母を活用する貴金属(金,白金族金属)のリサイクル
5 おわりに
謝辞
参考文献
  
第7章 微生物における貴金属の選択的回収機構   蓑田 歩
1 微生物による低濃度の貴金属回収
 1.1 金属廃液からの低濃度の貴金属回収の重要性と課題
 1.2 微生物を利用した金属回収
2 微生物における強酸性条件下での貴金属吸着機構
 2.1 微生物集団における貴金属吸着量の不均一性
 2.2 凍結乾燥処理細胞による強酸溶液からの貴金属の選択的回収
  2.2.1 凍結乾燥処理による耐酸性の向上と貴金属選択性
  2.2.2 強塩酸溶液からのPtの回収機構
  2.2.3 強塩酸溶液からのIrの回収機構
  2.2.4 王水希釈溶液からのPdの回収機構
  2.2.5 王水希釈液からのAuの回収
  2.2.6 塩酸濃度による貴金属の選択的回収
3 展望
参考文献
  
第8章 シワネラ属細菌を利用する酸性水溶液からの典型金属元素(In, Ga)の分離回収   小西康裕
1 はじめに
2 酸性水溶液からのレアメタル(In, Ga)のバイオ吸着
 2.1 レアメタル吸着剤としてのシワネラ属細菌
 2.2 希薄なレアメタル(In, Ga)のバイオ吸着
 2.3 シワネラ属細菌に吸着分離されたレアメタルの濃縮
3 レアメタル(In, Ga)のバイオ吸着分離における選択性
 3.1 In-Al水溶液系
 3.2 Ga-As水溶液系
4 使用済みFPDからのインジウムのバイオ分離回収
 4.1 使用済みFPDからのインジウムの浸出
 4.2 FPD浸出液からのインジウムのバイオ吸着
 4.3 既往のインジウム分離回収方法との比較
5 おわりに
謝辞 参考文献
  
第Ⅱ編 バイオミネラリゼーション(バイオ粒子化)
  
第1章 微生物細胞の成分を活用した金属ナノ粒子の作製   Bhatnagar Sharad,Nobchulee Nuanaon,青柳秀紀

1 はじめに
2 微生物細胞の成分を活用した金属ナノ粒子の合成研究の現状
3 カビ(Talaromyces purpurogenus)による効率的な色素の生産と色素を活用した銀ナノ粒子の作製
4 おわりに
参考文献
  
第2章 細菌のカルコゲン代謝を活用した環境適合型半導体ナノ粒子の合成   黒田真史,池 道彦
1 はじめに
2 カルコゲン系半導体の生物学的合成
3 セレン化カドミウムナノ粒子の合成
4 カルコゲン化ビスマスの合成
5 カルコゲン化物半導体ナノ粒子の合成機構
6 おわりに
参考文献
  
第3章 シワネラ属細菌を利用する白金族金属のバイオ湿式リサイクル   小西康裕
1 はじめに
2 シワネラ属細菌によるバイオ還元・析出
3 使用済み自動車用排気ガス浄化触媒からのPGMs(Pd, Pt, Rh)バイオ回収
 3.1 使用済み触媒の化学浸出
 3.2 化学浸出液からの PGMs のバイオ還元・析出
 3.3 シワネラ属細菌からの PGMs の回収
4 白金ナノ粒子触媒のバイオ調製
5 使用済み自動車用触媒からの白金族金属のバイオ湿 式リサイクル
6 おわりに
謝辞 参考文献
  
第4章 メタルバイオテクノロジーを活用したセレン汚染処理,再資源化技術の開発   大塚 治,山下光雄
1 レアメタル元素セレン(Se)について
2 Stutzerimonas stutzeri NT-I株のSe代謝特徴
3 Stutzerimonas stutzeri NT-I株を利用したSe廃液からのSe回収
 3.1 バイオミネラリゼーションを利用したSe固化回収,再資源化
  3.1.1 模擬廃水からのSe回収,再資源化
  3.1.2 実廃水からのSe固化回収
 3.2 バイオボラタリゼーションを利用したSe気化回収,再資源化
  3.2.1 模擬廃水からのSe気化回収,再資源化
  3.2.2 実廃水からのSe気化回収,再資源化
4 Stutzerimonas stutzeri NT-I株を利用した廃棄物からのSe回収
 4.1 CIGS太陽光パネル
 4.2 バイオミネラリゼーションを利用したSe固化回収,再資源化
 4.3 バイオボラタリゼーションを利用したSe気化回収,再資源化
 4.4 CIGS太陽光パネル主要元素の分離回収,再資源化
5 Stutzerimonas stutzeri NT-I株を利用したSe汚染土壌処理,処理後土壌の再利用
 5.1 自然由来のセレン
 5.2 Stutzerimonas stutzeri NT-I株のSe代謝を利用した土壌中Se不溶化実験
6 まとめと展望
参考文献
  
第Ⅲ編 微生物細胞レベルからのアプローチ
  
第1章 HoSeI法で単離したゲノム編集大腸菌によるパラジウム資源化   山本兼由

1 バイオ鉱で拡張させるパラジウムサプライチェーン
2 未利用パラジウム資源とその活用
3 大腸菌細胞に存在するパラジウム
 3.1 微生物を構成する金属元素
 3.2 大腸菌 K12株の金属輸送システム
 3.3 大腸菌 K12細胞を構成するパラジウム
4 細胞内パラジウム濃度を高めたゲノム編集大腸菌の単離
 4.1 大腸菌 K12株のパラジウム恒常性に関わる遺伝子群
 4.2 多重なゲノム編集を行うHoSeI法の開発
 4.3 パラジウムを高蓄積するゲノム編集大腸菌
5 今後の展開
謝辞 参考文献
  
第2章 大腸菌によるレアメタルイオンの還元および吸着に関する遺伝子の探索   松本拓也,荻野博康
1 大腸菌を用いたレアメタルイオンの回収
 1.1 微生物を用いた貴金属の回収
 1.2 細胞外電子伝達系を持つ微生物による金属 還元
 1.3 貴金属回収触媒としての大腸菌
 1.4 大腸菌1遺伝子破壊ライブラリーの利用
2 大腸菌によるPdイオンの還元に関する遺伝子の探索
 2.1 大腸菌によるPdイオンの還元
 2.2 Pdイオンの還元に関与する遺伝子のスクリーニング
3 大腸菌によるPdイオンの吸着に関する遺伝子の探索
 3.1 大腸菌によるPdイオンの吸着
 3.2 Pdイオンの吸着に関与する遺伝子のスクリーニング
4 おわりに
参考文献
  
第3章 セシウム蓄積細菌とセシウム除去   林 秀謙
1 はじめに
2 セシウム蓄積細菌
3 菌体内へのセシウム蓄積機構
4 セシウム溶液中からのセシウムの除去とセシウム蓄積細菌の回収
 4.1 透析チューブよるセシウム蓄積細菌の回収とセシウム除去
 4.2 セシウム蓄積細菌の固定化とセシウム除去
 4.3 その他
5 おわりに
参考文献
  
第Ⅳ編 バイオマスの応用
  
第1章 人工設計ペプチドを用いたレアメタルの選択回収   田村厚夫,飯田禎弘

1 はじめに
2 タンパク質(ペプチド)機能の特色
3 レアメタルに結合するタンパク質創製の進化論的可能性
4 レアメタル結合ペプチドの設計法:実験 vs AI
5 独自の設計法:SEEPS法
6 レアメタル結合ペプチドの創製
7 ペプチド紙フィルターの創製:レアメタル回収へ向けて
8 ナノ粒子形成
9 おわりに
参考文献
  

  
  

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