~界面活性剤概論と分散への応用~
■ 発 刊:2023年8月31日 ■ 定 価:55,000円(税込) ■ 体 裁:B5版 並製本 144頁 ■ 発 行:R&D支援センター ISBN 978-4-905507-69-7 |
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著 者
キレスト㈱ 技術顧問 成見 和也 氏
<経歴>
1973年3月 京都工芸繊維大学 大学院 終了
1973年4月 三洋化成工業㈱ 入社 ~研究部
1980年 サンノプコ㈱ 出向~営業部(技術営業)~1995年営業部長
1997年 新日本理化㈱ 入社 開発部
2013年 キレスト㈱ 入社 現在に至る
趣 旨
界面活性剤は我々の生活にとって欠くことのできない種々の製品に使用されている。日本界面活性剤工業会の統計によると日本では年間約100万トン、6,000種類の界面活性剤が生産されている。繊維、医薬品、化粧品、食品、土木、建築、鉱業、製紙、塗料、接着、家庭用洗剤など人間生活のあらゆる方面に用いられ、界面活性剤の助けなくしては日々の生活が快適にできないとまで言われるぐらい身近な存在になっている。界面活性剤の有用な作用としては湿潤作用、乳化作用、分散作用、可溶化作用、起泡作用、消泡作用、洗浄作用などがある。
一方、界面活性剤は生産現場においてはプロセスケミカルス(行程薬剤)とも呼ばれ、原料から製品までの生産プロセスで起こる種々の問題、例えば発泡、増粘、減粘、分散不良、ぬれ性不足などなどの予防あるいは解決に効果を発揮し、製品の性状、品質を向上させる。プロセスケミカルスは約2,000種ありその多数の薬剤の中から最適なプロセスケミカルスを選ぶにはプロセスケミカルスの基礎を知ってもらいたい。
界面活性剤というと一般的に低分子量(分子量;1,000以下)のものをいうが用途によっては、例えば粉体の分散の場合スラリーの経時安定性を得るために分子量数千から数万の高分子界面活性剤を使う。
本書では水系分散、溶剤系分散について、そのメカニズム、分散剤の種類、組成、性状、使い方、選定方法など分散に関し学ぶが、まずそれらの基礎となる界面活性剤の概論と分散の被分散体である粉体についても説明する。<「はじめに」より抜粋>
本書の特徴
★ 界面活性剤の概要から水系分散剤、溶剤系分散剤について種類、組成、性状、使い方、選定方法まで分かりやすく解説してます!
目 次
第1章 分散系の基本概念
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1.1 分散の三要素1)とは
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第2章 分散に関連した界面活性剤について
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2.1 界面活性剤の化学構造と物理的性質との関連について
2.2 界面活性剤の国際定義
2.2.1 国際定義の考え方
2.3 界面活性剤の基本的な性質と基本作用
2.4 分散を理解するための界面活性剤の基本的性質について
2.5 界面活性剤の基本作用
2.6 界面活性剤の作用と産業分野の関係
2.6.1 プロセスケミカルス(工程薬剤;工程界面活性剤)とは
2.7 界面活性剤の種類、特徴、用途について
2.7.1 ノニオン界面活性剤とアニオン界面活性剤を比較したときの特徴
2.8 界面活性剤の化学構造について
2.9 界面活性剤の働き
2.10 界面活性剤の種類、特徴、用途について
2.10.1 アニオン界面活性剤の特徴
2.10.2 ノニオン系界面活性剤の特徴
2.10.3 両性界面活性剤の特徴
2.10.4 カチオン界面活性剤の特徴
2.11 界面活性剤の親水基と疎水基の種類
2.12 界面活性剤の疎水基について
2.13 界面活性剤のpH依存性
2.14 市販高分子界面活性剤(高分子分散剤)のpH依存性の例
2.15 分散と界面活性剤、粉体の関係
2.16 界面、表面とは
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第3章 界面活性剤と粉体の分散との関係
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3.1 粉体の分散を考えるときの界面活性剤のキーワード
3.1.1 表(界)面張力とは
3.1.2 ぬれとは
3.1.3 ぬれ性と接触角
3.1.4 ぬれ性を判断する他の基準
3.1.5 固体(粉体)が液体にぬれるとは
3.1.6 ミセルおよび臨界ミセル濃度について
3.1.7 アニオン界面活性剤とノニオン界面活性剤の臨界ミセル濃度の違い
3.1.8 HLBとは
3.1.9 所要HLBを使った油の最適HLBの具体的な使い方、選定方法の例
3.1.10 所要HLBの求め方
3.1.11 バンクロフトの法則
3.1.12 界面活性剤のクラフト点および曇点について
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第4章 粉体の粒子径・粒子形と分散の関係
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4.1 粉体について
4.2 微粒子紛体の凝集因子について
4.2.1 微粒子化による凝集
4.2.2 実際にあった粒子径の違いによるクレームと対処法
4.2.3 粉体表面に吸着した液体やガスによる凝集
4.2.4 顔料の凝集について
4.2.5 実際にあった吸着水により発生した問題の例と対応策および考察
4.2.6 粉体の物性・組成と分散剤との関係
4.2.7 微粒子分散系の持つ大きな総表面積と凝集性
4.2.8 粉体の等電点について
4.2.9 粉体と液体、気体の違いと検討するときの考慮点
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第5章 分散系における分散剤の役割、簡易選定法
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5.1 分散を考えるときのキーポイント1
5.1.1 粉体の物性は?
5.2 分散媒の種類は?
5.2.1 水系の場合
5.2.2 非水系の場合
5.3 分散剤の組成、物性
5.3.1 構造
5.3.2 分子量は……低分子(1,000以下)~高分子(5,000、6,000~数万)
5.4 高分子分散剤の一般的特徴
5.5 高分子分散剤の吸着様式(図61参照)
5.6 高分子分散剤と低分子分散剤の性能の差異
5.7 高分子分散剤の吸着特性
5.8 分散剤の表面張力
5.9 低分子分散剤(湿潤・分散剤)と高分子分散剤の分散過程
5.10 分散を考えるときのキーポイント2
5.11 水系、溶媒系に共通した分散概念としての“分散の三要素”の活用
5.12 溶剤系分散概念としての“酸・塩基相互作用”、“SP値”(溶解度パラメーター)の理解
5.13 分散溶の極性と粉体の極性でのHLB値の使い分け(図48)
5.14 水系分散についてのまとめ
5.14.1 水系分散剤選定のポイント1
5.14.2 分散嗜好性試験
5.14.3 水系分散剤選定のポイント2
5.14.4 水系分散剤選定のポイント3
5.15 カルボン酸系分散剤の問題点
5.16 分散剤添加量の目安
5.17 分散剤の簡易選定法
5.17.1 スパチュラ法「ぬれ剤(湿潤・分散剤)の簡易選定方法」
5.17.2 粘度-添加量曲線の作成
5.17.3 分散体の評価方法
5.17.4 試験管沈降試験
5.17.5 グロス試験法
5.17.6 沈降液圧測定
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第6章 水系分散剤選定のポイント
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6.1 水系分散について
6.1.1 分散および分散剤とは
6.1.2 DLVO理論とは
6.1.3 拡散電気二重層とは
6.1.4 ゼータ(ζ)電位と分散の関係
6.1.5 粒子分散とゼータ電位(ζ)の相関がないケース
6.1.6 分散剤の吸着
6.1.7 高分子分散剤の分散安定化の要因について
6.1.8 ナノ粒子の分散について
6.1.9 π電子-π電子相互作用(π-π結合)とは
6.1.10 カーボンナノチューブの分散
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第7章 溶剤系分散剤の選定のポイント
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7.1 溶剤系分散と水系分散の差異
7.2 溶剤系分散における樹脂(高分子分散剤を含む)、溶剤、顔料の三成分間の親和性の関係
7.2.1 高分子分散剤と溶剤の関係
7.2.2 溶媒と顔料との関係
7.2.3 高分子分散剤と顔料との関係
7.2.4 高分子分散剤の粒子への吸着挙動
7.2.5 会合溶媒の立体安定化
7.2.6 極性溶剤と非極性溶剤の意味とその種類例
7.2.7 SP値とは
7.2.8 HSP(ハンセン溶解度パラメーター)とは
7.2.9 ハンセンの溶解度パラメーター(HSP値)とヒルデブラントの溶解度パラメーター(SP値)の差異について
7.2.10 ハンセンの溶解度パラメーターの分散への拡張
7.2.11 酸・塩基相互作用とは
7.2.12 溶剤の酸性、塩基性と樹脂の酸性、塩基性の分類方法
7.2.13 顔料の酸・塩基性分類方法
7.2.14 顔料の酸・塩基度と分散剤の酸性(酸価)、塩基性(アミン価)の分散性への影響
7.2.15 顔料粒子の酸度、塩基度の測定法 127
7.2.16 酸性分散剤の酸性顔料、塩基性顔料に対する挙動
7.2.17 酸性・塩基性顔料混合系での酸性分散剤、両性分散剤の経時分散性の変化について
7.2.18 中性顔料の分散について
7.2.19 顔料の表面改質法
7.2.20 プラズマ処理顔料の酸・塩基相互作用による分散性について
7.3 溶剤系分散剤の選定方法
7.3.1 フローポイント法(ダニエル法)
7.4 市販溶剤系分散剤の種類と性状
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第8章 櫛形ポリマー系分散剤について
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8.1 顔料への吸着基と相溶性鎖について
8.2 櫛型ポリマー系分散剤の特徴