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S&T出版ウェビナー

       開催日時:2022年8月30日(火)12:40~17:00
       受 講 料:51,000円(税込) ※ 資料付
       会  場:【WEB限定セミナー】※在宅、会社にいながらセミナーを受けられます。 

備 考

<Webセミナーのご説明>
本セミナーはZoomウェビナーを使用したWebセミナーです。
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<禁止事項>
セミナー当日にZoomで共有・公開される資料、講演内容の静止画、動画、音声のコピー・複製・記録媒体への保存を禁止いたします。

セミナーの趣旨

 音響メタマテリアルは従来の遮音材、吸音材に無い特徴を持ち、様々な材料を用いた構造設計・作成技術や用途開発が活発化しています。本セミナーでは、音響マテリアルの原理とその設計方法、注目されている応用事例等をご紹介いただきます。遮音、吸音に興味をお持ちの方、材料、成形の新たな展開をお考えの方等、多くのみなさまのご参加をお待ちしております。

プログラム

第1部 12:40~14:40
音響メタマテリアルの原理・基礎と吸音・遮音解析
  
黒沢 良夫 氏
帝京大学 理工学部 機械・精密システム工学科 准教授
  
<講師経歴>

名古屋大学理学部数学科卒業、筑波大学大学院物理学研究科修了。富士重工業株式会社(現SUBARU)にて、自動車パネルの振動減衰解析、ワイパーの非線形振動解析、車内音予測技術の開発、自動車の振動騒音に関する開発に従事。在職中に群馬大学大学院工学研究科博士後期課程生産工学専攻修了。2012年より帝京大学勤務。博士(工学)
  
 近年、自動車用防音材としても用いられるようになってきた音響メタマテリアルの構造・仕組みや、吸音・遮音のメカニズムについて説明します。現在一般的に用いられている繊維材等と性能を比較した結果を示します。また、膜振動や穴あき板を用いた音響メタマテリアルのパラメータスタディを行い、どのような構造や要因が吸音・遮音に効果的な結果が得られたか説明します。
  
1. 音響メタマテリアルとは
 1.1 吸音とは、遮音とは
 1.2 膜状材の吸音メカニズム
 1.3 穴あき板の吸音メカニズム
 1.4 音響メタマテリアルの構造例の紹介
  
2. 音響メタマテリアルの吸音解析
 2.1 有限要素モデルの紹介
 2.2 実験計測結果との比較
 2.3 パラメータスタディ(吸音に影響の大きい要因の解明)
  
3. 音響メタマテリアルの遮音解析
 3.1 有限要素モデルの紹介
 3.2 実験計測結果との比較
 3.3 パラメータスタディ(遮音に影響の大きい要因の解明)
  
第2部 14:50~15:50
吸音材iwasemiの技術と応用展望
  
五味 蔵酒 氏
ピクシーダストテクノロジーズ㈱

  
 メタマテリアルは波長以下の構造体によって材料が固有に持つ物性とは異なる物性を示す物質である。なかでも音響メタマテリアルは対象とする音の波長が数mm~数m程度であり、また3Dプリンターの発展により複雑かつ精密な構造の試作が容易になったこともあり、近年研究が盛んに行われている分野である。
 本セミナーでは音響メタマテリアルiwasemi(TM)の開発に至った経緯から、従来の吸音材との違い、音響メタマテリアルの基礎、実際に設計した例、測定方法などを紹介する。  
1. はじめに
 1.1 自己紹介
 1.2 iwasemi(TM)の開発経緯
  
2. メタマテリアルについて
 2.1 メタマテリアルとは
 2.2 音響メタマテリアルとは
  
3. iwasemi(TM)の吸音原理と設計
 3.1 従来の吸音材
 3.2 共鳴器型音響メタマテリアル
 3.3 計算手法の工夫
 3.4 測定方法
 3.5 設計事例
  
4. 商品紹介
 4.1 吸音パネルiwasemi(TM) HX-αについて
 4.2 実装例と効果
  
5. 今後の展望
  
第3部 16:00~17:00
風は通して音を防ぐ音響メタマテリアル遮音構造の開発

白田 真也 氏
富士フイルム㈱ 解析技術センター
  
<講師経歴>

・2008: 東京大学工学系研究科物理工学専攻修了
 同年、富士フイルム株式会社に入社。光メタマテリアル関係の研究開発に従事
・関連研究で”第27回(2013年度)独創性を拓く先端技術大賞 産経新聞社賞”を受賞
「プラズモン共鳴の制御による遮熱材料の開発と量産化」
・2012-2014: 英Southampton大学Nanophotonics & Metamaterials研究室 (NI Zheludev教授) 客員研究員。光と熱を変換するメタマテリアルの研究を行った。
・2014-: 富士フイルムにおいて、光学や音響メタマテリアルの研究開発
  
 軽量薄型構造で騒音を防ぐことは様々な分野で求められているが、質量則により低周波音ほど重い防音構造が必要となる課題がある。近年、膜型音響メタマテリアル構造によって数100 Hzの低周波数帯において質量則を超える高い遮音効果を示すことが報告され、軽量な遮音構造として注目を集めている。
 我々は、貫通孔をあけた薄い振動膜を単位構造とする音響メタマテリアルを、新規低周波騒音制御デバイスとして提案した。貫通孔により空気を通すにもかかわらず、低周波域において孔の無い構造より性能が高く、質量則を超える遮音性能を示す。発表では遮音の制御方法と特異な遮音メカニズムを示し、光学メタマテリアルとの関連についても議論したい。
  
1. 光学分野と音響分野におけるメタマテリアルの考え方
  
2. 膜型音響メタマテリアルによる低周波遮音構造
  
3. 貫通孔のある膜型音響メタマテリアル (Hole-Membrane-type Acoustic Metamaterials, HMAMs) の低周波遮音性能とメカニズム
  
4. 近接場領域での音響の振る舞い
  
5. その他、企業におけるメタマテリアル研究開発の具体的事例