* 本ウェビナーは開催済みです。再開催のご要望があれば、お知らせください。
CMCリサーチウェビナー【ライブ配信】
開催日時:2021年11月12日(金)13:30~16:30
受 講 料:44,000円(税込) * 資料付
*メルマガ登録者 39,600円(税込)
*アカデミック価格 26,400円(税込)
パンフレット
※ 本セミナーは、当日ビデオ会議ツール「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
お申し込み前に、下記リンクから視聴環境をご確認ください。
→ https://zoom.us/test
★ アカデミック価格:学校教育法にて規定された国、地方公共団体および学校法人格を有する大学、大学院の教員、学生に限ります。
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講 師
鏡 裕行 氏 徳山大学 福祉情報学部 教授
【講師経歴】
セミナーの趣旨
塗布膜の乾燥機構の解明は、様々な工学等の分野で求められている重要な課題である。塗布膜の乾燥においては、例えば乾燥後の膜厚分布が均一になることが求められるが、多くの場合、膜厚分布が均一にならず、また乾燥条件によって膜厚分布が変化することが経験的に知られていた。均一な乾燥後の膜厚分布を得るためには、塗布膜の乾燥過程の機構を解明することがまず必要で、その解明を経て、必要な制御を系に施すことにより、均一な乾燥後の膜厚分布を得るという目標へ近づくことになる。均質な膜分布を得る場合も同様である。また、乾燥後の様々な欠陥を克服する際にも、同様のプロセスが必要となる。
本講演では、塗布膜の乾燥工程の機構を解明するにあたり必要となる物理学的知識、考え方の講義から始めて、それらを基にした上記工程のモデル化の実際、およびその数値シミュレーションの実際を概説し、塗布膜乾燥機構の本質を理解する。また、これに基づいて様々な塗布膜不具合の原因を物理学的に考察する。そして、膜乾燥における様々な欠陥、問題の克服と、膜厚分布の制御の方法について考察する。この講演が、今後参加者が実際に扱う系の乾燥過程の理解および乾燥後の欠陥対策のヒントとなることを目指す。
セミナー対象者
様々な塗布膜乾燥工程に従事する企業等の技術者、研究者等。
セミナーで得られる知識
塗布膜乾燥の機構を理解できる。
塗布膜乾燥および関連する現象について、物理学的および数理的理解ができる。
所望の膜厚・膜質分布となる乾燥方法・条件を設計できる(膜厚・膜質分布を制御できる)。
乾燥後の塗布膜の不具合の原因を推測できる。
プログラム
※ 適宜休憩が入ります。
1.1 乾燥させるとは?
1.1.1 乾燥が進行する原理
1.1.2 乾燥を進行させる方法
1.2 レジスト塗布工程の例
1.2.1 塗布方法
1.2.2 乾燥方法
1.3 乾燥後に求められるもの
2.液体の理論
2.1 液体の一般理論
2.1.1 液体中の分子に働く力
2.1.2 液体を固体から乱れた状態としてとらえる
2.1.3 液体を気体論的に考える
2.2 液体論からみた蒸発の理論
2.3 液体の凝集力の起源
2.4 液体の理論のモデルへの導入のポイント
3.溶液の理論
3.1 溶液の一般論
3.1.1 溶液とは
3.1.2 平衡状態の溶液の化学ポテンシャル
3.1.3 非平衡状態の溶液の化学ポテンシャル
3.2 高分子溶液の特徴
3.3 溶液の理論のモデルへの導入のポイント
4.表面・界面の理論
4.1 表面張力
4.2 界面のぬれ
4.3 界面のゆらぎ
4.4 表面張力波と緩和時間
4.5 表面・界面の理論のモデルへの導入のポイント
5.溶媒の蒸発速度の理論
5.1 蒸発速度の式
6.溶液中の溶質・溶媒の動力学
6.1 拡散方程式
6.2 流体方程式
6.3 揮発中という非平衡状態での動力学
6.3.1 化学ポテンシャルからの拡散係数の導出(平衡系)
6.3,2 化学ポテンシャルからの拡散係数の導出(非平衡系)
7.平坦な基板上に塗布された高分子溶液の揮発過程
7.1 レイリー数とマランゴニ数
7.2 最もシンプルなモデル化
7.3 シンプルなモデルの改良
7.4 精密なモデル
7.5 数値シミュレーション結果の例
7.5.1 膜厚分布の時間発展
7.5.2 乾燥後の膜厚分布の乾燥速度依存性
7.5.3 乾燥後の膜厚分布の塗布膜厚依存性
7.5.4 乾燥後の膜厚分布の濃度の拡散係数依存性
7.5.5 乾燥後の膜厚分布の溶媒の拡散係数依存性
7.5.6 乾燥後の膜厚分布の固有粘性率依存性
7.5.7 乾燥後の膜厚分布の蒸発潜熱依存性
7.5.8 乾燥後の膜厚分布に対する高分子溶液特有の蒸気圧変化の効果
7.5.9 液膜の表層と内部の乾燥の時間発展の違い
8.シミュレーション技術
8.1 拡散方程式の解法
8.2 流体方程式の解法
9.実験によるモデルの検証
10.モデルの発展
10.1 3次元モデル
10.2 溶質の種類が複数ある場合
10.3 溶媒の種類が複数ある場合
10.4 具体的な現象へのモデルの応用(様々なムラ等)
10.5 マランゴニ効果の考慮
11.膜厚制御の実際、今後
11.1 様々なムラ等の制御の例
11.2 端部の凹凸の制御の例1:温度管理
11.3 端部の凹凸の制御の例2:気圧管理
11.4 端部の凹凸の制御の例3:濃度管理
12.様々な形状への応用
12.1 基板の側面への塗布の影響
12.2 球状体への塗布膜の場合
13.塗布膜の設計における留意点