* 本セミナーは開催済みです。再開催のご要望があれば、お知らせください。
CMCリサーチセミナー
開催日時:2016年12月6日(火)10:30~16:30
会 場:ちよだプラットフォームスクウェア 503会議室 → 会場へのアクセス
〒101-0054 東京都千代田区神田錦町3-21
参 加 費:49,000円(税込) ※ 昼食・資料代含
* メルマガ登録者は 44,000円(税込)
* アカデミック価格は 25,000円(税込)
パンフレット
*アカデミック価格;学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院の教員、学生に限ります。
講 師
鈴木接着技術研究所 鈴木靖昭 先生
講師 鈴木靖昭 略歴
1965 年、名古屋工業大学工業化学科卒。 同年、 日本車輔製造(株)に入社。 技術研究所および開発本部にて、高圧発電機絶縁用エポキシ樹脂の研究開発、新幹線などの鉄道車両に関する有機材料の研究開発、 接着接合部のFEM応力解析、破壊条件、信頼性および耐久性に関する研究・評価、有機材料等の評価、 故障原因究明などに従事する。
最終役職開発本部部長。工学博士(名古屋大学)。日本車輌定年退職後は、引き続き同社開発本部に勤務したほか,最近まで名城大学および中部大学で非常勤講師を務めた。現在は, 名古屋産業振興公社テクノアドバイザー、岐阜県産業経済振興センターアドバイザー、 とよたイノベーションセンターアドバイザーとして活動する。
セミナーの趣旨
信頼性、耐久性、及び強い接着・接合継手を設計することを目的に、接着力発現の原理、接着剤および表面処理法の理論的選定法、異種材料の接着,樹脂射出一体成形法、レーザー接合法,化学反応法など最新の接合法について,強度および耐久性向上のメカニズムとともに解説する。 また、各種継手に発生する応力分布、変形、および破壊条件の解析法(CZM法を含む), それに基づく強い接着構造の設計法、 負荷応力の時間的分布と接着強度のばらつきに基づいたストレス-強度モデルによる継手の希望破壊確率を与える安全率の計算法、接着継手の劣化の主要原因である温度、湿度、機械的応力などのストレスと劣化速度との理論的関係およびそれに基づいた加速試験による寿命予測法について詳しく解説する。 さらに、 各種接着強度評価法はテキスト掲載のみですが、 接着トラブルの原因別分類と対策および具体的事例については概説する。
プログラム
1-1 化学的接着説
1-2 機械的接合説(アンカー効果)
1-3 からみ合いおよび分子拡散説
1-4 接着仕事
1-5 シーリング材の接着力発現の原理と役割
1-6 粘着剤の接着力発現の原理と役割
2.各被着材に適した接着剤の選定法
2-1 Zismanの臨界表面張力
2-2 溶解度パラメータ
3.接着剤の種類、特徴および最適接着剤の選定法
3-1 各接着剤の種類
3-2 接着剤の耐薬品性および耐候性について
3-3 各種接着剤のせん断およびはく離接着強度特性
3-4 各種被着材に適した接着剤の選定法
4.被着材に対する表面処理法の選定法
4-1 各種表面処理法およびその特徴
4-2 金属の表面処理法
4-3 プラスチックの表面処理法
5.最新の異種材料接合法
5-1 金属の湿式表面処理-接着・加硫法
5-2 金属の湿式表面処理-接着法
5-3 金属の湿式表面処理-樹脂射出一体成形法
5-4 金属のレーザー処理-樹脂射出一体成形法
5-5 フィラー強化樹脂のレーザー処理-異材樹脂射出成形法
5-6 金属―樹脂レーザー接合法
5-7 インサート材使用の樹脂-異種材料レーザー接合法
5-8 樹脂同士の加熱溶着:電気抵抗溶着
5-9 摩擦接合法
5-10 超音波接合
5-11 熱板接合
5-12 金属・セラミックス・樹脂の化学接合法
5-13 樹脂とゴムの架橋接着
5-14 分子接着剤
5-15 接着剤を用いない高分子材料の直接化学結合法
6.射出成形および融着における接着力発現のメカニズム
6-1 エッチングまたはレーザー照射により被着材表面に微細凹凸を形成して接着力を向上させる場合
6-2 樹脂同士の融着による接合の場合
7.接着継手形式および負荷外力の種類
7-1 接着接合の長所と短所
7-2 各種接着継手形式
7-3 接着部に加わる外力の種類
8.各継手の応力分布および強度評価
8-1 重ね合せ継手
8-2 結合力モデル(Cohesive Zone Model:CZM)解析法と混合モード破壊クライテリオンを用いた単純重ね合せ継手の挙動の解析例
8-3 スカーフおよびバット接着継手のFEM応力解析および混合モード条件下の破壊条件
8-4 特異応力の強さを用いたバット継手の引張接着強度の評価例
8-5 剥離応力の解析
8-6 スポット溶接-接着併用継手のFEM応力解析結果
9.最適接合部の設計
9-1 強い接着接合部を設計するための一般的留意事項
9-2 接着接合部の選択
10.経年劣化(強度低下およびばらつき増加)による故障率の増加(ストレス―強度のモデル)
11. 所定年数使用後の接着接合部に要求される故障確率確保に必要な安全率の計算法
11-1 正規分布について
11-2 負荷応力(ストレス)が一定値の場合の安全率の計算法
11-3 負荷応力(ストレス)が分布する場合の安全率の計算法
11-4 航空機において安全率が小さく取られる理由(強度のばらつきと故障率の関係)
11-5 正規確率紙を用いた接着強度の標準偏差および変動係数の求め方
11-6 各種接着継手の静的強度の変動係数実験値
12.接着接合部劣化の三大要因
12-1 接着界面へ水分が浸入することによる劣化の促進
12-2 温度による物理的および化学的劣化の加速
12-3 応力による物理的および化学的劣化の加速
13.アレニウスモデル(温度条件)による耐久性加速試験および寿命推定法
13-1 化学反応速度式と反応次数
13-2 濃度と反応速度との関係
13-3 材料の寿命の決定法
13-4 反応速度定数と温度との関係
13-5 アレニウス式を用いた寿命推定法
13-6 加速係数
14. アイリングモデルによるストレス、湿度負荷と水浸漬条件下の耐久性加速試験および寿命推定法
14-1 アイリングの式を用いた寿命推定法
14-2 アイリング式を用いた湿度に対する耐久性評価法
14-3 Sustained Load Test
14-4 JIS K6867:ISO10354接着剤-構造接着接合品の耐久性試験方法―くさび破壊法(ウェッジテスト)による耐湿および耐水性試験方法
14-5 アルミニウム合金のエッチングと耐久性との関係
15.金属/接着界面の耐水安定性についての熱力学的検討
16.接着接合部の疲労試験方法および疲労試験結果
16-1 アイリング理論から誘導されるS-N曲線
16-2 マイナー則(線形損傷則)
16-3 接着継手、スポット溶接―接着併用継手、リベット―接着併用継手の疲労試験結果
17.接着接合部のクリープ破壊強度およびクリープ試験方法
17-1 クリープ破壊強度、破壊時間-温度の関係式(ラーソン-ミラー式)
17-2 実験値からラーソン-ミラー式の決定方法
17-3 プラスチックのラーソン―ミラー線図例
17-4 継手のクリープ試験方法
18.接着トラブルの原因別分類と対策
18-1 原因別分類とその対策
18-2 各種トラブル事例の原因と対策