化学品の市場調査、研究開発の支援、マーケット情報の出版

S&T出版ウェビナー

       開催日時:2024年3月27日(水)10:30~16:55
       受 講 料:55,000円(税込) ※ 資料付
       会  場:【WEB限定セミナー】※在宅、会社にいながらセミナーを受けられます。 

備 考

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セミナーの趣旨

 資源リスク、安全性、エネルギー密度、出力密度、寿命、コスト改善要求から、実用化が期待される代表的なポスト液系LiB電池の最新動向を解説。

プログラム

第1部 10:30~12:00
全固体電池の技術と開発動向
講 師 小林 直哉 氏
㈱NKエナジーフロンティア 代表取締役 博士(工学)
 講師略歴 1985年-1992年 新神戸電機㈱にて「ニカド電池」の研究開発
1992年-2004年 キヤノン㈱にて「リチウム二次電池(特に合金負極材料)」の研究開発
2004年-2015年 ㈱サムスン日本研究所にて「次世代リチウムイオン電池材料、全固体電池、次世代EDLC」の研究開発
2015年-2019年 TOCキャパシタ㈱にて「Dual-ion電池、ハイブリッドキャパシタ、次世代EDLC」の研究開発
2019年より ㈱NKエナジーフロンティアを設立し、現在に至る
国内外の各企業に対し、二次電池及びキャパシタ関連の技術・研究開発アドバイス・コンサルティングを展開中
趣 旨  「脱炭素」をキーワードに化石燃料中心の社会からの脱却が求められています。電池はそれを実現するためのキー技術の一つです。昨今は「全固体電池」に多くの関心が寄せられており、国内外で精力的に研究開発が進められています。自動車企業をはじめとして、実用化への動きも散見されます。本セミナーでは、全固体電池のメカニズム、開発概況、現状の技術的課題、特に電極界面への取り組み、そして今後の見通しについて解説します。
プログラム
1. 序論:二次電池・全固体電池を巡って
 1.1 背景:市場予測・近年のニュース・関連メーカの動き等
 1.2 固体電解質開発史
  1.2.1 固体電解質が備えるべき要件
  1.2.2 各固体電解質の種類と特徴
 1.3 完成形の全固体電池を巡る概況
  1.3.1 エネルギー密度とリコール件数の関係(民生用LIBを例に)
  1.3.2 全固体電池開発の各社の取り組み
  1.3.3 完成形としての全固体電池の特徴
  
2. 固体電池の分類と定義および代表的な各メーカ
  
3. 全固体電池の課題

 3.1 電解液系電池(LIB)との比較から
  
4. 全固体電池の研究開発
 4.1 硫化物系固体電解質
  4.1.1 硫化物系全固体電池の課題抽出
  4.1.2 正極材料開発
  4.1.3 正極材料の界面制御と表面処理技術開発
   ・Al表面処理によるアプローチ
   ・黒鉛負極との組み合わせ
   ・正極の改良~LiAlO2被覆NCM~
   ・各部材項目ごとの主な使用材料(正極、負極/固体電解質、セル)
  4.1.4 次世代高容量材料開発現況
 4.2 酸化物系固体電解質
  ・固体電解質の機械特性・ヤング率
  ・酸化物固体電解質の種類と特徴
  ・酸化物系固体電解質の課題
 4.3 ハロゲン系固体電解質
  
5. 全固体電池の製造プロセス
  
6. 今後の課題と展望

 6.1 全固体電池の課題
 6.2 今後の展望
 6.3 今後の研究開発指針
 
第2部 13:00~14:15
酸化物型全固体リチウム電池の技術動向
講 師 秋本 順二 氏
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 省エネルギー研究部門 首席研究員
 講師略歴 最終学歴:東京大学大学院理学系研究科博士課程修了(理学博士)
職歴:通商産業省工業技術院化学技術研究所(現、産業技術総合研究所)入所
所属学会:電気化学会、日本セラミックス協会、日本化学会、米国電気化学会、日本電子材料協会など
趣 旨  不燃性の無機固体電解質を用いた全固体電池の実現についての期待が高まっている。特に、化学的に安定な酸化物系電解質材料を活用した酸化物型全固体電池は、高い安全性が可能となることから、その実現が期待されているが、現状では、電解質界面の抵抗低減などのブレークスルー技術の開発が必要不可欠である。本講演では、全固体電池の特徴、開発状況、酸化物系固体電解質材料の進展、酸化物型全固体電池の形成例について概説する。
プログラム
1. はじめに
  
2. 酸化物系電解質材料の進展

 2.1 固体電解質材料の歴史
 2.2 ガーネット型電解質材料とその特徴
 2.3 その他の酸化物系電解質材料の特徴
  
3. 酸化物型全固体電池の形成
 3.1 非晶質電解質を使用した低温焼結による電池形成
 3.2 非晶質材料と結晶材料を複合化させた電解質を使用した圧粉成形による電池形成
 3.3 圧粉成形による酸化物型全固体リチウム硫黄電池の形成
 3.4 焼結型全固体電池の特徴と課題
 3.5 ガーネット型電解質材料を使用した低温焼結による電池形成
  
4. 新規酸化物系電解質材料の探索
  
5. おわりに
 
第3部 14:20~15:35
全固体ナトリウムイオン電池の技術動向-ガラスセラミックスによる酸化物系全固体電池
講 師 本間 剛 氏
長岡技術科学大学 物質生物系 教授
 講師略歴 2004年 三菱電機㈱ 先端技術総合研究所
2007年 長岡技術科学大学 物質・材料系 助教
2014年 長岡技術科学大学 物質材料工学専攻 准教授
2023年 長岡技術科学大学 物質生物系 教授

所属学会 応用物理学会、日本セラミックス協会、日本MRS、日本化学会

趣 旨  ナトリウムイオン電池の全固体化は、比較的低めなエネルギー密度の向上と、希少元素を用いない点に加えて、安全性とサイクル安定性など多面的に興味深い電池として期待されている。我々はガラスが示す粘性流動と結晶化を活用して、無拘束で動作する全固体電池を提案している。本講演では全固体電池の開発動向と、我々が開発を進めている全固体電池の特徴と関連技術について解説する。
プログラム 1. ナトリウムイオン電池開発の意義と課題
  
2. ガラスセラミックスの熱的性質
  
3. 粘性流動を活用した同時焼成による活物質-固体電解質界面の形成
  
4. レーザーによる局所加熱のメカニズム
  
5. 全固体電池を構成する材料へのレーザー照射とその特徴
  
6. まとめ
 
第4部 15:40~16:55
リチウム-硫黄電池の技術動向
講 師 撹上 健二 氏
㈱ADEKA 研究開発本部 環境・エネルギー材料研究所 環境・エネルギー材料研究室 室長 兼 バッテリースペシャリスト
 講師略歴 ・2011年3月 群馬大学大学院 工学研究科 博士後期課程 修了  学位:博士(工学)
・2013年4月 ㈱ADEKA 入社
・2013年 有機系太陽電池に関する材料開発に従事
・2016年 二次電池に関する材料開発に従事
・2019年 テーマリーダー
・2022年 課長 兼 主任研究員
・2023年 室長 兼 バッテリースペシャリスト
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・日本化学会 第99春季年会 : 優秀講演賞(産業)
・新化学技術推進協会 第8回JACI/GSCシンポジウム : GSCポスター賞
・高分子学会 第28回ポリマー材料フォーラム : 優秀発表賞
・高分子学会 第30回ポリマー材料フォーラム : 広報委員会パブリシティ賞
・高分子学会 第30回ポリマー材料フォーラム : 優秀発表賞
・新化学技術推進協会 第22回グリーン・サステイナブル ケミストリー賞(GSC賞) : 奨励賞
・産経新聞社主催 第36回 独創性を拓く 先端技術大賞 社会人部門 : 経済産業大臣賞(最優秀賞)
趣 旨  硫黄系正極活物質は、高容量である、メタルフリーで資源的制約が少ない、比較的低温で製造できる等の特長を有し、Li金属負極と組み合わせたリチウム-硫黄二次電池(Li-S電池)は、SDGs達成のキーとなる次世代電池として期待されている。本講演では、Li-S電池の技術・開発動向、ならびに硫黄系正極活物質の1つである「硫黄変性ポリアクリロニトリル(SPAN)」の特徴を解説する。また、SPAN電池の軽量化の設計指針や固体電池への適用についても説明する。
プログラム 1. リチウム-硫黄二次電池(Li-S電池)の基礎と開発動向
  
2. 硫黄系正極活物質の分類(硫黄結晶型,硫黄‐炭素複合型,ポリマー型)と技術動向
  
3. 硫黄変性ポリアクリロニトリル(SPAN)
  
4. SPANの合成、物性、充放電特性
  
5. SPAN正極を用いたLi-S(Li-SPAN)電池の充放電特性
  
6. 世界最軽量二次電池への挑戦
  
7. Li-SPAN電池の安全性
  
8. 全固体Li-SPAN電池の充放電特性