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★ フィラーは高分子のどこに入るのか?室温時の抵抗を低下させ高温時の抵抗を上げるには?高分子とフィラーのインターラクションは?最も良いフィラーは?
 
※ 本セミナーはZoomを使ったLIVE配信セミナーです。会場での参加はできません。

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       開催日時:2023年5月22日(月)10:30~16:30
       開催場所:【WEB限定セミナー】※ 会社やご自宅でご受講ください。
       参 加 費:55,000円(税込)

定 員

 30名

備 考

・本セミナーは「Zoom」を使ったWEB配信セミナーです。

・セミナー資料は事前にPDFで送付します。紙媒体では郵送しません。セミナー資料の無断転載、二次利用や講義の録音、録画などの行為を固く禁じます。この点にご了承の上、お申し込みください。

【Zoomを使ったWEB配信セミナー受講の手順】
1)Zoomを使用されたことがない方は、 こちら からミーティング用Zoomクライアントをダウンロードしてください。ダウンロードできない方はブラウザ版でも受講可能です。
2)セミナー前日までに必ず動作確認をお願いします。Zoom WEBセミナーのはじめかたについては こちら をご覧ください。
3)開催日直前にWEBセミナーへの招待メールをお送りいたします。当日のセミナー開始10分前までに招待メールに記載されている視聴用URLよりWEB配信セミナーにご参加ください。

講 師

 大阪公立大学 大学院 工学研究科 物質化学生命系専攻 化学バイオ分野
      学長特別補佐 教授 博士(工学)  堀邊 英夫 氏

<ご専門>
 高分子物性(フィラー分散高分子の電気特性、PVDFの結晶構造制御、レジスト材料・プロセス、活性種とポリマーとの反応性)

<学協会>
 高分子学会、応用物理学会、日本放射線化学会、プラスチック成形加工学会など

[学会役員(過去のものも含む)]
 関西コンバーティングものづくり研究会会長、日本放射線化学会常任理事、応用物理学会代議員、フォトポリマー懇話会副会長、大阪工研協会副部会長、プラスチック成形加工学会関西支部副支部長、三菱電機外部評価委員長

<ご略歴>
 1985年 京都大学工学部合成化学科卒業
 1985年 三菱電機㈱ 先端技術総合研究所 研究員/主任研究員/主席研究員
 1997年 博士(工学)(大阪大学)
 2003年 高知工業高等専門学校物質工学科 助教授
 2007年 金沢工業大学バイオ・化学部応用化学科 教授
 2013年 大阪市立大学大学院工学研究科化学生物系専攻 教授(~2022年)
 2014年 大阪市立大学産学官連携本部新産業創生研究センター 所長(~2017年)
 2017年 大阪市立大学大学院工学研究科化学生物系専攻 専攻長(~2018年) 
 2022年 大阪公立大学大学院工学研究科物質化学生命系専攻 教授(現在に至る)
 2022年 大阪公立大学 学長特別補佐(現在に至る)

 2007年 大阪大学 招聘教授(兼) (現在に至る)
 2015年 東北大学 客員教授(兼)(~2016年) 2016年 兵庫県立大学 客員教授(兼)(現在に至る) 2016年 大阪工業大学 客員教授(兼)(~2019年)
 2017年 高知工科大学 客員教授(兼)(現在に至る) 2017年 金沢大学 客員教授(兼)(現在に至る)
 2018年 東京農工大学 客員教授(兼)(現在に至る)
 2021年 東北大学 特任教授(兼)(現在に至る)
 2021年 広島大学 客員教授(兼)(現在に至る)

受講対象・レベル

・高分子,導電性複合材料の研究や開発に関わる方 

習得できる知識

・導電フィラー分散高分子複合材料
・PTC(Positive Temperature Coefficient)特性-温度に対する抵抗率変化-
・PTC特性から見た高分子とフィラーのインターラクション 

趣 旨

 ポリマーに金属粉末,カーボンブラック(CB),カーボンナノチューブ(CNT)などの導電フィラーを充填し作製した導電フィラー分散高分子複合材料は,フィラーが複合材料中でネットワーク状に連なり導電パスを形成するため,特異な電気特性を示す.特に結晶性ポリマーからなる導電性複合材料は,温度上昇とともに電気抵抗率が増加する正の抵抗温度係数(PTC: Positive Temperature Coefficient)特性を示す.PTC特性を示す材料はその特性から永久ヒューズ,温度センサー,ヒーターなどに応用可能である.導電性複合材料を永久ヒューズに応用する場合,室温抵抗率が低くかつ高温抵抗率が高く,抵抗率の増加が温度に対して急峻である必要がある.この目的に応じた導電性複合材料を作製するためには,PTC特性の発現メカニズムの解明が重要である.
 本講演では,フィラーはそもそも高分子のどこに入っているのか,室温時の抵抗を低下させ,一方,高温時の抵抗を上げるというトレードオフの関係を達成するためには、PTC特性の発現はどのような機構で起こるのか,高分子とフィラーのインターラクションについて,懇切に紹介したい.

プログラム

1.導電フィラー分散高分子材料とは?
 1-1.PTC(PTC: Positive Temperature Coefficient)特性とは?
 1-2.複合材料の導電性発現機構
 1-3.高分子の種類とPTC特性との関係
 1-4.フィラーがCBの場合のPTC特性-最適なCBは?-
 1-5.フィラーが金属の場合のPTC特性-最適な金属は-
  
2.ポリマーの結晶化度とフィラー分散高分子のPTC特性との関係
 2-1.ポリマーの結晶化度の評価法
 2-2.ポリマーの結晶化度とフィラー分散高分子のPTC特性
 2-3.フィラー充填量とポリマーの結晶化度
 2-4.フィラー充填量とフィラー分散高分子のPTC特性
  
3.フィラー分散高分子の溶融後の冷却速度の導電性への影響
 3-1.溶融後の冷却速度とポリマーの結晶化度
 3-2.ポリマーの結晶化度と室温抵抗率
 3-3.ポリマーの結晶化度とPTC特性
  
4.結晶性高分子/Ni複合材料のPTC特性
 4-1.Ni充填率と複合材料の室温抵抗率
 4-2.Ni充填率と複合材料のPTC特性
 4-3.高分子とフィラーのインターラクション
 4-4.FITモデル
  
5.ポリマーの分子量と複合材料の導電性
 5-1.HDPEの分子量と複合材料の導電性
 5-2.PMMAの分子量と複合材料の導電性
  
6.非晶性ポリマーと複合材料のPTC特性
 6-1.非晶性ポリマーにおけるフィラーの分散性(SEM写真)
 6-2.非晶性ポリマーにおけるPTC特性
  
7.複合材料のPTC特性の定量的解析
 7-1.パーコーレーション理論における閾値の定義
 7-2.ポリマーの体積膨張及び結晶化度を考慮したPTC特性
 7-3.絶縁領域の抵抗率になる温度での複合材料の見かけのフィラー充填率