化学品の市場調査、研究開発の支援、マーケット情報の出版

~ 電気伝導度を向上させるための高分子の分子設計・ドーピング手法、熱電変換素子・発光素子への応用 ~
☆ 導電性高分子の電子状態や電荷輸送など基礎知識から、高導電化に向けた取り組みや最新技術動向を解説! PEDOT/PSSの他、注目される「ドナー・アクセプタ型高分子」についても解説する。

 
Zoomを使ったWEBセミナーです。在宅、会社にいながらセミナーを受けられます。

R&D支援センターウェビナー

       開催日時:2023年3月29日(水)12:30~16:30
       開催場所:【WEB限定セミナー】※ 会社やご自宅でご受講ください。
       参 加 費:49,500円(税込)

備 考

【Zoomを使ったWEB配信セミナー受講の手順】
1)Zoomを使用されたことがない方は、 こちら からミーティング用Zoomクライアントをダウンロードしてください。ダウンロードできない方はブラウザ版でも受講可能です。
2)セミナー前日までに必ず動作確認をお願いします。Zoom WEBセミナーのはじめかたについては こちら をご覧ください。
3)開催日直前にWEBセミナーへの招待メールをお送りいたします。当日のセミナー開始10分前までに招待メールに記載されている視聴用URLよりWEB配信セミナーにご参加ください。

・セミナー資料は開催前日までにお送りいたします。
 無断転載、二次利用や講義の録音、録画などの行為を固く禁じます。

講 師

名古屋大学 大学院工学研究科 応用物理学専攻 助教 博士(工学)  
田中 久暁 氏

【ご経歴・ご専門】
2003年3月  名古屋大学大学院工学研究科 応用物理学専攻 博士後期課程 修了
2003年4月- 名古屋大学大学院工学研究科 応用物理学専攻  助手(助教)

 導電性高分子の製膜・デバイス作製、電荷輸送計測・評価等に10年以上の実績を有しています。特に、電子スピン共鳴法などの微視的手法を用いた材料・素子の性能評価を推進しています。

受講対象・レベル

・導電性高分子の電子機能の研究開発に従事されている方、及び、高分子を取り扱うことを考えている方
・乱れた高分子薄膜の電荷輸送やデバイス動作特性の基礎学理に興味のある方
・高分子の研究開発動向に興味のある方 

必要な予備知識

特に予備知識は必要ありません。基礎から解説いたします 

習得できる知識

・導電性高分子の電子状態、電荷輸送
・移動度(電気伝導度)を向上させるための高分子の分子設計
・導電性高分子への様々なドーピング手法
・導電性高分子を用いた熱電変換素子の基礎
・導電性高分子を用いた発光素子の基礎
 など、高分子材料の電子物性・物性評価・電子素子応用に関わる基礎事項を理解できる。
(なお、高分子材料の合成法に関する解説はありません) 

趣 旨

 導電性高分子はコンデンサや帯電防止フィルム、センサをはじめ、近年では印刷法により作製できる熱電発電素子や発光素子など、多様な産業応用が期待されている。その代表的な材料であるPEDOT/PSSは、4000 S/cmを超える高い電気伝導率を示す。一方、PEDOTは一般の有機溶媒に不溶であることから、溶液塗布による屈曲面への製膜やウェアラブル素子への展開など、広範なエレクトロニクス応用を見据え、より製膜性に優れ、かつ高い導電性が実現する材料開発が課題となっている。
 本セミナーでは、電気伝導率が移動度と電荷濃度の積で記述されることに着目し、「移動度の向上」と「ドーピング制御」の観点から高導電性の実現に向けた材料・素子開発を概観する。特に、近年非常に高い移動度を示す材料として注目されるドナー・アクセプタ型高分子は、PEDOTを凌駕する可能性を秘めた材料である。これらの材料を中心として、近年明らかになってきた高移動度化の起源を最新の研究報告に基づき解説する。
 また、セミナー後半では、筆者らが取り組んでいる高分子の熱電変換機能や高輝度発光などの、ドーピング制御により実現する新しいデバイス機能について、世界的な研究動向も踏まえて幅広く解説する。

プログラム

1.導電性高分子の発見と研究開発の推移
1-1 代表的な導電性高分子材料 -ポリアセチレンからPEDOTまで-
1-2 導電性高分子の応用例
1-3 PEDOTにおける高い導電性の起源
1-4 更なる高導電化とエレクトロニクス応用に向けた課題
  
2.導電性高分子の電子状態と電荷輸送の基礎
2-1 導電性高分子の電子状態 -ソリトン、ポーラロン、バイポーラロン、および金属転移-
2-2 導電性高分子の電荷輸送機構 -乱れた系のホッピング伝導から金属伝導まで-
2-3 電荷輸送の実験法 -電気伝導率と移動度の観点から-
  (1)電気伝導率測定
  (2)磁気抵抗、及びHall効果測定
  (3)トランジスタ構造を用いた移動度の測定法
  (4) 磁気共鳴法を用いた“キャリア運動”の観測
  
3.導電性高分子の高導電化に向けた取り組みと最近の知見
 3-1 移動度向上に向けた新規な分子・薄膜設計
  (1)“高結晶性”高分子とドナー・アクセプタ型高分子
  (2)分子配向の効果
  (3)分子量の効果
  (4)分子平面性の効果
  (5)主鎖方向制御の効果
  (6)ドナー・アクセプタ型高分子に学ぶ「高移動度化のレシピ」
 3-2 高分子膜へのドーピング法
  (1)化学ドーピング
  (2)トランジスタ構造を用いた静電的ドーピング
  (3)トランジスタ構造を用いた電気化学ドーピング
  (4)新規ドーピング手法開発の動向
 3-3 高導電化に向けた材料開発の課題と展望
  
4.導電性高分子の熱電変換機能
 4-1 ゼーベック効果と熱電変換特性
 4-2 高分子系熱電変換素子の研究動向と問題点
 4-3 電気化学トランジスタを用いた熱電変換特性制御
 4-4 高分子薄膜の構造と熱電特性の関係
 4-4 変換性能の向上に向けた課題と展望
  
5.導電性高分子を用いた高輝度発光素子
5-1 有機ELと発光トランジスタ
5-2 電気化学発光素子(LEC)
5-3 LECにおける発光メカニズム
  
6.まとめ