~ 座姿勢の身体負担をどこまで軽減できるか ~
★ 誰も教えてくれない「座りの科学」を基礎からじっくり学べます!自動車用シート、椅子開発に関わる方はぜひご参加下さい!
※ 本セミナーはZoomを使ったLIVE配信セミナーです。会場での参加はできません。
R&D支援センターウェビナー
開催日時:2023年3月28日(火)12:30~16:30
開催場所:【WEB限定セミナー】※ 会社やご自宅でご受講ください。
参 加 費:49,500円(税込)
定 員
30名
備 考
・本セミナーは「Zoom」を使ったWEB配信セミナーです。
・セミナー資料は事前にPDFでお送りします。セミナー資料の無断転載、二次利用や講義の録音、録画などの行為を固く禁じます。
【Zoomを使ったWEB配信セミナー受講の手順】
1)Zoomを使用されたことがない方は、 こちら からミーティング用Zoomクライアントをダウンロードしてください。ダウンロードできない方はブラウザ版でも受講可能です。
2)セミナー前日までに必ず動作確認をお願いします。Zoom WEBセミナーのはじめかたについては こちら をご覧ください。
3)開催日直前にWEBセミナーへの招待メールをお送りいたします。当日のセミナー開始10分前までに招待メールに記載されている視聴用URLよりWEB配信セミナーにご参加ください。
講 師
上野 義雪 上野研究室主宰 博士(工学)
・室内計画(インテリアデザイン)の人間工学 人体系家具の人間工学(いす・シート・腰掛・寝具) 水回りの人間工学(トイレ 浴室 洗面 キッチン設備など)
・プロダクト製品の人間工学(筆記具 VDT LED照明 履物など)
・保健医療の人間工学
・人体・動作寸法の計測
・実験手法
・ユニバーサルデザイン・共用品
・その他
【所属学協会】
・学会:日本インテリア学会副会長 日本オフィス学会理事 日本建築学会終身正会員
(元会員:日本人間工学会 日本看護学会 日本デザイン学会 日本福祉工学会 福祉のまちづくり学会 インテリアプランナー協会 モアレ研究会 ほか)
・協会:日本トイレ協会副会長
・資格:インテリアプランナー(公益社団法人) 日本人間工学会認定シニア人間工学専門家(一般財団法人) キッチンスペシャリスト(公益社団法人)
・委員会:日本国有鉄道委託旅客サービス設備近代化の研究委員会委員、昭和48~52年度・昭和57~59年度 (社)日本鉄道車輌工業会
文部省学校家具委員会 オフィス家具JIS委員会 ほか
・受託研究:自動車用シートにおける疲労計測のアプローチ、1993年度日本自動車部品工業会(一般財団法人) ほか
・共同研究:オフィス用いす 学校用いす 安楽いす 車いす 座いす 自動車シート トラックシート バスシート 重機シート 鉄道車輛腰掛(新幹線 在来線) 航空機シート シート補助具 ほか
【ご略歴】
1988年 千葉大学工学部文部教官助手 退官
1988年 千葉工業大学工学部工業デザイン学科講師 任用
1988年 千葉大学工学部非常勤講師(~1992年 建築学科)
1993年 千葉県立鶴舞看護専門学校非常勤講師(~2021年 旧千葉県立鶴舞病院付属高等看護学院)
1997年 千葉県立保健医療大学非常勤講師(~現在に至る 旧千葉県立医療技術大学校)
2013年 東洋大学ライフデザイン学部非常勤講師(~2015年 人間環境デザイン学科)
2016年 千葉工業大学工学部デザイン科学科教授 定年退職
2016年 千葉工業大学工学部非常勤講師(~2017年 デザイン科学科)
受講対象・レベル
・座りに関わる企画・開発・設計ご担当の方
・座りに関わる販売・営業ご担当の方
・座りに関心をお持ちの方
習得できる知識
・日常生活における座りと座具の意味と人間工学応用の目指すもの
・いす、シートの役割と機能条件
・座具における座りの常識と非常識
・いすとベッドの共通性理解から未来のシート環境について
趣 旨
時代が変わっても、自動車の運転姿勢や乗車姿勢は、座姿勢以外には考えられない。床に足が着き、臀部・下腿部・背面・後頭部がシートに接する座姿勢であるから、シートは人体の接触部位をうまく支持する役割を備えていなければならない。果たしてこれらの機能を備えたシートに仕上がっているであろうか。
近年、量産化されるいす・シートの設計は、ほぼCADによるものであり、残念ながら手書きによる原寸図の設計は姿を消してしまった。いす・シートは建築・室内・人間工学の分野では「人体系家具」として扱われ、原寸図により寸法や角度の検討が成されてきた。この原寸図による1㎜の寸法、1°の角度が着座姿勢や座り心地に大きな影響を与えることは原寸図をひいてみないと理解しにくい実情がある。CAD製図ではこの1㎜、1°の意味が実感として伝わってこないことがおおきな問題として捉えている。
この結果、設計段階から人体といす・シートとの関係が希薄になり、完成品が身体に合わない、違和感があるなど座り心地のよさとはかけ離れた座具の生産に繋がってしまうと考えられる。
知人のいすデザイナーであるI氏は、人間工学をマスターした唯一のデザイナーである。そして未だに手書きによるいす設計を行っておられ、まさに達人の取り組み方であると評価をしている。その内容は、(1)人間工学の学術的習得、(2)原寸図によるいす設計とアナログ的なアプローチが完成度の高いいすづくりに至っているものと考えている。そしてこの結果、彼の作品には常に合格点がつく。いす・シートに関わる人々は、この意味を忘れてはならない。
仮に量産シートであっても、彼の様に座りの基礎が身についているならば、合格点に近いシートづくりが可能となる筈である。これは、私の50年に及ぶ「座・姿勢研究」の経験から明言できる。
日本におけるいす生活の歴史は極めて短い。座り方も選び方も、そして造り方も誰も教えてくれない。それ故に日本におけるいす・シートづくりは、視覚的に評価されても座り心地を備えた座具が多く誕生しないのは当然のことと言わざるを得ない。
いま思うに文科省が子供たちに座ることの意味と座り方を教えていたならば、視力の低下防止、猫背姿勢の回避など健康面における効果が期待でき、いすの座り方や選び方を正しく理解できていたであろうと残念でならない。
そこで、欧米諸国に劣らないいす・シートの製作を目標として「いすづくり」や「いす使い」に欠かせない基礎的知識をお伝えすることができるならばと考え、本セミナーを引き受けることにした。
AI自動運転に多くの関心と期待がされる時代に突入した。一方で、日常生活における着座姿勢は、人間の寿命を短くするという研究結果が発表され、このことが家具メーカーに大きな影響を与え、座り姿勢が悪もの扱いされる実情がある。
人体の骨格構造を姿勢と重力の観点からみると、座姿勢は人体に無理を強いる姿勢であることは明白である。このことを生活者やメーカー、マスコミなどに繰り返し伝えてきたが、残念ながらいす・シートづくりの現場にその声が届かないのは実に残念なことである。
いす・シートの研究に関わり50年になる。大学教員退職後の終活の中で資料を整理している中でシートセミナーの講師を1989年から6社において合計27回お引き受けしてきたことが分かった。多い時は1社のセミナーを年間2回開催されたこともある。これらのセミナーにご参加をいただいた方々の中にはシートデザインやシート研究の第一人者として活躍されておられる方が誕生し、講師冥利に尽きる。
本セミナーでは、これまでの経験をもとに「シートづくりの基礎」としての知識をお伝えすることにより、座り心地向上のシートづくりやAI自動車運転の実用化に伴う新たなシートづくりの参考になることを願ってセミナーを計画した次第である。
長引くコロナ禍の中で、移動手段が一時的に公共交通機関から自動車へ移行するなど、自動車の優位性が評価された実情を鑑み、更なるシートづくりに向けて役立つならば幸いである。
プログラム
2.「座姿勢」は悪か
3.いす・シートづくりを教育の側から観る
4.「知らないで」いす・シートづくり
5.いす・シートづくりに「人間工学」の活用を
6.「座姿勢」の身体的負担
7.いすづくりとベッドづくりの共通点
8.いすの支持面のプロトタイプ
9.人体支持具としてのベッド
10. 事務用いす、車いす、座椅子
11.いすの座り方と選び方
12.「体圧分布図」で何が分かる
13.「寝具の三層構造」はクッション材料構成の常識
14.自動車シート 運転姿勢に影響するシートの条件
14-1.好ましいシートの着座位置の調整
14-2.初期における自動車用シートの調査・実験概要
・シートのクッション性の嗜好調査
・長時間運転におけるシートの評価調査
14-3.調査・実験結果による提案
14-4.参考文献
15.鉄道車輛用腰掛
16.航空機シート
17.シートづくりの原理原則と具備すべき条件
18.作る側にも使う側にも「座育」のすすめ
19.着衣とシート表皮材との相性
20.ドライバーズシューズとフロア材
21.骨盤サポートの効果と応用
22.AI自動車と「明日に向け、次世代に向けて」のシートづくり
スケジュール
12:30-14:20 講義
14:20-14:30 休憩
14:30-16:30 講義
※ 講義の進行状況により多少前後いたします。