化学品の市場調査、研究開発の支援、マーケット情報の出版

 
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CMCリサーチウェビナー【ライブ配信】

       開催日時:2023年4月20日(木)13:30~16:30 
       受 講 料:44,000円(税込)  * 資料付
          *メルマガ登録者 39,600円(税込)
          *アカデミック価格 26,400円(税込)
         パンフレット

※ 本セミナーは、当日ビデオ会議ツール「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
 お申し込み前に、下記リンクから視聴環境をご確認ください。
   → https://zoom.us/test
 ★ アカデミック価格:学校教育法にて規定された国、地方公共団体および学校法人格を有する大学、大学院の教員、学生に限ります。
 ★【メルマガ会員特典】2名以上同時申込かつ申込者全員メルマガ会員登録をしていただいた場合、1名あたりの参加費がメルマガ会員価格の半額となります。
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講 師

 齋藤 文良  東北大学 名誉教授、工学博士

【講師経歴】

学歴:
 1947年 山形市生まれ
 1970年 山形大学 工学部 化学工学科 卒業
 1972年  同大学大学院 工学研究科 修士課程 化学工学専攻 修了
 1982年3月 工学博士(東北大学)

職歴:
 1972年4月 山形大学 助手(工)に着任
 以後、東北大学 助手(選研)、横浜国立大学 講師(工)、助教授(工)を経て
 1991年 東北大学 教授(選研、現在の多元研)
 2012年  同大学 定年退職、同年4月より東北大学 名誉教授。
 1987~88年 英国バーミンガム大学、客員博士研究員
 2001年 フランス Ecole des Mines d’Albi, 客員教授
 2005~2010年 東北大学 多元研所長
 2010年 チェコ化学工学会 名誉会員(日本人初)
 2009~2018年 早稲田大学 非常勤講師
 2014年~ 福島県立テクノアカデミー郡山 非常勤講師など歴任。

【講師の活動歴(研究歴、所属学会、著書など)】

研究歴:
 1972-1982 粉砕の基礎(単粒子破砕)研究と機械的単位操作
 1982-1989 異相系の混合攪拌とScaba翼の気液系攪拌動力特性の研究
 1989-現在 粉砕によるメカノケミストリーの基礎と応用の研究

所属学会:
 粉体工学会、資源素材学会、国際メカノケミストリー協会(IMA)

その他の機関・協会等での活動:
 科学技術振興機構(JST)A-Step 機能検証フェーズ専門委員、日本粉体工業技術協会 理事、ホソカワ粉体工学振興財団 評議員、粉体工学情報センター 理事、宮城県グリーン購入委員会 委員長(2006-2021年)、仙台市地域連携アドバイザー、東経連ビジネスセンター技術評価チーム・フェローなど

 オリジナル研究論文(総数289編)、解説資料(総数183編)、著書(32冊)などは下記URLを参照願います。
 https://researchmap.jp/read0168642  齋藤 文良(Fumio Saito) マイポータル

セミナーの趣旨

 科学技術の発展による我々の生活は豊かになった。これは人類が英知をもって天然資源を活用してきた結果である。しかし、活用可能な資源量は無尽蔵ではなく、永続的に利用する再生・リサイクルが必須である。様々な再生・リサイクル法が提案.されているが、その中で、前処理として原料(廃棄物)を粉砕し、活性化して化学的処理あるいは物理的処理すると得策である場合が少なくない。
 本セミナーでは、有価物を含む固体を粉砕し、活性化して、その後に化学的処理(水洗、酸あるいはアルカリ処理)して含有有価物を回収する事例や、粉砕後に物理的処理(加熱)して有価物を回収するプロセスを紹介する。ポイントは、粉砕処理での固体の活性化機構であり、メカノケミストリーとして知られる現象を理解する点である。
 本セミナーでは、未利用資源に含まれる有価物を無理なく回収した幾つかの事例を紹介する。そこから上記した事例の理解ばかりでなく、課題の解決に繋がるヒント・糸口を解説するようにする。

セミナー対象者

 粉砕とメカノケミストリーに関する技術開発の現場で奮闘されておられる若手研究者・技術者、技術セールス担当者などである。
 より具体的には、以下のような方にはぜひ受講をお勧めします。
 ・ 粉砕に取り組んでまだ間もない技術者・研究者
 ・ メカノケミストリーの工学的利用に興味をお持ちの方
 ・ メカノケミストリーを利用した材料開発・リサイクルを目指す方
 ・ 物質に含有する有価物などをマイルドな条件で分離・回収を目指す方
 ・ 粉砕と化学的あるいは物理的処理を組み合わせたプロセスと考えておられる方 など

セミナーで得られる知識

 固体の粉砕において、生成した微粒子が付着・凝集し易いことを経験されておられる方も多いと思われる。その要因は固体表面の活性にあり、これがメカノケミストリーで説明できる。メカノケミストリーは固体へ加えられた機械的エネルギーが固体内に塑性変形として蓄積される結果発現する効果であり、微粒子の付着凝集ばかりでなく固体表面の活性等として周囲の物質とも相互作用し、究極は非加熱での固相反応へと発展する。この現象を利用すると、未利用固体から含有する有価物を簡単に回収するなど、資源再生・リサイクル法としても活用可能である。
 本セミナーでは、このメカノケミカル効果がどのような機構で発現するのか?を理解し、その制御法についての理解を深める。この現象を利用した様々な未利用資源に含まれる有価物回収の事例を学習し、応用力を培う。そこから新たな資源処理・再生・リサイクルについてのアイディアが生まれる可能性が高いし、各自が抱える課題の解決のためのヒントやポイントも得られる。

プログラム

      ※ 適宜休憩が入ります。

1. 粉砕によるメカノケミストリー
 1.1 粉砕過程で起こるマクロとミクロな変化
 1.2 メカノケミカル効果の発現機構と評価
 1.3 粉砕による各種固体の結晶構造変化
  
2. メカノケミストリーによる微粒子表面の活性化
 2.1 微粒子表面雄活性化
 2.2 微粒子表面での粉砕助剤の挙動
 2.3 活性化した微粒子表面からの不対電子
 2.4 粉砕雰囲気中の水分の役割
  
3. 未利用資源の再生とリサイクル事例
 3.1 無定形化の利用
  1) ITOスクラップからのIn,Sn回収
  2) 三波長型廃蛍光管からのレアアース回収
  3) 廃LIBからのCo.Ni回収
 3.2 固相反応の利用
  1) 廃ITO端材からのIn・Sn金属の回収
  2) EPダストからのV回収
  3) 廃LIBからのLi,Co回収
  4) 磁石端材からのレアメタル回収
  5) 廃石膏ボードからのプラスター生成 
  
4. ハロゲン含有樹脂からの脱ハロゲン
 4.1 ポリ塩化ビニル(PVC)の脱塩素による分解
 4.2 ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の脱フッ素による分解
 4.3 ポリフッ化ビニリデン(PVDF)の脱フッ素による分解
 4.4 ヘキサブロムベンゼン(HBB)の脱臭素による分解
  
5. 天然資源の処理と有価物回収
 5.1 タルクからのMgの選択的回収
 5.2 タルクと二水石膏からのプラスター生成
 5.3 カオリナイトからのゼオライト合成
 5.4 硫酸塩鉱石からの水酸化物と炭酸塩の生成
 5.5 シーライトからの可溶性タングステン塩の生成
 5.6 バストネサイトからのレアアース回収
  
6. バイオマスや樹脂などからの水素製造
 6.1 バイオマス(セルロース)からの高純度水素の製造
 6.2 廃プラスチック、稲藁、廃紙、下水汚泥などからの水素の製造
  
7. 課題の解決策 
 ・ 大量処理法は?
 ・ メカノケミカル効果(機械的活性化)の制御法は? 
 ・ 湿式粉砕でのメカノケミカル効果は可能か?
 ・ メカノケミカル効果を迅速に達成するにはどうすればよいか? 
 ・ メカノケミカル効果を支配する因子は何か?
 ・ メカノケミカル効果に影響する助剤は?
 ・ メカノケミカル効果とコンタミネーション(摩耗)の関係?
  
8. 質疑応答
 時間の許す範囲でセミナー参加者からのご質問に対応させていただきます。
  

  
  

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