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The Latest Trends in Hydrogen Production, P2G and Related Technologies for Carbon Neutrality

  ■ 発  行:2022年12月28日
■ 監  修:古山 通久(信州大学 先鋭材料研究所 教授)
■ 定  価:本体(白黒) 60,000 円(税込 66,000 円)
       本体 + CD(カラー) 90,000 円(税込 99,000 円)
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■ 体  裁:A4判・並製・本文215頁
   ISBN 978-4-910581-28-6
  パンフレット

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本書の特徴

➢ カーボンニュートラルに向けますます重要性の増す水素製造とP2G!
➢ 関連する先端技術に精通する著者らが、各種水素製造法、水素とCO2を原料とする炭化水素の合成(CO資源化)を解説!!
➢ P2Gについてシステムの観点から現状の課題と今後の展望を詳述!
➢ 将来を変え得る水素・P2Gやその関連技術の開発動向を知るのに最適な一冊!

= 刊行にあたって =

 国内では、家庭用燃料電池が2009年に、燃料電池自動車が2014年に一般市販化されるなど、日本は技術的に水素・燃料電池分野において世界をリードしてきた。水素・燃料電池戦略ロードマップでは、家庭用燃料電池を2020年に140万台、2030年に530万台導入、燃料電池自動車を2020年に4万台、2025年に20万台、2030年に80万台を導入するとの目標が掲げられている。これまでの導入実績を分析すると、家庭用燃料電池は10年以上の導入遅延、燃料電池自動車は6~10年の導入遅延である。一方、2015年のパリ協定において2℃目標から踏み込んだ1.5℃目標が明示的に言及され、2018年に1.5℃特別報告書が公開されてから、2050年にカーボンニュートラルを達成することの社会的要請が先鋭化してきた。エネルギーを電化し、再生可能エネルギーで電力をまかなう、ということでは対応できない用途のカーボンニュートラル化のために、水素の果たす役割の重要性が認識されてきた。このような潮流と並行して、国際情勢による資源調達リスクが暮らしに身近な形で顕在化し、再生可能エネルギーの役割が増していく中、余剰電力の活用、エネルギーの備蓄も含めて、水素に対する期待が高まっている。
 本書では、先端研究に精通する著者によって、種々の方法による水素の製造、水素とCO2を原料とした合成炭化水素合成による二酸化炭素の資源化について研究開発の動向がまとめられている。水素製造の後段では、水素を輸送・貯蔵していくことも重要であり、水素のキャリアや貯蔵材料に関する動向もまとめられている。さらには、電力を水素に変換するP2Gについてシステムの観点から現状の課題と今後の展望が示されている。
 2050年のカーボンニュートラルは、既存の延長線では達成することが不可能である。本書は、将来を変え得る水素・P2Gやその関連技術の開発動向を知るには最適な一冊である。
                         信州大学 先鋭材料研究所 教授 古山通久

執筆者一覧(執筆順)

林 灯  九州大学 エネルギー研究教育機構 水素エネルギーシステム専攻 教授
石原 達己  九州大学 カーボンニュートラルエネルギー国際研究所(WPI-I2CNER)主幹教授
奥山 勇治  宮崎大学 工学教育研究部 環境・エネルギー工学研究センター 教授
阿部 竜  京都大学大学院 工学研究科 物質エネルギー化学専攻 教授
鈴木 肇  京都大学大学院 工学研究科 物質エネルギー化学専攻 助教
伊田 進太郎  熊本大学 産業ナノマテリアル研究所 教授
郷右近 展之  新潟大学 工学部 工学科 化学システム工学プログラム 准教授
福原 長寿  静岡大学学術院 工学領域化学バイオ工学系列 教授
秋葉 悦男  九州大学 名誉教授
佐藤 勝俊  名古屋大学大学院 工学研究科 化学システム学専攻 特任准教授
永岡 勝俊  名古屋大学 未来社会創造機構 教授
古川 森也  北海道大学 触媒科学研究所 准教授
柴田 善朗   一般社団法人 日本エネルギー経済研究所 次世代エネルギーシステムグループマネージャー 電力・新エネルギーユニット担当補佐
中岩 勝  産業技術総合研究所 FREA 所長

構成および内容

目次構成・内容一覧PDF
 水電解による水素製造の研究開発動向 
第1章 プロトン交換膜型水電解による水素製造
      林 灯

1 はじめに
2 水電解反応とは
3 水電解水素製造の現状と今後求められるもの
4 アノード側の課題
5 アノード触媒研究の動向
6 アノード触媒担体研究の動向
7 アノードPTL研究の動向
8 再生可能エネルギーを利用した水電解に向けて
9 おわりに 
参考文献
  
第2章 固体酸化物セル(SOEC)を用いた水蒸気電解による高効率水素製造
      石原 達己

1 はじめに
2 水蒸気電解の基礎とその魅力
3 LaGaO3を電解質とする水蒸気電解の現状
4 おわりに 
参考文献
  
第3章 プロトン伝導性セラミックスを用いた純水素製造
      奥山 勇治

1 はじめに
2 プロトン伝導性セラミックスとは
 2.1 プロトン伝導性セラミックスへの水素溶解と移動
 2.2 プロトン伝導性セラミックスの伝導ドメイン
 2.3 プロトン伝導性セラミックスの分極特性
3 改質ガスからの純水素製造
4 水蒸気電解による水素製造
5 おわりに 
参考文献

 光触媒による水素製造の研究開発動向 
第4章 太陽光水素製造実現に向けた光触媒系の開発
      阿部 竜,鈴木 肇

1 はじめに
2 太陽光水素製造の実用化に求められる光触媒系の性能
 2.1 水素製造コストから考える太陽光エネルギー変換効率の目標値
 2.2 太陽光スペクトル中に含まれる光子数
 2.3 利用可能波長と量子収率から概算する太陽光エネルギー変換効率
 2.4 低コスト太陽光水素製造を実現するための光触媒系の性能設定
 2.5 なぜ光触媒水分解における可視光利用が困難であったか
3 可視光照射下において水を分解できる光触媒系の開発
 3.1 単一の光触媒材料を用いる可視光水分解(一段階励起型)
 3.2 Zスキーム型可視光水分解(二段階励起型)
 3.3 酸窒化物を用いるZスキーム系
 3.4 硫化物を用いるZスキーム系
4 可視光水分解に適したバンド構造を持つ新規層状酸ハロゲン化物系
 4.1 Sillén-Aurivillius系層状酸ハロゲン化物の特異なバンド構造
 4.2 Sillén-Aurivillius系層状酸ハロゲン化物の材料設計
5 まとめ 
参考文献
  
第5章 酸窒化物ナノシートを用いた水分解光触媒の開発
      伊田 進太郎

1 はじめに
2 水分解光触媒の課題
3 ナノシート光触媒の利点
4 酸窒化物ナノシート
5 Dion-Jacobson相をもつ層状化合物の剥離によるCa2Nb3O9.7N0.2 ナノシートの合成とその光触媒活性
6 M2Ta3O10-xNyナノシート(M:Ca,Sr,Ba)
7 Ruddlesden-Popper相をもつ層状化合物の剥離によるCa2Ta3O9Nナノシートの合成とその光触媒活性
8 今後の展開
参考文献

 CO2資源化
第6章 高温太陽集光システムによるソーラー水素・炭化水素燃料製造の研究動向
      郷右近 展之

1 はじめに
2 太陽集光システムの基本構成と太陽熱発電の要素技術
3 高温化へ向かう次世代太陽熱発電
4 高温太陽熱による二段階熱化学プロセスによる水/二酸化炭素分解
5 ペロブスカイト酸化物による水/二酸化炭素分解の研究動向
参考文献
  
第7章 合成ガスの製造と固体炭素の捕集で拓く新しいCO2資源化プロセス
      福原 長寿

1 はじめに
2 構造体触媒によるドライ改質反応システム
 2.1 改質ガス組成と炭素析出
 2.2 改質用構造体触媒
3 固体炭素の捕集システム
4 産業プロセスからのCO2のメタン化処理
5 おわりに 
参考文献
  
 エネルギー輸送・貯蔵の研究開発動向 
第8章 水素貯蔵材料とそのサプライチェーンへの応用
      秋葉 悦男

1 はじめに
2 水素貯蔵材料による水素吸蔵
3 水素貯蔵材料の開発
 3.1 水素吸蔵合金
 3.2 液体による水素貯蔵輸送技術
4 水素貯蔵材料の応用
 4.1 電池への応用
 4.2 移動体への応用
 4.3 定置式水素貯蔵への応用
 4.4 その他の応用
5 水素サプライチェーンの実証の紹介
 5.1 大規模水素輸送サプライチェーンの実証(NEDOによる実証)
 5.2 地域連携・低炭素水素技術実証(環境省実証事業)
6 水素貯蔵材料の展望 
参考文献

第9章 酸化物担持型アンモニア合成触媒の開発動向
      佐藤 勝俊,永岡 勝俊

1 はじめに
2 ルテニウム系触媒の開発
 2.1 研究の背景
 2.2 希土類酸化物担持ルテニウム触媒
 2.3 複合希土類酸化物担持触媒
 2.4 塩基性助触媒の添加による活性点構造・機能のモディファイ
3 コバルト系触媒の開発
 3.1 研究の背景
 3.2 MgO担持Co触媒の開発とBaの効果
 3.3 希土類酸化物担持非貴金属触媒の開発
4 おわりに 
参考文献
  
第10章 金属反応場の精密設計に基づく高効率脱水素触媒系の開発
      古川 森也

1 はじめに
2 最適な第二金属の探索
3 第三金属導入によるPt3Feの高機能化
4 高性能化のメカニズム
5 おわりに
参考文献
  
 P2G システムの展望
第11章 カーボンニュートラルに向けたP2Gシステムの役割
      柴田 善朗

1 はじめに
2 水素を巡る国内外の動向
 2.1 我が国の動向
 2.2 国外の動向
 2.3 グリーン水素への期待と課題
3 Power to Gas 
 3.1 グリーン水素製造専用のP2G 
 3.2 VRE余剰電力を水電解に投入し水素を製造
 3.3 系統電力を水電解に投入:卸売価格に応じた水電解運転パターン
 3.4 水電解による需給調整
 3.5 P2Gのエネルギー貯蔵機能
4 水素の利用先:P2G2X 
 4.1 発電用途
 4.2 その他部門での用途
 4.3 e-gas, e-fuel
5 P2GによるEnergy System Integration:電力とガスのネットワーク統合
 5.1 ガスネットワークによるVRE受入れ可能性
  (1)ガスの需要規模
  (2)ガスネットワークのエネルギー貯蔵
  (3)ガス導管のLinepackの柔軟性
 5.2 Energy System Integrationの課題と便益
6 カーボンニュートラル以外の重要な視点
 6.1 輸入水素の潜在的リスク
 6.2 エネルギーセキュリティー改善・レジリエンス強化・安定供給・関連産業育成
7 まとめ 
参考文献
  
第12章 再エネ由来水素の利活用と課題
      中岩 勝

1 P2X技術の展開
2 今後の方向
3 おわりに 
参考資料
  

  
  

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