化学品の市場調査、研究開発の支援、マーケット情報の出版

 
* 本ウェビナーは開催済みです。再開催のご要望があれば、お知らせください。

        再開催を希望   

CMCリサーチウェビナー【ライブ配信】

       開催日時:2023年2月1日(水)13:30~16:30 
       受 講 料:44,000円(税込)  * 資料付
          *メルマガ登録者 39,600円(税込)
          *アカデミック価格 26,400円(税込)
         パンフレット

※ 本セミナーは、当日ビデオ会議ツール「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
 お申し込み前に、下記リンクから視聴環境をご確認ください。
   → https://zoom.us/test
 ★ アカデミック価格:学校教育法にて規定された国、地方公共団体および学校法人格を有する大学、大学院の教員、学生に限ります。
 ★【メルマガ会員特典】2名以上同時申込かつ申込者全員メルマガ会員登録をしていただいた場合、1名あたりの参加費がメルマガ会員価格の半額となります。
 ★ お申込み後のキャンセルは基本的にお受けしておりません。ご都合により出席できなくなった場合は代理の方がご出席ください。

講 師

 齋藤 文良  東北大学名誉教授、工学博士

【講師経歴】
  
学 歴:
 1947年 山形市生まれ、1970年 山形大学 工学部 化学工学科卒業、1972年 同大学大学院 工学研究科 修士課程 化学工学専攻修了、1982年3月 工学博士(東北大学)
  
職 歴:
 1972年4月 山形大学 助手(工)に着任、以後、東北大学 助手(選研)、横浜国立大学 講師(工)、助教授(工)を経て、1991年 東北大学 教授(選研、現在の多元研)、2012年 同大学 定年退職、同年4月より東北大学 名誉教授。
 1987~88年 英国バーミンガム大学、客員博士研究員、2001年 フランス Ecole des Mines d’Albi, 客員教授、2005~2010年 東北大学 多元研所長、2010年 チェコ化学工学会 名誉会員(日本人初)、2009~2018年 早稲田大学 非常勤講師, 2014年~ 福島県立テクノアカデミー郡山 非常勤講師など歴任。
  
【講師の活動歴(研究歴、所属学会、著書など)】
  
研究歴:

 1972-1982 粉砕の基礎(単粒子破砕)研究と機械的単位操作
 1982-1989 異相系の混合攪拌とScaba翼の気液系攪拌動力特性の研究
 1989-現在 粉砕によるメカノケミストリーの基礎と応用の研究
  
所属学会:
 粉体工学会、資源素材学会、国際メカノケミストリー協会(IMA)

その他の機関・協会等での活動:
 科学技術振興機構(JST)A-Step 機能検証フェーズ 専門委員、日本粉体工業技術協会 理事、ホソカワ粉体工学振興財団 評議員、粉体工学情報センター 理事、宮城県グリーン購入委員会 委員長(2006-2021年)、仙台市地域連携 アドバイザー、東経連ビジネスセンター技術評価チーム・フェローなど

 オリジナル研究論文(総数289編)、解説資料(総数183編)、著書(32冊)などは下記 URL を参照願います。
  https://researchmap.jp/read0168642 齋藤 文良(Fumio Saito) マイポータル

 著書の中で本セミナーに関連するものは以下のとおり。
 「粉体・分級と表面改質」(編集委員長)、NGT、平成13年4月発行
 「先端粉砕技術と応用」(監修)、NGT、平成17年9月発行
 「Morphology Control」(Ed. Y.Waseda, A.Muramatsu) Springer, 2005
 Handbook of Powder Technology, Vol.12 ”Particle Breakage” (Ed. A.D.Salman, M.Ghadiri, M.J.Hounslow), Elsevier, 2007, Chap.11
 「粉砕の実務」、情報機構、2017年3月27日発行
 「粉砕によるメカノケミカル効果の原理と実務」、情報機構、2020年9月15日発行

セミナーの趣旨

 固体の粉砕を経験されておられる技術者・研究者が抱える課題の一つは、乾式並びに湿式粉砕操作の過程での様々なトラブルである。それは固体の粉砕を継続することによる微粒子凝集(逆粉砕)、特性変化、周囲物質との相互作用などが要因であり、それによって固体の粉砕工程後の産物の液相中への分散・溶解工程での不具合や、成形工程を経た焼成工程での不良品生成、ひび割れなどの問題が生じる場合がある。これらの原因は、往々にして粉砕工程で発現するメカノケミカル効果に起因する場合が少なくない。
 本セミナーでは、固体の粉砕によるメカノケミカル効果の基礎研究事例を紹介し、そこから上記した現象に対する理解ばかりでなく、課題の解決に繋がるヒント・糸口を解説するようにする。

セミナー対象者

 粉砕とメカノケミストリーに関する技術開発の現場で奮闘されておられる若手研究者・技術者、技術セールス担当者などである。より具体的には、以下のような方にはぜひ受講をお勧めします。
 ・ 粉砕に取り組んでまだ間もない技術者・研究者
 ・ 粉砕操作で様々な微粒子凝集などの解決を求めておられる方
 ・ 新しい粉砕法、メカノケミストリーを利用した材料開発を目指す方
 ・ 物質に含有する有価物などをマイルドな条件で分離・回収を目指す方
 ・ 物質・資源を粉砕と化学的あるいは物理的処理を組み合わせたプロセスでと考えておられる方など

セミナーで得られる知識

 固体の粉砕では、巨視的には粒子径の減少が目的であるが、特に微粒子を得る粉砕工程では付着凝集や周囲の物質との相互作用(物理化学的変化)が起こる。この変化はメカノケミカル効果と称される。
 本セミナーでは、このメカノケミカル効果がどのような機構で発現するのか?を理解し、その制御法についての理解が得られる。また、様々な固体に対しての粉砕力の作用で発現するメカノケミカル効果を利用した合成や特性変化の事例を知ることにより、粉砕処理が物質処理・有価物回収としてのポテンシャルを持っていることに気付く。固体の粉砕→溶解加熱処理過程では、様々な物質の原子・分子レベルの評価法の必要性と有効性にも気付き、そこから新たな粉砕処理に繋がるアイディアが生まれる可能性が高いし、各自が抱える粉砕過程での種々の課題の解決のためのヒントやポイントも得られる。

プログラム

                 ※ 適宜休憩が入ります。

1. はじめに
 1.1 粉砕過程で起こるマクロとミクロな変化
 1.2 メカノケミカル効果の発現機構と評価
 1.3 粉砕による各種固体の結晶構造変化
  
2. カルシウム系物質のメカノケミカル合成
 2.1 カルシウム・アルミネート(C3A)の室温合成
 2.2 カルシウム・スルホ・アルミネート(CSA)水和物の合成
 2.3 石炭灰からの水硬性粉体の製造
 2.4 二水石膏からのプラスターの製造
  
3. 機能性酸化物・水和物のメカノケミカル合成
 3.1 ペロブスカイト型酸化物の合成
 3.2 機能性フッ化物の合成
 3.3 3価と6価のクロム酸化物の粉砕による磁性体(CrO2)の合成
 3.4 酸化物粒子表面への非金属元素ドーピングと可視光応答型光触媒の製造
 3.5 ケイ酸カルシウム水和物(軽量耐熱材料)の合成
  
4. ハロゲン含有樹脂のメカノケミカル分解
 4.1 ポリ塩化ビニル(PVC)の脱塩素による分解
 4.2 ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の脱フッ素による分解
 4.3 ポリフッ化ビニリデン(PVDF)の脱フッ素による分解
 4.4 ヘキサブロムベンゼン(HBB)の脱臭素による分解
  
5. 天然資源のメカノケミカル処理と有価物回収
 5.1 タルクや蛇紋岩からのMgの選択的回収
 5.2 カオリナイトからのゼオライト合成
 5.3 硫酸塩鉱石からの水酸化物と炭酸塩の生成
 5.4 シーライトからの可溶性タングステン塩の生成
  
6. 廃棄物・未利用資源のメカノケミカル処理と有価物回収
 6.1 三波長型廃蛍光管からのレアアース回収
 6.2 ITOスクラップからのIn,Snの回収
 6.3 廃二次電池(LIB)正極材からの有価物回収
 6.4 重油燃焼煤(EP dust)からのバナジウム回収
  
7. 粉砕+加熱処理によるバイオマスや樹脂からの水素製造
 7.1 バイオマス(セルロース)からの高純度水素の製造
 7.2 廃プラスチック、稲藁、廃紙、下水汚泥などからの水素の製造
  
8. 課題の解決策
 本セミナー内容を通じて、様々なトラブルがあった。例えば、
  ・大量処理はどうするのか?
  ・非晶質化では、良好な結晶質物質をどうすれば得られるかか?
  ・メカノケミカル効果(機械的活性化)の制御法は?
  ・湿式粉砕でのメカノケミカル効果は可能か?
  ・メカノケミカル効果を迅速に達成するにはどうすればよいか?
  ・メカノケミカル効果を支配する因子は何か?
  ・メカノケミカル効果に影響する助剤は?
  ・メカノケミカル効果とコンタミネーション(摩耗)の関係?
  
9. むすび
  
10. 質疑応答

  時間の許す範囲でセミナー参加者からのご質問に対応させていただきます。
  

  
  

関連図書

        材料・合成技術

関連セミナー/ウェビナー

        材 料