化学品の市場調査、研究開発の支援、マーケット情報の出版

※ オンライン会議アプリzoomを使ったWEBセミナーです。ご自宅や職場のノートPCで受講できます。

R&D支援センターウェビナー

       開催日時:2022年9月29日(木)13:00~17:00
       開催場所:【WEB限定セミナー】※ 会社やご自宅でご受講ください。
       参 加 費:49,500円(税込)

定 員

 30名

備 考

資料付き【PDF配布】

【Zoomを使ったWEB配信セミナー受講の手順】
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講 師

 同志社大学 先端複合材料研究センター 嘱託研究員  藤井 透 氏

趣 旨

 地球温暖化効果ガスの一つであるCO2の世界的削減が喫緊の課題なっている。わが国でも、政府の地球温暖化対策推進本部の会合で2013年度に比べて46%削減することを目指すと表明された。2050年までのカーボンニュートラル実現に向けた動きが世界的に加速している。その主体は化石エネルギー使用の削減にあるが、複合材料分野でも、再生産可能天然資源・バイオマスの活用が真剣に議論されるようになってきた。
 FRP(繊維強化<熱硬化性>プラスチックス)およびFRTP(熱可塑性樹脂母材のFRP)に代表される高分子系複合材料の強化材についても、再生産可能な天然繊維に注目が集まっている。不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を母材とするFRPについて、ガラス繊維、時には炭素繊維代替として再生産可能な天然資源を使う試み/研究が進められている。これらの研究では、専ら植物繊維が使われている。FRPやFRTPの強化材として(主として研究分野で)用いられている繊維は、靭皮繊維と葉脈繊維であるフラックス、ジュート、サイザル麻などである。フラックスやケナフ、サイザルは自動車用のマットおよびPP(ポリプロピレン)バインダー繊維と組み合わせて、内装材:例えば天井やリヤパーティションなどのスタンパブルシートとして実用されている。
 天然繊維をガラス繊維代替の強化材として使うことに関して、多くの研究例がある。また、専ら天然繊維の特性について網羅的に示した本、報告書等も出版されている。本セミナーでは、高分子系複合材料の強化繊維として利用可能な天然(植物)繊維について、どのように繊維を取り出すか? 強度は? など、その基本特性を示すとともに、高分子系複合材料の強化繊維としての実用性と問題点について説明する。例えば、表面処理は必要か?などである。
 今後の世界的需要を高まりを考えたとき、既存の植物繊維だけでは世界の需要を満たすことができないと予想される。そこで、麻系繊維に代え、豊富、且つ安価に取り出せる可能性のある新しい繊維素材:竹および葦についても重点的に説明するとともに、PLAとの複合で、どのようにすれば実用可能は生分解性繊維強化PLAが実現可能かについて解説する。

プログラム

1.カーボンフリー時代の天然植物繊維
  1-1 再生産可能天然資源
  1-2 竹(繊維)を例に、CO2吸収能を考える
  
2.天然植物繊維の種類と特性
  2-1 複合材料の強化材として必要な要素
  2-2 複合材料の強化材として使える植物繊維
  
3.利用可能な植物繊維の種類と特性、取り出し
  3-1 ケナフ
  3-2 フラックス
  3-3 ジュート
  3-4 サイザル
  3-5 バナナ
  3-6 パイナップル
  
4.天然植物繊維を使った複合材料の実際
  4-1 熱硬化性樹脂を母材とするFRP(積層板)
  4-2 熱可塑性樹脂を母材とする不織布
  4-3 天然繊維を強化材とするPPペレットと射出成形
  4-4 フィラーとしての天然足物繊維(抽出残渣の活用)
  4-5 表面処理
  
5.竹繊維の可能性
  5-1 竹繊維の抽出法
   ・爆砕法
   ・アルカリ処理
   ・バイオレッチング
  5-2 竹繊維の特性
  5-3 種々の竹繊維複合材料
  
6.セルロースナノファイバー(CNF)とその活用
  6-1 CNFとは
  6-2 その活用
  
7.バイオプラスチックスを母材とするバイオコンポジット
  7-1 バイオプラスチックス
  7-2 現状と今後の可能性
  7-3 問題点
  
8.PLA/部分フィブリル化竹繊維複合材料