S&T出版ウェビナー
開催日時:2022年3月23日(水)9:30~16:30
受 講 料:55,000円(税込) ※ 資料付
会 場:【WEB限定セミナー】※在宅、会社にいながらセミナーを受けられます。
備 考
<Webセミナーのご説明>
本セミナーはZoomウェビナーを使用したWebセミナーです。
※ ZoomをインストールすることなくWebブラウザ(Google Chrome推奨)での参加も可能です。
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<禁止事項>
セミナー当日にZoomで共有・公開される資料、講演内容の静止画、動画、音声のコピー・複製・記録媒体への保存を禁止いたします。
セミナーの趣旨
EV化により、新たな騒音が顕在化してきています。本セミナーでは、EV化による騒音の基礎解説、モータからの騒音や電動ポンプ、パワーステアリングなど動作音の課題と静音化、ロードノイズ等を効果的に遮音、快音化する技術として音響メタマテリアルとアクティブノイズコントロール等を取り上げ、解説いたします。
プログラム
第1部 9:30-11:00 EV化により顕在化してきた騒音と静音技術 |
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講 師 | 松村 修二 氏 群馬大学 大学院理工学府知能機械創製部門 非常勤講師 兼 研究員 |
講師経歴 | 略歴 1975年 富士重工業㈱ 入社。振動騒音研究実験に従事。その後スバル技術研究所にてCAEの開発を行う。2006年 富士重工業(株)を退職。群馬大学客員教授就任。群馬大学では自動車工学、振動騒音解析等の講義を担当。流体解析や振動騒音解析の共同研究。群馬大学次世代EV研究会を設立し、幹事に就任。2020年 客員教授を退任し非常勤講師就任。 学協会活動 |
趣 旨 | EVはガソリン車に比べて静粛性が優れていると言われているが、ガソリン車ではマスキングされていた騒音が、EVでは目立つようになってきた。ガソリン車の騒音要因は第一位エンジン音、第二位ロードノイズであるが、EVでは第一位ロードノイズ、第二位が低級ノイズ(ガタやキシミなど)となる。第三位はEV特有のモータ音等である。また年々厳しくなる車外音規制はEV化で有利になると思われていたが車外騒音の要因の一つにタイヤ騒音が有り、Phase3ではタイヤ騒音だけでも規制値をクリアできない見通しである。(車外騒音規制はPhase1~Phase3まで段階的に実施されPhase3は2024年からとなっている。)本講演ではこのような状況を説明し、これらに関した対策事例を紹介する。 |
プログラム |
1. 自動車の主な振動騒音現象
2. ハイブリッド車や電気自動車の振動騒音 3. エンジン車(ガソリン車)とEVの車内騒音比較 4. EV特有の振動騒音 5. 車外音規制強化の動き 5.1 Phase1~Phase3までの段階的実施 5.2 新加速騒音試験概要 5.3 タイヤ単体騒音とタイヤノイズメカニズム 6. ロードノイズ対策事例 6.1 ホイール振動特性 6.2 取付け部剛性Upによる改善例 6.3 車体パネルの積層制振防音構造 7. 間違い易い音響知識 7.1 音圧分布と粒子速度分布 7.2 遮音の注意点=コインシデンス効果 8. 間違い易い振動知識 8.1 波長と制振効果 8.2 質量付加と制振効果 8.3 パネル剛性アップと制振効果 |
第2部 11:10-12:10 自動車用モータ駆動システムにおける振動・騒音と低減技術 |
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講 師 | 原 崇文 氏 ㈱日立製作所 研究開発グループ 電動化イノベーションセンタ モビリティドライブ研究部 電動M4ユニット 研究員 博士(工学) |
講師経歴 | (1)来歴 2012年3月 東京大学工学系研究科電気系工学専攻修士課程修了 2012年4月 (株)日立製作所・日立研究所入社 2020年11月 博士(工学)を取得 主として,自動車用モータ(駆動用・補機)のモータ制御,制御による振動・騒音低減に関する研究開発に従事。 (2)受賞歴 1. 電気学会優秀論文発表賞A賞(2014年,2021年) 2. 電気学会学術振興賞(論文賞)(2020年) 3. EVTeC 2021 Young Investigator Awards(2021年) (3)所属学会 電気学会,IEEE |
趣 旨 | カーボンニュートラルに向けて各国でCO2排出量の削減が求められており,自動車分野では永久磁石同期モータを駆動源として採用した電動車(電気自動車やハイブリッド自動車など)の普及が加速している。永久磁石同期モータは小型・高出力・高効率という特長を備える一方で,モータの電磁力に起因した振動・騒音が増大する課題がある。本セミナーでは,永久磁石同期モータを使用したモータ駆動システムによって発生する振動・騒音の発生メカニズムを紹介し,その低減手法をモータ・制御・機構に分けて紹介する。本セミナーの受講によって,電気系・機械系を含むシステム視点での振動・騒音低減手法を学ぶことを目標としている。 |
プログラム | 1. 自動車の電動化に伴う振動・騒音の課題 2. 一般的なモータにおける振動・騒音の発生メカニズム 3. 電磁力による振動・騒音とその種類 4. 電磁力による振動・騒音のその低減手法(モータ・制御・機構) |
第3部 13:10-14:10 電動ポンプ、パワステ等からの騒音と低減技術 |
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講 師 | 鈴木 一成 氏 KYB㈱ 技術本部 基盤技術研究所 要素技術研究室 |
講師略歴 | KYB㈱において振動騒音関連業務ならびに油圧機器の研究開発に従事 |
趣 旨 | 地球環境に対する社会要求が高まる中、自動車はEV化などによって、これまで顕在化してこなかった騒音にまでスポットが当たるようになり、部品メーカへの低騒音化要求はより厳しいものになっている。本講ではこの低騒音化要求に対するKYBの取組みについて低騒音化技術及び事例を交えて紹介する。 |
プログラム |
1. はじめに
自己紹介,この講座の概要と目的 2. 低騒音化技術 2.1 予防的アプローチと対策的アプローチ 2.2 騒音発生のメカニズム 2.3 KYBにおける騒音対策の流れ 3. 低騒音化事例(予防的アプローチ) 3.1 ポンプ内部圧力適正化による騒音低減 3.2 油路適正化によるキャビテーション音の抑制 4. 低騒音化事例(対策的アプローチ) 4.1 電動油圧ポンプモータの騒音低減 4.2 電動パワーステアリングの異音低減 5. 終わりに 今後の展望 |
第4部 14:20-15:20 音響メタマテリアルによる遮音性能向上技術 |
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講 師 | 山本 崇史 氏 工学院大学 工学部 機械工学科 教授,広島大学 デジタルものづくり教育研究センター 特任教授 |
趣 旨 | 近年、自然界に存在する均質一様な物質では実現できない音響的な性質を持つ音響メタマテリアルが注目されている。本講演では、音響メタマテリアルの基礎、これまでの先行研究事例の紹介、および当研究室で検討してきた音響透過損失を向上可能な音響メタマテリアルについて概説する。 |
プログラム | 1. 音響メタマテリアルの基礎 2. 研究事例および動向 3. 遮音性能向上を目的とした一重壁音響メタマテリアル 3.1 レゾネータを用いたユニットセル構造 3.2 理論モデルおよび数値解析モデル 3.3 実験検証 4. 遮音性能向上を目的とした二重壁音響メタマテリアル 4.1 レゾネータの底面を薄膜化したユニットセル構造 4.2 理論モデルおよび数値解析モデル 4.3 実験検証 |
第5部 15:30-16:30 快音化のための音の制御技術 |
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講 師 | 石光 俊介 氏 広島市立大学 大学院情報科学研究科 教授 |
講師経歴 | パイオニアにてANC関連のシステムを開発後,大島商船高専在職中に文部科学省在外研究制度にてサウザンプトン大学音響振動研究所研究員として在籍.その後,兵庫県立大学工学部を経て現職.心理音響を活用した快音化の研究に従事. |
趣 旨 | 車内空間の快適性を高め、運転パフォーマンスをも向上させるサウンドデザインの取り組みを自動車メーカ様や部品メーカ様と共に行っている。今回はそのうちアクティブノイズコントロールなどの音の制御技術およびその感性面からの評価ついて解説すると共に、関連する最近の取り組みについて紹介する。紹介予定の取り組みは自動車加速音を対象とした以下である。(1)吸音材による感性制御、(2)適応制御を用いた個人の好みへの快音化 |
プログラム |
1. いい音とは何か
2. 音と運転パフォーマンス 3. 能動騒音制御と受動騒音制御 4. 適応制御の基礎 5. 音の評価方法 ・SD法 ・一対比較法 ・MUSHRA法 6. 音の生理学的評価 ・呼吸,心拍,脳波 7. 自動車加速音の評価 ・吸音材による感性制御 ・適応制御を用いた個人の好みへの快音化 8. まとめ |