化学品の市場調査、研究開発の支援、マーケット情報の出版

 
* 本セミナーは開催済みです。再開催のご要望があれば、お知らせください。

        再開催を希望   

CMCリサーチセミナー

       開催日時:2018年3月13日(火)10:30~16:10 
       会  場:ちよだプラットフォームスクウェア 5F 503会議室  → 会場へのアクセス 
            〒101-0054 東京都千代田区神田錦町3-21
       受 講 料:54,000円(税込) ※ 資料代、昼食代含
             * メルマガ登録者は 48,000円(税込)
             * アカデミック価格は 15,000円(税込)
            パンフレット
 
 ★ アカデミック価格:学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院の教員、学生に限ります。
 ★ 【メルマガ会員特典】2 名以上同時申込で申込者全員メルマガ会員登録をしていただいた場合、2人目以降はメルマガ価格の半額です。
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セミナーの趣旨

 EVや蓄電用途としてLIBが注目されているが、従来型は有機溶媒を電解質と用いており、液漏れや発火といった安全性に課題がある。安全性の確保が期待できる全固体電池が有望な候補の一つであり、固体電解質と電極材料の特性を良く知り、各材料の組み合わせに適した利用や設計を行うことが求められる。本セミナーでは、全固体リチウム電池の全貌を解説する。

セミナー対象者

 イオン導電材料、電極材料、粉体技術、プロセス開発などを行う研究者および、これらの観点を通じて全固体リチウム電池研究に携わる研究者

セミナーで得られる知識

 全固体リチウム二次電池のメリット、市場動向、素原料などの供給、LGPS系固体電解質材料

プログラム

講演 1.
LGPS系超イオン導電体の開発と全固体電池への応用
10:30~12:00
(質疑含)
講 演: 鈴木耕太 氏  東京工業大学 物質理工学院 助教
【経 歴】 2013年 東京工業大学大学院 総合理工学研究科 博士課程(後期)
2013年 博士(理学)(東京工業大学)取得
2013年4月より 現職
東京工業大学 物質理工学院 助教
【概 要】  ポストリチウムイオン電池の開発が求められる中、全固体型のリチウム電池の実現が期待されている。全固体リチウム電池は安全性、エネルギー密度に優れるデバイスとして位置付けられているが、その性能は固体電解質に強く依存する。本セミナーでは、固体電解質材料の分類や、開発状況について説明した上で、特に高いイオン導電率を示す、Li10GeP2S12 系電解質の開発状況および電池への適用例について紹介する。様々な電極を用いた全固体リチウム電池の性能や課題について、最新の動向を踏まえて紹介する。
【講演プログラム】 1 全固体電池とは
 1.1 蓄電池の現状(電池の基礎)
 1.2 全固体電池の動作原理と期待
 1.3 実用化の課題と固体電解質の重要性

2 固体電解質開発の基礎
 2.1 固体内のイオン導電
 2.2 固体電解質の要件
 2.3 固体電解質の特徴と課題
 2.4 固体電解質の合成、構造・特性評価の手

3 硫化物系固体電解質の開発現状
 3.1 有機電解液に匹敵する導電性を示す物質 — LGPS —
 3.2 結晶構造からみるLGPSの特徴
 3.3 固体電解質としての性能(導電性,安定性,コスト)
 3.4 特性向上への指針と最新の開発事例

4 硫化物系全固体電池の性能と特徴
 4.1 LGPS固体電解質を用いた全固体電池性能
 4.2 液系リチウムイオン電池との比較による特徴付け
 4.3 全固体電池の将来展望、実現への課題

 
講演 2.
全固体リチウムイオン電池の実用化へのステップ、特性・用途と安全性
 
13:00~14:30
(質疑含)
講 演: 菅原秀一 氏  泉化研 代表
【経 歴】  1972年 東北大学大学院 工学研究科 高分子化学専攻、~2000年 呉羽化学工業(現 ㈱クレハ)研究、企画、技術営業ほか、機能樹脂部・技術担当部長、1991年~ リチウムイオン電池PVDF バインダー 開発営業、1995年~ カーボン負極 開発営業、2000年~ 三井物産㈱無機化学本部プロジェクト・マネージャー/PM、2005~2009年 ENAX㈱米澤研究所 先端技術室PM、2005~2009年 NEDO 系統連係蓄電システム 研究PM
【概 要】  2017年11月のTOYOTA自動車によるEV電池の全固体化へのアナウンスなど、この分野の開発は急展開を見せている。リチウムイオン電池の全固体化で、安全性を含む全ての問題が即解決するとは、だれも考えてはいないであろう。しかしその背景には、1991年の創生以来、有機電解液電池が発火事故などを繰り返し、26年経った今でも何ら基本的な問題解決が見えないことへの、“怒り”があろう。第二講の演者はその“戦犯に属する”方であるが、ここで有機電解液系電池の技術、製造と安全性を“棚卸し”すると共に、新たな用途分野の筆頭である全固体リチウムイオン電池の、早期の実用化に向けての提言をさせていただきたい。
【講演プログラム】 1 現行(液系電解液)電池の基本特性と性能レベル

2 モバイル、EV、定置ほかの用途別特性と問題点

3 電解液、電解質とセパレータの問題点

4 安全性 (1) 過充電、過放電と内部短絡

5 安全性 (2) 法的規制と試験規格

6 ポリマーゲル電解質と全固体電解質、イオン伝導性レベル

7 全固体リチウムイオン電池の可能性 (1) セルの構成

8 全固体リチウムイオン電池の可能性 (2) 実用セルの設計と製造

9 全固体リチウムイオン電池の可能性 (3) ニーズとシーズの展開

10 ポストリチウムイオン電池と高性能材

11 まとめ

 
講演 3.
酸化物系固体電解質LLTOの高性能化
 
14:40~16:10
(質疑含)
講 演: 堺 英樹 氏  
東邦チタニウム㈱ 技術開発本部 開発部 主席技師 博士(工学)
【経 歴】  1986年3月 電気通信大学物理工学専攻終了、1986年4月 日本鉱業(現JXTGホールディングス)入社。化合物半導体、セラミックス超伝導体等の開発に従事、1994年 電気通信大学にて学位取得、1996年 東邦チタニウムに出向(2010年転籍)。高純度酸化チタン、超微分ニッケル、チタン酸バリウム、リチウムイオン2次電池用材料の開発に従事。現在に至る。
【概 要】  次世代リチウムイオン電池と目されている全固体電池・Li空気二次電池に使用されるであろう固体電解質には、ガラス系・酸化物系・硫化物系など、いくつかの候補物質が開発のしのぎを削っている。本講演では、酸化物系の候補材料の一つであるLLTOの高性能化に関して、理解が深まるとともに、それ以外の材料の知識、市場動向、原料などの供給などに関する知識も得られる。
【講演プログラム】 1 会社紹介

2 車載用LLTO(全固体電池)の市場

3 東邦チタニウムのLIB材料開発の取り組み

4 LLTOの紹介
 4.1 ペロブスカイト型リチウムイオン伝導性酸化物
 4.2 リチウムイオン伝導のメカニズム
 4.3 製造プロセス
 4.4 リチウムイオン伝導度の評価
 4.5 機械的特性
 4.6 LLTOを用いた金属リチウム空気二次電池
 4.7 モーター駆動による空気電池のデモンストレーション

5 資源