化学品の市場調査、研究開発の支援、マーケット情報の出版

~ ナノデバイスから宇宙アプリまで幅広い用途で世界を変える基盤技術 ~

S&T出版ウェビナー

       開催日時:2022年6月15日(水)13:00~16:30
       受 講 料:45,100円(税込) ※ 資料付
       会  場:【WEB限定セミナー】※在宅、会社にいながらセミナーを受けられます。 

備 考

<Webセミナーのご説明>
本セミナーはZoomウェビナーを使用したWebセミナーです。
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お申込からセミナー参加までの流れは こちらをご確認下さい。
 
<禁止事項>
セミナー当日にZoomで共有・公開される資料、講演内容の静止画、動画、音声のコピー・複製・記録媒体への保存を禁止いたします。
 
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講師論文をご希望の方には、ご紹介いたします。

講 師

千葉 正毅 氏<チバ セイキ>

<講師略歴>
  
所属
千葉科学研究所 代表 Ph.D.

略歴
最終学歴:
1979年 英国ウエールズ大学 応用材料学部(カーディフカレッジ)修士課程をジャンプして博士課程修了
1980年 Ph.D 授与(理学博士)

職歴(概
1987-1990年 Massachusetts Institute Technology (MIT), Media Laboratory, Visiting Scientist(マサチューセッツ工科大学、メディアラボ、ビジティングサイエンティスト)

1990年 米国SRIインターナショナル(Stanford Research Institute:世界最大級の研究機関)に入社。以後、ソフトアクチュエータ(誘電エラストマを含む)を始め、各種の研究・開発を担当・推進。

2000年より 先端研究開発プロジェクト担当 本部長(Executive Director)

2011年 1月末 SRI退社

2012年 1月 千葉科学研究所 代表
現在に至る

主な著書:
・シミュレーション発想(コンピュータが生んだ疑似空間の可能性)ダイヤモンド社
・マイクロマシン技術と応用(分担執筆)シーエムシー出版
・エコ・エネ都市システム(分担執筆)省エネルギーセンター
・導電性材料大全集上・下(分担執筆)技術情報協会
・海洋再生エネルギーの市場展望と開発動向(分担執筆)サイエンス・テクノロジー社
・Recent Advances in Wireless Communications and Networks, In Tech 2011,Chapter 20
・Design for Innovative Value Towards a Sustainable Society Springer 2011   “Innovative Power Generation System for Harvesting Wave Energy”, p.1002-1007
・Soft Actuators ( Materials, Modeling, Applications, and Future Perspectives). Springer 2014, Chapter 13&32
・今後の超高齢化社会に求められる生活支援(医療・福祉・介護・リハビリ)ロボット技術、分担執筆、情報機構2015
・進化する誘電エラストマ人工筋肉、&Tech、2016-7
・ソフトアクチュエータの材料・校正・応用技術」、2章2節と5章2節、S&T出版2016-11
・実用化に向けたソフトアクチュエータの開発と応用・制御技術、基礎研究編・第1章、CMC出版、2017-3
・Recent Progress on Soft Transducers for Sensor Networks, Technologies and Eco-innovation Towards Sustainability I and II ? Manuscipts, Springer-Nature, to be appreared in later 2018.

その他多数の書籍・論文あり!

学術発表:
論文、雑誌、講演:各種学会の招待講演を含め多数は発表。
また多数の国際学会で、オーガナイザー及びキーノート・スピーチ等を務めている。

国際科学雑誌のエディター:
Editorial board members of AWMC, Industrial Engineering & Management, Industrial Engineering & Management, Steel Structures & Construction, and Journal of Material Science他多数。

賞:
2004年 SRIヒーロー賞
2005年 オルガテクノ大賞、特別賞
2006年 オルガテクノ大賞 新技術部門賞
2007年 The 5th International Symposium on Environmental Conscious Design And Inverse Technology (Eco Design 2007)にて、Best Paper Award 受賞
2010年 SRIゴールデンナゲット賞

  
和氣 美紀夫 氏<ワキ ミキオ>

<講師略歴>
  
所属
(有)Wits 代表取締役社長

略歴
栃木県出身。2代続いた建具職人の二男。子供のころからもの作りが好きで、完成された玩具を買った記憶が無い。”無いものは作る”を心情として、常に新しいことにチャレンジし続けている。

趣味は、フライフィッシュング。釣歴は約35年で、フライと呼ばれる擬餌(毛バリ)から竹竿、剥製まで自作する。

職歴(概略)
1984年 富士通株式会社に入社後、約20年間同社で移動体通信関連の製造や技術評価に携る。

2003年 ものづくりコーディネーターとして有限会社Witsを設立。同社で製造ラインの改善や新しい試験技術の委託開発をはじめる。

2006年 株式会社HYPERDRIVE設立とともに同社の取締役副社長兼技術本部長に就任。誘電エラストマー人工筋肉を利用した発電システムや音響システム等の研究・開発を行う。

2010年 同社を退職後、有限会社Witsにて、誘電エラストマー人工筋肉の素材を含む総合的な研究開発を続ける。

2012年 産業技術総合研究所 関西センターの客員研究員を1年間兼任。

専門:電気・通信技術全般、材料全般および加工技術,人工筋肉創製技術等

主な著書:千葉との共著が多い(千葉略歴を参照)。
学術発表:千葉と国内外の各種の学会等で、多数の共同発表をしている(千葉略歴を参照)。

賞:
2007年 The 5th International Symposium on Environmental Conscious Design
And Inverse Technology (Eco Design 2007)にて、千葉と共にBest Paper Award 受賞

セミナーの趣旨

 近年、誘電エラストマの各種性能が大いにプログレスした要因として、誘電エラストマの主材(ポリマーやゴム)の研究が進み、どの様な素材が、どの用途に向くか設計が可能になりました。また電極材料の選択、分散及び形成も大いに進みました。一例として、シングルウォールCNT(SWCNT)を用いたことに依り、誘電エラストマの電極の導電性が高まりました。即ち各種アプリケーションに対して、エラストマ素材と電極素材のベストマッチが分かりました。
 そのため、現在使用されているモーター等を含めた広義の意味でのアクチュエータの殆ど全てで置き換えが可能になりつつあります。昨年、僅か0.15gの誘電エラストマで、8kgの重りを、88msecのスピードで、1mm以上動かすことが出来ました。このことは、この誘電エラストマで、電気自動車を駆動することも可能になります。電気自動車の最大の欠点である車重を極端に軽くすることが可能で、車の走行距離を飛躍的に延ばし、かつ大型のトレーラー等にも、電動化することが出来ると思われます。
 この誘電エラストマは、ロボットや介護用機器等、用途は無限です。これらに加え、おむつの用のセンサを初め、各種センサ(エラストマなので、ひとつのセンサで、各種圧力変化に対して正確にセンシングできる)も明日にでも、商品化が出来る様になりました。もちろん、誘電エラストマ発電機の性能も飛躍的に伸びていますし、2次電池に充電もできます。現在、ナノデバイスから宇宙までに、幅広い分野での開発が行われています。
 上記のプログレスの要因として、誘電エラストマの主材(ポリマーやゴム)の研究が大いに進み、どの様な素材が、どの用途に向くか設計が可能になりました。また電極材料の選択、分散及び形成も大いに進みました。一例として、シングルウォールCNT(SWCNT)を用いたことに依り、誘電エラストマの電極の導電性が高まりました。
 このSWCNTをスプレー化することに依り、誘電エラストマの電極を容易に作成することが可能になりましたが、このスプレーは、用途が広がるミリ波帯での電波吸収効果が高く、益々普及が進む5G/6Gや、自動運転などで利用が進むミリ波レダーなどの誤作動防止に、大きな効果が期待されます。

プログラム

1. 人工筋肉型アクチュエータについて(エレクトロアクティブポリマーは、私たちの暮らしをどう変えるか?)
 1.1 エレクトロアクティブポリマー(EAP)概論
 1.2 電気を利用するエレクトロアクティブポリマー
 1.3 その他のアクチュータ(イオン、磁気、温度変化等)
 1.4 誘電エラストマの概要および上記のアクチュエータと比較
 1.5 誘電エラストマとは?
   ・誘電エラストマの原理
   ・多機能を有した誘電エラストマ
   ・誘電エラストマを開発するポイント
  
2. 誘電エラストマ用のポリマー(エラストマ)素材、電極素材、寿命等
 2.1 ポリマー素材の改良を含めた素材開発手法
 2.2 ポリマーの評価技術と解析結果から製品応用に結び付ける考察
 2.3 誘電エラストマの電極
   ・誘電エラストマに向くCNT(@SWCNTの毒性はないのが開発のポイン
    ト!)
   ・カーボングリース、カーボンブラック及びCNTの電極としての性能比較
    > 優れた柔軟性と高伝導性を有しかつ透明なCNT誘電エラストマの解説
   ・温度特性、もれ電流、寿命、効率、ヒステリシス等の解説
   ・カーボンブラックやCNTを電極に応用応用する技術 
 2.4 電極の透明化
   ・透明誘電エラストマの産業革命
  
3. 誘電エラストマの設計・製作手法
 3.1 色々な形に成型可能な手法の解説
    > 新しい観点でのデバイスの設計が可能
 3.2 誘電エラストマの製作法
   ・カーボンブラックやCNTを電極に応用応用する技術 
    > 各種素材への最新CNTスプレー塗布実演をビデオで紹介
     (簡単に最強電極の製作が可能)
  
4. 誘電エラストマの性能、機能
 4.1 誘電エラストマの特徴
 4.2 他のアクチュータとの比較
 4.3 駆動時の電流電圧特性
 4.4 ダイアフラム型誘電エラストマのサイズ
 4.5 誘電エラストマの開発状況
  
5. 誘電エラストマの各種アプリケーション応用
 5.1 海外の動き
 5.2 人工筋肉の基礎であるアクチュエータの各種応用例/実用例
   ・ポンプ、バイブレータ、モーター、スイッチ、ナノデバイス等
    への応用
   ・スマートマテリアルなどへの応用(マイクロ工場への応用など)
   ・指向性を有したスピーカ、ソナー、ノイズリダクション・システムなど
    への応用
   ・上記技術を応用した各種医療用デバイス(使い捨て内視鏡、使い捨てカテ
    ーテル、義手・義足を含む)の開発状況
   ・モーションフィードバック用誘電エラストマの開発
   ・高出力アクチュエータへの挑戦:
    @各種ロボット、リハビリ等を含む各種介護機器、パワースーツの開発
     状況
   ・地震から建物を守る誘電エラストマや宇宙へのアプリケーション
    @JAXAの風洞利用した火星探査艇の誘電エラストマによる制御の共同実
     験の最新情報紹介
 5.3 誘電エラストマのセンサへの応用や市場 
   ・原理・特徴及び求められる素材・特性と構造
   ・医療(痴呆症用センサ、血管内センサ、超小型血圧測定等)、スポー
    ツ、ロボット、車用及びタイヤ用センサ等への応用
   ・誘電エラストマ技術を応用した水分センサの性能紹介(おむつ、車の座
    席、熱中症対策等)
 5.4 自動車・EVへの応用
    @電気自動車の駆動用モーター等の開発状況
    >車への応用(特に電気自動車用):
     各種用途の詳しい解説および重さに対する出力、効率や発売時期等の
     解説:
     ※8kgを持上げる最新のDEAのデモビデオ公開
 5.5 誘電エラストマ・アクチュエータの無線通信への応用
   ・5Gの特徴と誘電エラストマ技術の応用
    @周波数可変アンテナ及びフィルターへの応用
    @ビームフォーミングへの応用
    @小型・軽量で、高速駆動が可能な誘電エラストマ・アクチュエータの
     高機能カメラへの応用
    @遠隔制御やVR・ARへの誘電エラストマの応用
   ・長距離通信と省電力化が進むLPWAを用いたIoTシステムと誘電エラ
    ストマ発電
    @誘電エラストマ発電と相性が良いLPWAの特徴
    @一次産業への応用が進む、LPWAの導入事例
 5.6 高効率人工筋肉発電システムへの応用 
 5.6.1 発電システムの動作原理と今後
 5.6.2 誘電エラストマ発電システムとその応用例
   ・小型発電システムとワイヤレスシステムなどへの応用
    (医療機器への応用も含む)
   ・ウエアラブル発電システム
    (医療機器への応用も含む)
   ・車載用発電機(特に電気自動車用)
    @車は誘電エラストマ発電の利用の宝庫!
 5.6.3 リニュアブルエネルギーを用いた発電
   ・波発、海流及び風力電システムと水産業などへの応用
    @海洋風力発電や回転翼を持たない新しい風力発電への挑戦
   ・JAXA、JAMSTECとの風力発電のシミュレーション共同実験の最新情報
    紹介
   ・マイクロ水力発電システムと一次産業への応用(地産地消の勧め)
   ・廃熱、排水や太陽熱を利用した発電システムへの応用
   ・誘電エラストマ発電システムの今後の改善点及び将来
   ・洋上発電システムと水素化して、オンサイトに輸送
  
6. 誘電エラストマの今後の展開
  ・誘電エラストマの今後の展開及び纏め
  ・誘電エラストマを今後自社で研究・開発をしたい企業・研究機関への支援