化学品の市場調査、研究開発の支援、マーケット情報の出版

~ 静的条件から動的条件への座りのアプローチ ~
★ 誰も教えてくれない「座りの科学」を基礎からじっくり学べます! 自動車用シート、椅子開発に関わる方はぜひご参加下さい!

 
※ 本セミナーはZoomを使ったLIVE配信セミナーです。会場での参加はできません。

R&D支援センターウェビナー

       開催日時:2022年2月15日(火)12:30~16:30
       開催場所:【WEB限定セミナー】※ 会社やご自宅でご受講ください。
       参 加 費:49,500円(税込)

定 員

 30名

備 考

・本セミナーは「Zoom」を使ったWEB配信セミナーです。

・セミナー資料は事前にPDFでお送りします。セミナー資料の無断転載、二次利用や講義の録音、録画などの行為を固く禁じます。

【Zoomを使ったWEB配信セミナー受講の手順】
1)Zoomを使用されたことがない方は、 こちら からミーティング用Zoomクライアントをダウンロードしてください。ダウンロードできない方はブラウザ版でも受講可能です。
2)セミナー前日までに必ず動作確認をお願いします。Zoom WEBセミナーのはじめかたについては こちら をご覧ください。
3)開催日直前にWEBセミナーへの招待メールをお送りいたします。当日のセミナー開始10分前までに招待メールに記載されている視聴用URLよりWEB配信セミナーにご参加ください。

講 師

 上野研究室 主宰 博士(工学)  上野 義雪 氏

<ご専門>
 ・建築計画、室内計画(インテリアデザイン) 人間工学(いす・シート・腰掛・寝具 トイレ 浴室洗面 キッチン設備など)
 ・工業デザイン(筆記具 VDT LED照明 履物など)の人間工学
 ・人体・動作寸法の計測
 ・実験手法
 ・看護の人間工学
 ・ユニバーサルデザイン
 ・その他

<学協会>
 ・学会:日本インテリア学会副会長 日本オフィス学会理事 日本建築学会終身正会員 日本トイレ協会運営委員
 (元学会会員:日本人間工学会 日本看護学会 日本デザイン学会 日本福祉工学会 福祉のまちづくり学会 インテリアプランナー協会 モアレ研究会 ほか) 
 ・資格:インテリアプランナー 日本人間工学会認定シニア人間工学専門家 キッチンスペシャリスト
 ・委員会:国鉄委託旅客サービス設備近代化の研究委員会委員、昭和48~52年度・昭和57~59年度 (社)日本鉄道車輌工業会 文部省学校家具委員会 オフィス家具JIS委員会 ほか
 ・受託研究:自動車用シートにおける疲労計測のアプローチ、1993年度(社)日本自動車部品工業会 ほか
 ・共同研究:オフィス用いす 学校用いす 安楽いす 車いす 座いす 自動車用シート トラック用シート バス用シート 重機用シート 鉄道用腰掛(新幹線 在来線) 航空機用シート シート補助具 ほか

<ご略歴>
 1988年 千葉大学工学部文部教官助手 退官
 1988年 千葉工業大学工学部工業デザイン学科講師 任用
 1988年 千葉大学工学部非常勤講師(~1992年 建築学科)
 1993年 千葉県立鶴舞看護専門学校非常勤講師(~現在に至る 旧千葉県立鶴舞病院付属高等看護学院)
 1997年 千葉県立保健医療大学非常勤講師(~現在に至る 旧千葉県立医療技術大学校)
 2013年 東洋大学ライフデザイン学部非常勤講師(~2015年 ライフデザイン学科)
 2016年 千葉工業大学工学部デザイン科学科教授 定年退職
 2016年 千葉工業大学工学部非常勤講師(~2017年 デザイン科学科)

受講対象・レベル

・座りに関わる企画・開発・設計ご担当の方
・座りに関わる販売・営業ご担当の方
・座りに関心をお持ちの方 

習得できる知識

・生活における座りの意味と人間工学応用の真意
・いす・シートの役割と機能条件
・いすとベッドの共通点とその意味
・座具における座りの常識と非常識
  

趣 旨

 若者の自動車離れ、高齢ドライバーによる交通事故、AI(人工知能)自動車、地球温暖化など人間にとって便利であった自動車が正と負の部分を表出する時代になった。
 時代が変わっても、自動車の運転姿勢や乗車姿勢は、座姿勢以外には考えられない。即ち床に足が着き、臀部・下腿部・背面・後頭部がシートに接した座姿勢である。即ち、シートは人体の各部位をうまく支持する役割を備えていなければならない。
 近年、量産されるいす・シート設計の多くはCADによるものであり、残念ながら手書きによる原寸図の姿を消してしまった。いす・シートは建築・室内・人間工学の分野では「人体系家具」として扱われ、この原寸図により寸法や角度が検討されてきた。この原寸図における1㎜の寸法、1°の角度が座り姿勢や座り心地に大きな影響を与えることは原寸図をひいてみないと分かりにくい。現在では、CADによる製図に変わってしまったため、この1㎜、1°の意味は実感として伝わってこない。
 その結果、設計段階から人体といす・シートとの関係が希薄になり、完成品が身体に合わない、違和感があるなど座り心地のよさから遠ざかる座具の生産に繋がってしまうのは避けられないと考えてしまう。
 知人のいすデザイナーI氏は、人間工学をマスターしたデザイナーで未だに手書きによるいす設計を行っている。(1)人間工学の学術的習得、(2)原寸図によるいす製作へとアナログ的なアプローチが完成度の高いいすづくりに至っているものと考えられる。その結果、彼の作品には常に合格点がつき、いす・シートに関わる人達は、この意味を忘れてはならない。
 仮に量産シートであっても、彼の様にものづくり環境を構築していくならば、合格点に近いシートづくりが可能となる筈である。これは、50年弱に及ぶ「座・姿勢研究」の経験から明言できる。
 日本のいす生活の歴史は極めて短い。座り方も選び方も、そして造り方も誰も教えてくれない。それ故に日本におけるいす・シートづくりは、視覚的に評価されても心地よさを備えた座具が多く誕生しないのは当然のことと言わざるを得ない。
 いま思うに文科省が子供たちに座ることの意味と座り方を教えていたならば、視力の低下防止、猫背姿勢の回避などが健康面において多くが期待でき、日常生活ではいすの選び方や座り方を正しく理解できていたであろうと残念でならない。
 そこで、欧米に劣らないいす・シートの製作を目標に「いすづくり」や「いす使い」に不可欠となる基礎的知識をお伝えすることができるならば、と考えて本セミナーを引き受けることにした。
 AI自動運転に多くの関心と期待がもたれる時代になった一方で、日常生活での着座姿勢は、人間の寿命を短くするという研究結果が発表され、このことが家具メーカーに大きく影響し、座り姿勢が悪もの扱いされている一面がみられる。
 人体の骨格構造を姿勢と重力の観点からみると、座姿勢は人体に無理を強いる姿勢であることは明白である。このことを生活者やメーカー、マスコミなどに繰り返し伝えてきたが、残念ながらいす・シートづくりの現場にその声が届かないのは実に残念なことである。
 いす・シートの研究に関わり50年近くになる。大学教員退職後の終活の中で手元にある資料を整理しているが、シートセミナーの講師を1989年から6社において合計24回お引き受けしてきたことが分かった。多い時は1社のセミナーを年間2回開催されたこともある。これらのセミナーにご参加をいただいた方々の中にはシートデザインやシート研究の第一人者として活躍される方が誕生し、講師としての冥利に尽きる。
 本セミナーでは、これまでの経験をもとに「シートづくりの基礎」としての知識をお伝えすることで、座り心地向上のシートづくりやAI自動車運転の実用化に伴う新たなシートづくりの一助となることを願っている。
 コロナ禍の中で、移動手段が公共交通機関から自動車へ移行するなど、自動車の優位性が評価されている実情を鑑み、更なるシートの機能性向上に向けて役立つならば幸いである。
 

プログラム

1.デザインとは?
  
2.「座姿勢」は悪という背景にあるもの
  
3.いす・シートづくりの現状を教育の側から観る
  
4.「知らないで」いす・シートづくり
  
5.シートづくりに「人間工学」の活用が
  
6.「座姿勢」の身体負担
  
7.いすづくりとベッドづくりは変わらない
  
8.いすの支持面のプロトタイプ
  
9.人体支持具としてのベッド
  
10. 事務用いす、車いす、座椅子
  
11.いすの座り方 選び方
  
12.「体圧分布図」による座り心地評価の限界
  
13.「寝具の三層構造」はクッション材料構成の原理原則
  
14.自動車用シート 運転姿勢に影響するシートの条件

 14-1.好ましいシートの着座位置の調整
 14-2.初期における自動車用シートの調査・実験概要
    ・シートのクッション性の嗜好調査
    ・長時間運転におけるシートの評価調査
 14-3.調査・実験結果による提案
 14-4.参考文献
  
15.鉄道用腰掛
  
16.航空機用シート
  
17.シートづくりの原理原則と具備すべき条件
  
18.作る側にも使う側にも「座育」のすすめ
  
19.着衣とシート表皮材との相性
  
20.ドライバーズシューズとフロア材
  
21.骨盤サポートの効果と応用
  
22.AI自動車と「明日に向け、次世代に向けて」のシートづくり