化学品の市場調査、研究開発の支援、マーケット情報の出版

S&T出版ウェビナー

       開催日時:2022年2月24日(木)10:30~16:30
       受 講 料:51,000円(税込) ※ 資料付(印刷資料)
       会  場:【WEB限定セミナー】※在宅、会社にいながらセミナーを受けられます。 

備 考

<Webセミナーのご説明>
本セミナーはZoomウェビナーを使用したWebセミナーです。
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配付資料について
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講 師

永田 正義 氏  兵庫県立大学 大学院工学研究科 特任教授
 
<講師略歴>
・電気学会 フェロー
・電気学会A部門論文誌 編修長 (現在)
・電気学会技術調査専門委員会「インバータ駆動モータ絶縁評価法」 委員長 (当時)
・実用的インバータ駆動モータ絶縁評価法、平成30年度電気学会・優秀技術活動賞(技術報告賞)受賞
・関連テーマでの講演多数

セミナーの趣旨

 電力消費の50%以上がモータによるものであるため、世界的潮流である省エネ、脱炭素社会の構築のためにはその軽減が求められる。モータのインバータ駆動はそのキーテクノロジーである。電動化のコア・コンポーネントであるインバータ駆動モータは電気自動車(EV)だけでなく、電気製品、産業用機器・ロボット、建設機械、空調機器、鉄道車両、高速エレベータ、等々の幅広い市場で急速に生産が拡大している。また、次世代(ワイドバンドギャップ半導体)パワーモジュールの利用によりインバータの高速スイッチング化が可能となり、バッテリーを含め消費電力の高効率、省エネ化が期待できる。また、AIやIoT技術が今後のEV車載モータのコンピュータ制御に利用されようとしている。しかしながら、この電動化システムおける高電圧化、小型化、高パワー密度化が進む開発状況の中で最も危惧される技術課題は、インバータから繰り返し発生する立ち上がりの急峻なサージ電圧による微小な部分放電発生による絶縁破壊である。そのため、このインパルス部分放電の精度の高い計測・評価及び開発されている高機能性絶縁材料の適応による高電圧絶縁が電動化のための最大の技術課題となっている。
 電動モータ、回路基板やパワーモジュールなどの急速な劣化原因はサージ電圧による目に見えない微弱な部分放電であり、その発生メカニズムや計測の方法は従来のAC電圧の場合と比べて大きく異なり、十分に理解されていない。その理由は、ナノ秒時間スケールの部分放電現象の発生や帯電現象が様々な環境要因で複雑に変化するためである。ここでは、部分放電を十分理解し、「いかに絶縁破壊につながる部分放電を発生させないか!」の基本対策について、高い絶縁耐力と長寿命を保持するポリマー材料の最新開発状況を紹介しながら、基礎知識から応用まで詳しく解説する。

プログラム

1. 概要
 1.1 カーボンニュートラル、省エネに向けた電動化の最新技術動向
 1.2 インバータ駆動モータとパワーモジュールの絶縁評価技術
 1.3 EV用車載モータの小型・高電圧化技術の最新動向
 1.4 高耐熱性、高熱伝導性絶縁材料開発の最新動向
  
2. モータ/パワーモジュールの絶縁試験、部分放電と絶縁破壊の基礎知識
 2.1 絶縁破壊につながる部分放電とは何か?
 2.2 部分放電の発生が計測する度にばらつくのはなぜか?
 2.3 部分放電形態と発生メカニズム
 2.4 部分放電の持続から絶縁破壊への進展過程をいかに捉えるか!
 2.5 3相交流モータとプリント回路基板の部分放電の相違
 2.6 インパルス電圧波形による部分放電計測がなぜ必要か、交流試験との相違
 2.7 モータ内でのインバータサージの伝搬による不平等電界の形成が問題
 2.8 絶縁材料と絶縁破壊メカニズム
  
3. インパルス部分放電特性と絶縁劣化メカニズム
 3.1 各電圧波形による部分放電特性
 3.2 環境要因(温度、湿度、気圧)の影響
 3.3 空間電荷(帯電)の影響
 3.4 高周波化の影響
 3.5 部分放電開始電圧値(PDIV)の理論予測
 3.6 荷電粒子による材料の物理・化学的損耗劣化メカニズム
  
4. インパルス部分放電計測法のポイント
 4.1 微弱な部分放電の計測の難しさとは?
 4.2 インパルス電源と電圧波形
 4.3 インパルス電圧の繰り返し昇圧印加方法
 4.4 各種部分放電センサーと計測波形
 4.5 センサーノイズ、閾値と部分放電フリー判定条件
  
5. 実機インバータ駆動モータのインパルス絶縁試験の具体例
 5.1 インパルス試験電圧波形と各結線方法
 5.2 国際規格(IEC)試験方法と課題点
 5.3 各インパルス電圧波形に対するPDIV特性
 5.4 PDIV特性の環境要因依存性
 5.5 各コイルの分担電圧と部分放電発生箇所の推定
 5.6 新ダブルインパルス印加法による絶縁試験方法
 5.7 部分放電を発生させないための留意点
  
6. 高周波パワーモジュール絶縁性能試験の具体例
 6.1 パワーモジュールの絶縁弱点ポイントと対策方法
 6.2 プリント回路基板における部分放電と絶縁破壊
 6.3 絶縁ゲル・樹脂中の電気トリ―の発生と成長
 6.4 スイッチング周波数の高周波化の影響と高周波電圧印加試験方法
 6.5 プリント回路基板での部分放電計測と試験結果
  
7. 高温下での高電圧化、長寿命化に向けた高機能性絶縁材料の性能と応用、評価試験方法
 7.1 優れた耐絶縁特性のナノコンポジット(ナノフィラー充填)絶縁材料の開発
 7.2 高PDIV気泡入りモータ巻線の開発
 7.3 低誘電率化モータ巻線の開発
 7.4 EV用平角巻線の厚肉化と部分放電の温度特性の計測
 7.5 複層化絶縁フィルムの部分放電の温度特性の計測
  
8. まとめ
  

学べる事

・インバータ駆動モータとパワーモジュールの高電圧絶縁技術
・EV用モータの小型軽量化及び高電圧化(~800V)のための絶縁評価と対策技術
・パワーモジュール/電子回路基板の高周波化(~MHz帯)による絶縁対策技術
・高機能性ポリマー絶縁材料開発(ナノコンポジット化、低誘電率化、他)の最新動向
・周囲環境で変化するインパルス部分放電と絶縁劣化メカニズム
・絶縁破壊の前駆現象である微弱なインパルス部分放電計測方法
・国際規格のインパルス評価試験法、その問題点と対策
・新開発ダブルインパルス印加によるモータの相間、対地、ターン間の部分放電計測