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S&T出版ウェビナー

       開催日時:2022年1月28日(金)13:00~16:30
       受 講 料:45,100円(税込) ※ 資料付
       会  場:【WEB限定セミナー】※在宅、会社にいながらセミナーを受けられます。 

備 考

<Webセミナーのご説明>
本セミナーはZoomウェビナーを使用したWebセミナーです。
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講 師

柴田 善朗 氏
一般財団法人日本エネルギー経済研究所 電力・新エネルギーユニット
新エネルギーグループマネージャー 研究主幹

<講師略歴>
1992年:東京大学 工学部 航空学科卒業,1994年:東京大学大学院 工学系研究科 航空宇宙工学専攻 修士課程修了,1994年:㈱東芝 入社 エネルギー事業本部,1997年:フランス 国立パリ鉱業大学 修士課程修了,1999年:(株)住環境計画研究所 入所,2010年:日本エネルギー経済研究所 入所 計量分析ユニット,2013年: 同 新エネルギーグループ

【活 動】
“ CCU ・カーボンリサイクルに必要な低炭素化以外の視点 - CCUS という分類学により生じる誤解 -”,日本エネルギー経済研究所 2020年2月 “低・脱炭素社会に向けたメタネーションの意義”, エネルギー・資源 Vol.41 No.1(2020) ” 分散型コージェネのカーボンニュートラルメタン利用による再エネ出力変動緩和”,第36回エネルギーシステム・経済・環境コンファレンス, 2020年1月 “カーボンニュートラルメタンのポテンシャルと経済性 - PtGとCCUの活用 -” ,第 35回エネルギーシステム・経済・環境コンファレンス, 2019年1月 柴田,“時間軸を踏まえたPower to Gasのビジネスモデル- 調整力の提供, 複数用途への活用,再エネ主力電源化への貢献 -”, IEEJ, 2018年8月 “水素による再エネ活用「Power to Gas」”, 電気総合誌オーム, 2018年4月 “Power to Gas と水素製造”, 水素エネルギーシステム, Vol.43, No.1 (2018) “我が国におけるPower to Gasの可能性”, エネルギー経済, 第42巻, 第1号, 2016年3月 “国内再生可能エネルギーからの水素製造の経済性”, 第32回 エネルギーシステム・経済・環境コンファレンス, 2016年1月 “ポストFITを見据えた太陽光発電と蓄電池のあり方-太陽光発電+蓄電池システムの競合性に関する分析-”,“系統対策としてのデマンドレスポンスの可能性”, 風力エネルギー, Vol.38, 通巻.112 (2014) “調整力制約を踏まえた風力発電導入ポテンシャルの評価”, 風力エネルギー, Vol.37, 通巻.107(2013)

セミナーの趣旨

 世界で脱炭素化の流れが加速する中、水素が期待されている。短期的にはブルー水素(化石燃料+CCS)の活用が見込まれるが、長期的にはグリーン水素(再エネ由来)も求められる。グリーン水素は主にPower to Gasによって製造されるが、Power to Gasはまずは再エネの系統統合の文脈で捉える必要がある。水素の利用形態としては、水素の直接利用の他に、水素を合成燃料に変換して利用するオプションもある。合成燃料がCO2を必要とする場合、CCU(Carbon Capture and Utilization)やカーボンリサイクルとも関係する。カーボンニュートラル実現に向けて、Power to Gas、合成燃料、CCUに関する国内外の動向を紹介しつつ、これらの技術の可能性や課題を展望する。

プログラム

1.水素を巡る最近の動向
(1) 海外での取組状況
(2) 我が国の取組状況
  
2.グリーン水素とブルー水素
(1) 各々の可能性と課題
(2) カーボンフットプリントと経済性
(3) グリーン水素の重要性
  
3.Power to Gas成立に求められる条件
(1) Power to Gasの分類・整理・再考
(2) 再エネの系統統合とPower to Gas
(3) ビジネス化の障壁
(4) ビジネス化に向けた制度設計の役割
(5) Power to Gasが求められる背景:Energy System Integration
  
4.水素の用途
(1) 現在と将来のエネルギー需要構造
(2) 適材適所を見極めることが重要
(3) どのようにして水素を輸送するのか
(4) Beyond Electricity
  
5.合成燃料は成立するのか
(1) e-gas、e-fuelとは
(2) 国内外におけるe-gas、e-fuelに関する取組み
(3) 経済的成立条件
(4) なぜ合成燃料なのか:合成燃料製造が目的ではない
(5) 合成燃料の可能性と課題
(6) 合成燃料とCCU・カーボンリサイクルの関係性
  
6.CCUやカーボンリサイクル
(1) CCU・カーボンリサイクル技術の分類
(2) リサイクルの本当の意味:なんのためにカーボンをリサイクルするのか
(3) やってはいけないカーボンリサイクル技術の例
(4) CCUやカーボンリサイクルの成立条件
  
7.長期的展望
(1) 水素とは何か・なぜ必要なのか・本当に必要なのか
(2) 水素は何処で何から製造し、何処の何に使うべきなのか
(3) 絶対に忘れてはならない脱炭素化以外の視点
  

学べる事

 水素は必要であるが万能ではない。適材適所を見つけた水素の合理的な製造・輸送・貯蔵・利用を考える必要がある。現在のエネルギーインフラは化石燃料を基盤として構築されていることから、水素を利用し易くするために水素とCO2から合成燃料を製造するというアイデアも生まれる。しかしながら、そのアイデアから派生して、CO2を利用・循環しさえすればCO2排出削減につながるという誤解も生まれる。カーボンニュートラルに向けて、再エネ、水素、CO2利用・循環の適切な姿について理解することが重要となる。