■ 発 刊:2020年6月15日 ■ 定 価:書籍版 : 30,360円(税込) PDF版 : 30,360円(税込) 書籍+PDFセット版:45,540円(税込) ■ 体 裁:A5版 並製本 266頁(内、カラー184頁) ■ 出品者名:【共創企画】中條 博則 ■ 販 売:R&D支援センター |
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著 者
共創企画 代表 中條 博則 氏 【元・㈱東芝】
発刊にあたって
OnlineでEnergy供給可能なBEVに対し、Offlineで且つ危険が伴うFCEV、限定した範囲の業務用以外では完全に勝負はあったようです。
また、BEVイコール自動運転ではありませんが、Deep Learning Processor搭載、5G高速通信機能搭載、車内LANの高速・大容量化などを考慮すると、搭載Battery容量は多い方が有利です。さらに、ADAS、自動運転で搭載カメラ数が増加にともない、拡大し続ける映像情報処理の面でも有利です。自動運転技術は、通信・輸送・エネルギーのインターネットの高度な融合が必要であり、その構築はIoT全般の進展にも多大な恩恵を与えるものです。「眼の機能」であるカメラモジュールが果たす役割は、IoT全般に対しても非常に大きく、その普及に付随して、より一層のカメラモジュール市場規模拡大が期待されます。
IoTの一つの事例として、学習、訓練、旅行や現実的には不可能なことが疑似体験でき、人間の能力が短期間で効率的に向上できると期待されるVR機器が、2016年ころから続々と登場しました。VR(Virtual Reality) Game機「PlayStation® VR」やスマホ用VRアダプターなどです。同年は「VR元年」と言われ、VR/ AR(Augmented Reality:拡張現実、車載HUDもこの分類) / MR (Mixed Reality)などの仮想現実技術が、今後さまざまな業種への恩恵が期待されています。これらの機器でも、3D Gesture、3Dマップ作成用など、カメラモジュールの果たす役割は大きいため、今後の大幅な市場規模拡大が見込まれています。
一方、カメラモジュール市場を牽引してきたスマホは世界中に行き渡り、その市場規模は5年ほど前から飽和しつつあります。とはいえ、カメラモジュールには小型化、低背化はもちろん、高速オートフォーカス、光学ズーム、OIS(光学手ブレ補正システム)などの多機能化、さらにDual ~ PentaカメラによるComputational Photography技術・AI機能の搭載などにより、一眼レフを超える高品位・高画質化が実現され、「本格的カメラ」としての期待が大いに高まっています。そのため、イメージセンサメーカーは今後も市場拡大の恩恵を享受することができます。しかし、「モジュール数」はスマホの動向に強く影響を受けるため、技術力・スピード感が劣るカメラモジュールメーカーはふるい落とされることになり、寡占化が進むと見込まれます。また、高感度技術BSI、低背カメラ用素子分離型、NIR高感度、多機能積層構造などのイメージセンサ、Binning技術など、スマホ用に開発された高感度、高性能技術が短期間で車載用に移植されており、他の製品への影響力は日に日に高まっています。
このように、カメラモジュールはさまざまな製品で重要な役割を果たし、多くのセンサの中、その地位を不動のものにしつつあります。それは、眼の誕生が脳機能の発達を促したことにより、生物の多様化が一気に進んだ「カンブリア爆発」を彷彿とさせます。IoTとは「カメラモジュールという“眼の機能”」が「“脳の機能”であるAI」の高度化を促し、技術・製品の高度化、多様化が一気に進む「現在版カンブリア爆発」と言えるでしょう。それを確たるものにするためには、膨大な数量のカメラを、高品質、廉価、そして円滑に供給できる体制の確立が必須です。その要求を満たせるものの一つとして、WLO(Wafer Level Optics)を採用したカメラモジュールがあります。その中でも、組立技術に依存しないWLCM(Wafer Level Camera Module: リフローカメラモジュール)は、従来のカメラモジュールでは絶対不可能だった超小型品(0.5 x 0.5mm)が血管カテーテル用に開発され、高度医療の信頼性向上に貢献しています。この例のように、カメラモジュールがサイズの束縛から解放されることにより、いままで考えられなかった新たな、そして有益なApplicationが登場するでしょう。
本書では、大きく変わりつつあるカメラモジュールを取り巻く市場環境を、DSLRの置き換えを目指すスマホ用の多機能・高画質化、自動運転本格化に向かう車載用でのSensing技術の動向、そしてIoT本格化に向かう市場の流れなど、多方面にわたり徹底解説します。
新型コロナウイルスの影響による経済の停滞が続く中ですが、長期にわたり経済が停滞することはありえません。本書に記載した内容も進捗スピードが当面低下するかもしれませんが、復興後は今まで以上に加速されることと信じています。
2020年 06月15日 著者 共創企画 代表
中條博則
本書の特徴
スマホからADAS、自動運転へ、そしてその流れはIoTへと、市場は大きく変化しています。そのTrendを決定付ける重要基盤は、欧米・中国を中心とする「再生可能エネルギー」の本格普及です。それら市場の最新動向とIoT社会で『現代版カンブリア爆発』で『眼』の機能を果たす重要素、カメラモジュールの市場、技術動向を徹底解説します。
目 次
目次一覧PDF【Ⅰ】革新的!スマホConcept
1.iPhone成功、3つのKey Words(Fun to ownership)
1-1 iPhoneの源流「Apple Newton」
1-2 iPhone成功のKey Word(I) 「独自インフラ」構築
1-3 iPhone成功のKey Word(II) 「Interaction Design」確立
1-4 iPhone成功のKey Word(III) 「Localize Free」実現
2.Appleの独自Cloud Computing環境に倣った競合
3.2009年以降、急激に市場拡大したスマホ
3-1 中国VenderをWorldwide Brandに仕立てた「QRD」プログラムの威力
3-2 2014年以降、QRDの影響を受け中国市場での低迷が続くSamsung電子
3-3 2013~2015年、中国Venderを中心に急激に進んだスマホの薄型化
3-3-1 スマホの薄型構造設計のDe factoになった「iPhone 4」
4.スマホの新たなConceptは「カメラ機能重視」
【Ⅱ】ADASから自動運転へ
1.運転支援システムADASの動向
1-1 ADASとは
1-2 ADAS普及を加速した「2010国連国際交通安全宣言」
1-3 ADAS・自動運転に必須、多種類のセンサによる「Sensor Fusion」
1-3-1 ADAS用、主要センサ市場動向
1-4 ADAS用ではDe facto、Mobileye「EyeQ」システム
2.Connected機能の拡大
2-1 スマホ市場飽和を予知、車載Infotainmentに活路を求めたApple、Google
2-2 証明されたInfotainment機器の脆弱性
2-3 自動車業界、独自Infotainment OSでApple、Googleに対抗
3.自動運転のTrend
3-1 自動運転の国際定義と意味合い
3-2 実車自動運転で先行するTesla
3-2-1 Mobileyeとの訣別が加速した自動運転技術「Auto Pilot」
3-2-1-1 Intel、Mobileye買収、自動運転市場に本格参入
3-2-2 OTA、Fleet Learningで自動運転精度が向上し続ける「Auto Pilot」
4.激化する自動運転システム覇権争い
4-1 自動運転の世界標準を目指すBaidu『Project Apollo』
4-2 Apple、Googleが車載市場に参入した狙い
4-3 自動運転実現に向け5Gの運用前倒し
4-4 世界初、SAE Level 4完全自動運転安全規格ANSI/UL 4600発行
【Ⅲ】BEV本格普及始動
1.BEV特許公開、市場拡大を牽引するTeslaの取り組み
1-1 発電・充電・蓄電、Teslaが進める独自Eco system
1-2 Tesla独自高速充電仕様ver.Up、新充電器設置増でBEV普及促進
1-3 上海Giga Factory 3(GF3) 始動・増設、独 GF4も着工
1-4 逆転の発想、廉価・低調達リスク、リン酸鉄LiB、BEV普通車で初の採用
1-5 TeslaのBEV Conceptは自動車の「スマホ化」(Fun to ownership)
1-5-1 Amazon 米Start up「RIVIAN」に配送用BEV 10万台発注
2.EUのBEV開発・普及急加速
2-1 EUのBEV普及Concept、「限界費用ZERO」に向かう再エネの有効活用
2-1-1 各国の水素エネルギー活用の取組
2-2 Teslaの躍進で危機感Up、Daimler内燃機関新規開発中止
2-3 EU独自の超高速充電仕様Combo 350kW充電器設置加速
2-3-1 Combo 350kW と既存高速充電規格との比較
2-3-1-1 日本製City Commuter BEVのLiB選択の注意
2-3-2 「時期尚早・危険論」を覆すCombo 350kW対応への布石
2-4 FCEVの動向
3.自動運転を加速するAI技術の動向
3-1 「Deep learning」の急激・急速な進化
3-2 AI技術の高度化、普及を促進する業界団体「Partnership on AI」設立
【第2章 カメラ、DisplayのTrend】
【Ⅰ】スマホ、カメラ・センサの動向
1.カメラ機能が必要なさまざまな製品
1-1 各種製品用イメージセンサ市場動向
2.携帯電話・スマホ用カメラの「世代(C*G)」変遷
2-1 撮像機能と認識されたC1G (携帯電話)、C2G(スマホ)
2-2 Compact DSC代替と認知されたC3G
2-2-1 AF高速化、OIS搭載でCompact DSC並の性能・機能実現
2-3 C3Gで必須になったカメラモジュール低背化技術
2-3-1 カメラモジュール高さを決定する重要な要素「光路長」
2-3-2 Lens及びカメラモジュール設計の基準となる「光学サイズ」とは
2-3-3 光路長の低背度合いを判定する「Height Rate(H/R)」
2-3-4 H/Rを極大化するカメラモジュールの低背設計手法
2-4 DSLRの画質・性能キャッチアップを目指すC4G
2-4-1 DSLR並の高画質、「Dual カメラ」急増
2-4-2 FrontカメラにもDual仕様登場、高感度技術「Binning」採用
2-5 DSLRの画質・性能超越を目指すC5G
2-5-1 Tripleカメラによる高画質化、高機能化
2-5-2 DSLRの祭典「フォトキナ」にHuaweiスマホで初見参
2-6 DSLRの完全代替を目指すC6G
2-6-1 Pentaカメラで打倒DSLRの高画質・高性能追求「Huawei P40 Pro」
2-7 スマホ用カメラモジュールの市場動向
3.スマホ用イメージセンサの動向
3-1 スマホの低背化に貢献、高CRA対応イメージセンサ
3-1-1 「色シェーディング抑制」、高CRA対応IRCF
3-2 スマホの低背化に貢献、イメージセンサのCell Size微細化Trend
3-2-1 多眼カメラ用、Sub-micron特殊素子構造多画素イメージセンサ
3-2-2 高画質の追求、「Big Cell」への回帰
3-2-3 車載・IoT用にも展開、微細Cellでも高感度BSIイメージセンサ
3-2-4 車載・IoT用にも最適、高感度「素子分離型」イメージセンサ
3-3 カメラ機能を向上させる超高速1000fps / 3層イメージセンサ
【Ⅱ】車載他カメラ、センサの動向
1.自動車安全立法、ADAS普遍化により急拡大する車載カメラ市場
1-1 車載カメラの製品分類と市場動向
1-2 主な車載カメラと搭載箇所
1-3 Viewingカメラおよび主要部品の市場動向とSupply Chain
1-4 Sensingカメラおよび主要部品の市場動向とSupply Chain
2.車載用イメージセンサの主要機能
2-1 即時性が重要、Sensingカメラ用HDR機能
2-2 DSM(ドライバー監視モニター)では必須、Global Shutter機能
2-3 Sensingカメラで多画素化進展(7.42MP/ Binning機能搭載)
2-4 車載用では必須、LEDフリッカ抑制技術、HDR併用品も登場
2-5 夜間歩行者検出用「超高感度」イメージセンサ
3.車載用で今後有望な特殊カメラ・イメージセンサ
3-1 夜間運転で重要な役割を果たすFIR(遠赤外線)カメラの概要
3-1-1 FIRカメラの市場動向
3-1-2 現行のFIRカメラ用Lensの種類と特徴
3-1-3 FIRカメラのコストダウン手法
3-2 SWS技術を応用した「Black Silicon」NIRイメージセンサ
4.AR/ VR/MR機器でも存在感を示すカメラ機能
4-1 AR/ VR/ MR技術が期待される分野と用途
4-2 HMD/ Smart Glassに搭載されるカメラ仕様
【Ⅲ】スマホ・車載Displayの動向
1.スマホ用カメラとDisplayの画素数の関係
1-1 Display Size・画素数・解像度の関係
1-2 Display解像度の適正・過剰を判定する「視力」の基礎知識
1-3 製品別適正解像度(視認距離3cm~over 100m Display)
2.スマホ用Display、LCDからAMOLEDへの急激な移行
2-1 LCD主要メーカーが看過したスマホ用AMOLED本格採用の兆し
2-2 AMOLEDの市場動向、Keyとなる製造装置
2-3 AMOLED、車載用展開の可能性
2-4 車載用に最適な印刷方式AMOLEDの量産始まる
3.静電容量式Touch Panelの分類
3-1 iPhone 5から採用されたIn-Cell Touch Panel
3-2 効率的切断技術確立、iPhone 5から採用された薄型Gorilla® Glass
4.Post AMOLED、次世代Displayの概要
4-1 マイクロLED、量子ドット(QD) Displayの開発動向
【第3章 主要部品の技術動向】
【Ⅰ】イメージセンサの技術動向
1. CCDとCMOS、2種類のイメージセンサの動作原理と特徴
2.イメージセンサの市場動向
2-1 スマホ用CMOSイメージセンサの市場動向
2-2 車載用イメージセンサの過去の市場動向
3.特殊なイメージセンサ
3-1 Color Filter不要、垂直色分離型イメージセンサ
3-2 有機CMOSイメージセンサ
3-3 AppleがM&A、QDイメージセンサメーカー
3-4 Lens lessカメラ
4.次世代Displayとイメージセンサは共通技術への回帰
【Ⅱ】Lensの設計・製法基礎知識
1.Lens性能を左右する収差と今に生きる「基本設計」
1-1 Lens材料とその特徴
1-2 Lens設計上の留意点
1-3 熱可塑性樹脂Lensの特徴と製法
2.車載カメラ用Lens樹脂化の可能性
3.Lensの諸特性・MTF(伝達関数)
3-1 カメラモジュールのMTF
3-2 Lensが解像可能なCell Sizeの限界
【Ⅲ】WLO、リフローカメラの動向
1.小型化・モジュール化に最適なWLOリフローカメラ
1-1 リフローカメラモジュールの分類
1-2 TSV技術確立により実現したCSP仕様イメージセンサ
1-3 リフローカメラモジュールの製造フロー
2.リフローカメラモジュール用「耐熱」Lensの分類と概要
3.各種耐熱Lensの製法と特徴
3-1 移動金型式GMOの製法と特徴
3-2 熱硬化性樹脂Injection Mold Lensの製法と特徴
3-3 Hybrid WLO / Single Lensの製法と特徴
3-4 Casting WLOの製法と特徴
3-5 Casting WLO金型製法
3-5-1 Casting WLOとHybrid WLO製法比較
3-6 Casting WLO主な製造装置
3-7 WLOの非球面測定法
3-8 複屈折が解像度に与える影響、各種Lensの複屈折の実力
3-9 各種Lensの材料費・設備投資額比較
3-10 各種耐熱性樹脂の特性
3-10-1 耐熱性樹脂の光学特性
3-10-2 Casting WLO設計値との誤差
4.超短Pulse Laser DicerによるWLO非熱個片化技術
4-1 Hybrid WLO個片化技術の問題点
4-2 非熱加工、超短Pulse Laser Dicer(旧ミシガン特許)
5.超小型具現を活かしたS-WLCMの新展開
5-1 WLCM新たな展開「顔認証用Dot Projector」に採用
5-2 製法の特長を活かした医療用超小型S-WLCM量産始まる
6.S-WLCM車載用への展開の可能性
【Ⅳ】放熱仕様PCB
1.放熱効果も期待できる部品内蔵基板
2.リジッド基板で、メタル基板の役割も兼ねる「銅インレイ基板」
【第4章 カメラ組立・実装技術】
【Ⅰ】カメラモジュールの組立技術
1.多岐にわたる製造技術が必要なカメラモジュール
2.コスト、性能、品質を決定付ける部品選定
3.カメラモジュールの製造フロー
3-1 リフロー実装技術
3-1-1 リフロー実装の主要技術
【Ⅱ】接着の基礎知識
1.接着の原理
2.さまざまな接着方法
2-1 品質向上に直結する接着剤の保管方法
【Ⅲ】Dust不良削減方法と洗浄技術
1.Dust不良削減、1つ目の工夫「持ち込まない」
2.Dust不良削減、2つ目の工夫「出さない」
3.Dust不良削減、3つ目の工夫「持ち出さない」
4.Dust不良削減、「最後の砦」洗浄技術
4-1 湿式洗浄の理論
4-2 洗浄品質向上の鍵、浸漬洗浄では「引き上げはゆっくり」
【Ⅳ】主要製造技術と設備
1.COB / Chip On Board
2.SMT / Surface Mount Technology
【Ⅴ】完成品検査(FAT)の概要
1.FATの概要
2.各検査工程の内容
3.FAT関連基礎知識
【参考文献】