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トリケップスセミナー

     開催日時:2019年6月5日(水)13:00~16:30
     会  場:オームビル  → 会場へのアクセス 
          〒101-8460 東京都千代田区神田錦町3-1
     参 加 費:お1人様受講の場合 43,000円 (税別/1名)
          1口(1社3名まで受講可能)でお申し込みの場合 57,000円 (税別/1口)

講 師

永田 正義 氏    
兵庫県立大学大学院工学研究科 教授 /
電気学会インバータ駆動モータの絶縁評価法調査専門委員会 委員長

セミナーの概要

 パワーエレクトロニクス技術の急速な発展に伴い、産業用モータはインバータで制御されるのが主流になりつつある。また、今後、世界的規模で電気自動車(EV)の急速な普及が予測されている。将来のEVの大量生産を見込んで、各社独自の高機能性高分子(ポリマー)絶縁フィルムの車載用途としての開発が進められている。しかし、インバータ駆動モータでは、インバータサージと呼ばれる立ち上がりの急峻なインパルス電圧によって部分放電が発生するため、モータ絶縁の急速な劣化が危惧されている。現在、この様なサージによる絶縁破壊のトラブル対策とその計測・評価が重要な技術課題となっている。

 将来の絶縁システムの劣化破壊はこの繰り返しサージ電圧によって発生する部分放電が原因であるが、その発生メカニズムや検知の方法は従来のAC電圧の場合と比べ大きく異なっており、十分に理解されていない。その絶縁評価方法は各企業で独自に検討されているが、不明な点も多く、経験に頼るところが大きい。その理由の一つとして、ナノ秒時間スケールの部分放電現象の発生条件が様々な環境要因で変化することが挙げられる。

 産業用モータの分野ではすでにインバータ駆動モータ絶縁に関する国際電気標準会議(IEC)規格が発行されており、国際競争の下で信頼性の高いモータの製造が要請されている。より過酷な環境条件で使用するEVでは新しいタイプのモータが開発されており、部分放電が発生しない高性能な絶縁システムを構築することが求められている。どのような条件で部分放電が発生し、それをどのような検知器と手順で正確にとらえることができるのか、今多くの製造設計現場で調査、研究が行われている。

 本講演では、産業用モータとEV用モータとを比較しながら、インバータ駆動モータの部分放電と絶縁評価、ポリマー絶縁材料のインパルス試験方法とその問題点について基礎から詳しく解説する。

講義項目

 1.はじめに
   1.1 インバータ駆動モータの絶縁劣化と評価技術の現状
   1.2 インバータサージとは何か?
   1.3 モータの電気絶縁トラブルの課題

 2.繰り返しインパルスによる部分放電現象の特性
   2.1 様々な環境要因で変化する部分放電特性
   2.2 部分放電によるモータ巻線の絶縁損傷 
   2.3 繰り返し部分放電開始電圧の予測

 3.モータ絶縁材料の特性とインパルス試験
   3.1 絶縁劣化の要因とメカニズム
   3.2 ナノコンポジットポリマー材料の優れた耐サージ特性
   3.3 低誘電率ポリマー材料の高PDIV特性
   3.4 ポリマー絶縁材料のインパルス試験

 4.繰り返しインパルスによる部分放電計測法
   4.1 インパルス電源と電圧波形
   4.2 各種部分放電センサと検出波形

 5.インバータ駆動モータ絶縁に関する国際電気標準会議(IEC)規格
   5.1 インパルス試験電圧波形の規定と結線方法
   5.2 ストレスカテゴリーとインパルス電圧絶縁クラス
   5.3 絶縁システムの認証試験方法

 6.実機モータを用いたインパルス絶縁評価試験の実例紹介
   6.1 モータ、試験方法、電源と計測器
   6.2 電圧波形に対する部分放電開始電圧特性
   6.3 各コイルの分担電圧と部分放電発生箇所の推定
   6.4 部分放電フリーを検証するための問題点

 7.まとめと今後の課題