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基礎から現在の課題、今後の展望・可能性について解説!

R&D支援センターセミナー

       開催日時:2017年6月22日(木)10:30~16:30
       会  場:江東区文化センター 3F 第3研修室  → 会場へのアクセス 
       参 加 費:49,980円(税込、昼食・資料付)

講 師

 公益財団法人 東京都医学総合研究所 再生医療プロジェクト プロジェクトリーダー 博士(理学) 宮岡佑一郎 氏

【ご専門】
 分子生物学、細胞生物学

【ご経歴】
 2016年1月- 公益財団法人東京都医学総合研究所 再生医療プロジェクト プロジェクトリーダー
 2011年7月-2015年12月 Gladstone研究所, UCSF ポスドク (指導教官: Dr. Bruce R. Conklin)
 2009年4月-2011年6月 東京大学 分子細胞生物学研究所 助教 (宮島 篤研究室)
 2009年3月 東京大学大学院 理学系研究科 生物化学専攻 博士課程修了(指導教官: 宮島 篤教授)
 2006年3月 東京大学大学院 理学系研究科 生物化学専攻 修士課程修了(指導教官: 宮島 篤教授)
 2004年3月 東京大学 理学部 生物化学科 卒業 (指導教官: 山本正幸教授)

定 員

 30名

習得できる知識

 ・ゲノム編集の歴史、基礎、全体像・概況
 ・ゲノム編集の基礎技術、考え方、方法
 ・ゲノム編集の最新技術
 ・ゲノム編集技術の現在の課題と今後の展望・可能性
 ・ゲノム編集の基礎研究への応用
 ・ゲノム編集の医療・産業応用

趣 旨

 あらゆる細胞種でゲノムDNA配列の自在な改変を可能にするゲノム編集技術は、基礎研究から医療・産業にいたるまで、広汎な分野での応用が推進されています。私は留学先でiPS細胞のゲノム編集による心疾患モデルの作製を目標に研究を始め、帰国までにCRISPSR/Cas9の爆発的発展を目の当たりにし、ゲノム編集研究の熾烈な競争を繰り広げる研究者達と間近で接することができました。このセミナーでは、ゲノム編集の歴史と基礎から最新技術、その応用までを、私が実際に見てきたことも含めてわかりやすくお話しします。特に私のテーマであるiPS細胞のゲノム編集と、デジタルPCRによるゲノム編集結果の検出についても詳しく紹介します。

プログラム

 1.ゲノム編集の原理と歴史
  1.1 ゲノム編集の原理
   1.1.1 前ゲノム編集時代:遺伝子ターゲティング
   1.1.2 ゲノム編集とは
   1.1.3 Non-Homologous End-Joining (NHEJ)/非相同末端結合
   1.1.4 Homology-Directed Repair (HDR)/相同組換え
  1.2 ゲノム編集の前CRISPR/Cas9史
   1.2.1 メガヌクレアーゼ時代
   1.2.2 Zinc Finger Nuclease (ZFN)時代
   1.2.3 Transcription Activator-Like Effector Nuclease (TALEN)時代
  1.3 CRISPR/Cas9時代の到来
   1.3.1 CRISPR/Cas9とは
   1.3.2 CRISPR/Cas9発見の歴史
   1.3.3 CRISPR/Cas9の特長

 2.ゲノム編集の最先端技術
  2.1 ゲノムを編集するために
   2.1.1 Cas9 Nickase:DNA二重鎖の片方だけを切断する
   2.1.2 FokI-dCas9:CRISPR/Cas9とZFN/TALENとのあいのこ
   2.1.3 PAM改変Cas9:標的にできる配列の種類を増やす
   2.1.4 saCas9:生体ゲノム編集を目指す小型のCas9
   2.1.5 分割Cas9:ゲノム編集の時間的調節と特異性の向上
   2.1.6 DNA結合能改変Cas9:非特異的な変異の導入を軽減する
   2.1.7 デアミナーゼ融合Cas9:DNAを切断せずにゲノムを編集する
   2.1.8 anti-CRISPR:自然界に存在するCRISPR/Cas9の阻害分子
   2.1.9 CRISPR/Cpf1:Cas9ではないCRISPR
   2.1.10 NgAgo:CRISPRではないツール(しかし真偽は議論の的?)
  2.2 ゲノム編集以外の目的のために
   2.2.1 CRISPRi:遺伝子の発現抑制
   2.2.2 CRISPRa:遺伝子の発現活性化
   2.2.3 GFP融合Cas9:ゲノムDNAの配列特異的可視化
   2.2.4 エピゲノムエフェクター融合Cas9:エピゲノム編集
   2.2.5 Cas9+PAMmers:DNAではなくRNAの認識と切断
   2.2.6 CRISPR/C2C2:Cas9ではないRNAを標的とするCRISPR

 3.ゲノム編集技術の応用
  3.1 動植物・生体への応用
   3.1.1 遺伝子改変モデル生物の作製
   3.1.2 遺伝子改変畜産動物の作製
   3.1.3 遺伝子改変農作物の作製
   3.1.4 Gene Drive:生物集団を遺伝的に制御
   3.1.5 受精卵のゲノム編集?
  3.2 iPS細胞による疾患モデルへの応用
   3.2.1 これまでのiPS細胞による疾患モデルの課題
   3.2.2 神経疾患モデル
   3.2.3 肝臓疾患モデル
   3.2.4 心臓疾患モデル
   3.2.5 ダウン症モデル
  3.3 iPS細胞による細胞移植治療への応用
   3.3.1 iPS細胞による細胞移植治療の課題と取り組み
   3.3.2 標的疾患:がん、肝臓疾患、眼疾患など
   3.3.3 細胞移植治療をめぐる状況
  3.4 生体内・外ゲノム編集の応用
   3.4.1 モデル生物の問題点
   3.4.2 標的疾患:HIV、がん、肝臓疾患、筋ジストロフィー、眼疾患など

 4.デジタルPCRによるゲノム編集結果の検出と応用(講師自身の研究成果)
  4.1 デジタルPCRによるゲノム編集結果の検出
   4.1.1 従来のゲノム編集結果の検出方法とその問題点
   4.1.2 デジタルPCRとは
   4.1.3 デジタルPCRによるHDRの検出
   4.1.4 デジタルPCRによるHDRとNHEJの同時検出
  4.2 デジタルPCRを用いたゲノム編集の応用
   4.2.1 一塩基置換を持つiPS細胞の選択マーカーを用いない単離
   4.2.2 多様なゲノム編集条件の系統的な活性評価
   4.2.3 HDR活性を高めるための取り組み