化学品の市場調査、研究開発の支援、マーケット情報の出版

~ 印刷原理からインキ粘弾性及び課題・不具合への具体的対策まで ~
スクリーン印刷の原理・メカニズム・要素技術から、最新のエレクトロニクスや高精細・高品位加飾印刷での具体的な応用例と実践方法まで詳解!

R&D支援センターセミナー

       開催日時:2017年6月20日(火)10:00~16:30
       会  場:商工情報センター(カメリアプラザ) 9F 第2研修室
                → 会場へのアクセス 
       参 加 費:49,980円(税込、昼食・資料付)

講 師

 ㈱エスピーソリューション 代表取締役  佐野 康 氏

<ご略歴>
 輸入商社において導電性接着剤、ポリイミドペーストの技術営業職を経た後、1990年よりスクリーン製版メーカー(東京プロセスサービス)での営業職、1994年より印刷機メーカー(マイクロ・テック)にてスクリーン印刷のプロセス技術支援業務を遂行。
 2000年10月 ㈱エスピーソリューションを設立。技術コンサルティング業務を開始。
 これまで、PDP,セラミック部品、プリント基板,プリンテッドエレクトロニクス、グラフィック・加飾印刷等の分野に於いて多数の印刷加工メーカーやペーストメーカー等に対し技術支援を行ってきた。2007年から2015年までは、アサダメッシュ㈱の技術顧問として高品質スクリーン印刷技術の標準化及び普及活動を行ってきた。
 現在、印刷装置メーカーと印刷加工メーカーの技術支援を行っている。

<著書>
 「知っておきたいスクリーン印刷とエレクトロニクス」2010年1月 印刷学会出版部
「プリンテッドエレクトロニクス スクリーン印刷による安定生産」2011年3月 印刷学会出版部

定 員

 30名

趣 旨

 スクリーン印刷は、エレクトロニクスやグラフィック・加飾印刷などの多くの分野で60年以上の長きにわたり利用されてきたにも関わらず、未だに管理が困難で職人技が必要だと思われています。要素技術が著しく進歩し、他の印刷工法がすでに「技術限界」のレベルに達しているのとは異なり、多くの分野のスクリーン印刷は、「技術限界」には、ほど遠いレベルで利用されています。今こそ、考え方を変えて、スクリーン印刷自体が管理困難だったのではなく、今までの管理手法が間違っていたと認識を新たにすべきです。
 スクリーン印刷にも理論があります。印刷されるインキ、ペーストの身になってプロセスを考える「ペーストプロセス理論」です。この理論は、私が長年にわたり仮説と検証を繰り返し実用性がある考え方として確立し、多くの印刷現場で実証を行なってきたものです。
 エレクトロニクス分野のみならず、グラフィック、加飾、捺染などでの高品質スクリーン印刷実践のためであれば、すべてに通用する考え方です。
 スクリーン印刷に対する先入観を捨て、論理的整合性の観点から評価いただければこの理論の正しさが理解していただけると思います。これまでの対策での成功の理由も失敗の理由もこの理論で説明ができるようになります。この理論を正しく実践すれば、スクリーン印刷は、これからの技術的伸び代が最も大きいプロセス技術であることが実感できます。
 「ペーストプロセス理論」では、スクリーン印刷は、他の印刷にはない3つの要素があることで、最も安定性が高い印刷工法であると考えています。スキージとスクリーンメッシュの開口、そしてスクリーン版の反発力です。スクリーン印刷で難しかったのは、印刷パラメータの設定ではなく、インキ・ペーストの印刷性能であったと理解すべきです。
 プロセスの適正化とは、スクリーン印刷の本来の「あるべき姿」を達成するための「前提条件」を適正化することであり、適正化できていない場合は、その理由、原因を見つけ出し、適切に対策することです。「前提条件」が適正であれば、最終的にはインキ・ペーストの有する固有の印刷性能で印刷品質と印刷安定性が決定されます。
 そもそも印刷とは、先ず「刷版」の性能が向上し、それに合わせた印刷性の高いインキが開発され、それぞれの印刷品質を向上させてきました。このことはスクリーン印刷においても同様であり、「刷版」であるスクリーン版の主要素であるメッシュ材料の技術進歩により、使用できるインキの印刷性能がさらに向上させることができます。高精細印刷のメッシュには、細い線径と高いメッシュ数、そして十分な強度が必要とされます。2012年、従来の3倍の強度を有する線径14μmの超高強度ステンレス650メッシュが開発され、スクリーン印刷の長年の課題であった、高精細印刷での「版離れ」と「版ひずみ」の課題が解決されました。私は、この超高強度メッシュでの数々の印刷検証を行うことで、「ペーストプロセス理論」の実効性が証明できたと考えています。
 本講演では、スクリーン印刷の原理やメカニズムおよび要素技術について説明し、インキ・ペーストの印刷性能に影響する分散安定性、揮発性、濡れ性及び粘弾性特性を理解することで高品質印刷プロセスが高度に適正化できることを分りやすく解説します。さらに、最新のエレクトロニクスや高精細・高品位加飾印刷での具体的な応用例と実践方法についても解説します。

プログラム

1.スクリーン印刷とは?
  ・原理的には、スクリーン印刷は最も安定な印刷工法
  ・版とインキを適正化すれば30μmラインも手刷りができる。
  ・適正化できなかった最大の要因はインキの印刷性能不足と適正化していない版仕様
  1-1.各種印刷の種類とインキの粘度
    ・各分野のスクリーン印刷でのインキの粘弾性は、適正化されているか?
  1-2.スクリーン印刷は「特殊印刷」、だから印刷安定性が高い
  1-3.現状のスクリーン印刷の多くは「技術限界」の50%以下のレベル

2.「ペーストプロセス理論」の考え方の基本
  ・インキ、ペーストの身になって考える
  2-1.印刷条件のほとんどは、高品質印刷の為の「前提条件」
  2-2.スクリーン版の反発力での「版離れ」が最も重要

3.「オフコンタクト印刷」と「コンタクト印刷」の大きな違い
  3-1.「コンタクト印刷」は、インキを疑似固体化してからの「時差版離れ」
  3-2.メタルマスクでの「同期版離れコンタクト印刷工法」でのクリームはんだ印刷

4.スクリーン印刷の4つのカニズムの理解
  4-1.「 ローリング」のメカニズム
  4-2.「充てん・掻き取り」のメカニズム
  4-3.「版離れ」のメカニズム
  4-4.「レベリング」のメカニズム

5.スキージとスクリーン印刷装置
  5-1.印刷機の種類とスクリーン版の違い
  5-2.印刷位置合わせの方法
  5-3.ピールオフと実クリアランス
  5-4.スキージが最も重要な印刷パラメータの要素
    ・最適なスキージの選択方法
    ・スキージのエッジの面取り仕上げの重要性

6. 4つの印刷条件の適正化
  6-1.4つの印刷条件と印刷品質への影響
  6-2.スキージ印圧設定方法「押し込み」と「エアー圧」
  6-3.「適正印圧」の定義と設定方法
  6-4.スキージ角度、速度と「充てん力」との相関

7.スクリーン版とスクリーンメッシュ
  7-1.ステンレスメッシュ開発の歴史とスクリーン印刷技術の進歩
  7-2.スクリーンメッシュの「強度指数」と適正クリアランス
  7-3.スクリーンメッシュ開口率とインキの吐出性
  7-4.超高強度ステンレスメッシュでの課題解決「無変形スクリーン版」
  7-5.スクリーン版の製作工程 密着露光とミスト現像
  7-6.スクリーン版の洗浄方法

8.インキ・ペーストの印刷性能
  8-1.インキの分散安定性、溶剤揮発性および濡れ性の影響
  8-2.連続印刷中のインキの含有溶剤揮発と印刷膜厚変化
  8-3.インキの粘性と弾性の理解 「粘弾性マップ」の利用の仕方
  スクリーン印刷中の気泡発生の原因と対策

9.高品質スクリーン印刷プロセス実践のための具体的な対策手法
  9-1.印刷均一性を阻害する要因とその対策手法
  9-2.印刷膜厚整合のための対策手法 ファインライン、中間ライン、ベタ
  9-3.印刷寸法精度を損なう要因とその対策
  9-4.スクリーン印刷におけるその他の不具合対策
   乾燥のメカニズムとその重要性 静電気とインキの糸引き対策

10.スクリーン印刷8つの適用工法
  ・べた、ファイン、ドット、スルーホール、ビア埋め、落とし込み、積層印刷、転写印刷

11.先進の高品質スクリーン印刷の応用例
  ・IoTに対応するプリンテッドエレクトロニクス製品への応用例他