化学品の市場調査、研究開発の支援、マーケット情報の出版

高分子結晶の構造と結晶化プロセスの特徴について解説し、諸条件により最終的にどのような構造形成につながるか、実例を交えながら紹介!高分子の結晶化メカニズムの解析方法、新規解析技術についても質問を受け付けます!

R&D支援センターセミナー

       開催日時:2017年6月6日(火)10:00~16:00
       会  場:ドーンセンター 4F 中会議室2  → 会場へのアクセス 
       参 加 費:49,980円(税込、昼食・資料付)

講 師

 京都大学 化学研究所 准教授 博士(工学) 登阪雅聡 氏

<ご専門>
 高分子物理

<学協会等>
 高分子学会、繊維学会(報文編集委員)、日本ゴム協会(国際ゴム会議2016広報・宣伝委員)、日本接着学会(評議員、関西支部幹事)、応用物理学会

定 員

 30名

趣 旨

 結晶性高分子材料の物性は、結晶が織りなすナノからミクロンスケールの階層的な構造により大きく左右される。こうした結晶構造のコントロールは、より優れた物性の発現や、更なる高機能化を図る為に必須である。従って、様々なスケールで結晶の構造を解析すると共に、そうした構造が形成される機構を正しく理解する必要がある。
 高分子は長い紐状である事に起因して、特異な結晶化挙動を示す。本講座では先ず、低分子や金属と対比しながら、高分子結晶の構造と結晶化プロセスの特徴について解説する。さらに、物性との関わりが深い項目として、分子構造の規則性、温度条件、配向条件などを取り上げ、最終的にどのような構造形成につながるか、実例を交えながら紹介する。
 引き続き、高分子結晶の階層的な構造を解析する手法として、顕微鏡法、および、回折・散乱による解析法について解説する。目的に応じて適切に使い分る事を念頭に、簡易かつ迅速な光学顕微鏡法から最新の放射光を用いた手法まで、幅広く紹介する。
 講演の最後には高分子の結晶化メカニズムの解析の方法、新規解析技術についての質問を受け付ける。

プログラム

1.高分子の結晶の基礎
  1-1.「結晶」とは何か
    1-1-1.「結晶」の定義
    1-1-2.結晶はなぜ生成するか
  1-2.高分子結晶の構造的特徴
    1-2-1.低分子結晶との対比
    1-2-2.線状高分子の凝集構造
    1-2-3.高分子結晶特有の高次構造(ラメラ晶、球晶、繊維構造)
  1-3.高分子結晶の生成
    1-3-1.結晶核の形成
    1-3-2.二次核生成→生長
    1-3-3.結晶化速度
    1-3-4.結晶化温度と融点
  1-4.物性との関わりと評価法
    1-4-1.結晶化度
    1-4-2.融点
    1-4-3.分子構造の規則性(融点への影響、結晶成長への影響)
    1-4-4.配向
  1-5.高分子結晶化の特性を活用した加工技術の例
    1-5-1.ゲル紡糸
    1-5-2.ナノ配向結晶体(NOC)

2.構造解析法1-顕微鏡法
  2-1.「見える」ための必要条件
    2-1-1.分解能(波長による限界、結像による限界、試料による限界)
    2-1-2.コントラスト(明暗、色)
  2-2.光学顕微鏡
    2-2-1.照明法について(透過、落射)
    2-2-2.対物レンズ
    2-2-3.偏光顕微鏡
    2-2-4.微分干渉顕微鏡
  2-3.電子顕微鏡
    2-3-1.走査型電子顕微鏡
    2-3-2.透過型電子顕微鏡(明視野像観察、電子回折、暗視野観察、三次元像)
    2-3-3.高分解能観察(電子線損傷と解像限界、画像処理)
  2-4.原子間力顕微鏡
    2-4-1.AFMの原理
    2-4-2.測定上の留意点(試料作成、フィードバックパラメータ)

3.構造解析法2-回折・散乱による方法
  3-1.回折・散乱の基礎
    3-1-1.ブラッグ回折
    3-1-2.フーリエ変換
    3-1-3.逆空間
  3-2.結晶の回折
    3-2-1.逆格子(回折反射の指数、エヴァルト球、限界球)
    3-2-2.乱れた結晶からの回折(回折点の広がりの解釈)
    3-2-3.多結晶体の回折(粉末図形、繊維図形)
    3-2-4.微結晶サイズの評価(シェラーの式)
    3-2-5.様々な観察法
    3-2-6.電子回折
  3-3.小角散乱
    3-3-1.積層ラメラの回折
    3-3-2.インバリアント
  3-4.放射光を用いた解析の実例
    3-4-1.高速時分割測定
    3-4-2.マッピング

4.高分子結晶、測定法についての議論