~ シグナル伝達からがん、免疫、神経疾患との関わり、創薬利用まで ~
■ 発 刊:2017年3月8日
■ 定 価:49,500円(税込)
■ 体 裁:B5判 314頁
■ 発 行:㈱エヌ・ティー・エス
ISBN 978-4-86043-465-6
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本書の特徴
◇ 直径100nmのメッセンジャー「エクソソーム」が導く新たな機能とその応用研究の最前線を追う!
◇ 生命活動の幅広い現象に関与し、遺伝子情報の運び屋として注目の「エクソソーム」その機能研究の最前線を追う!
◇ これまで見過ごされてきた古くて新しい「エクソソーム」の機能研究の今を掲載!
◇ 生命現象の理解と未来の医療に革命を起こすエクソソーム研究の最前線を追う!
執筆者
監修者
落谷 孝広 国立研究開発法人 国立がん研究センター研究所 分子細胞治療研究分野 主任分野長
執筆者 54名(執筆順)
松田 大介 九州大学大学院 医学研究院消化器・総合外科 医員
原田 結 九州大学大学院 薬学研究院 助教
芝 清隆 公益財団法人 がん研究会 がん研究所蛋白創製研究部 部長
高橋 有己 京都大学大学院 薬学研究科 助教
西川 元也 京都大学大学院 薬学研究科 准教授
高倉 喜信 京都大学大学院 薬学研究科 教授
遠藤 恒介 株式会社ミルテル 事業開発部 マネージャー
田原 栄治 株式会社ミルテル 代表取締役社長
田原 栄俊 広島大学大学院 医歯薬保健学研究院 教授
下田 麻子 京都大学大学院 工学研究科 博士研究員
秋吉 一成 京都大学大学院 工学研究科 教授
瀧澤 俊広 日本医科大学大学院 分子解剖学分野 教授
大口 昭英 自治医科大学 産科婦人科学講座 教授
竹下 俊行 日本医科大学大学院 女性生殖発達病態学分野 教授
齋藤 滋 富山大学 医学薬学研究部 教授
大塚 蔵嵩 キユーピー㈱ 研究開発本部・技術研究所 研究員
河原 裕憲 金沢大学医薬保健研究域 医学系免疫学 助教
仲谷 利栄 大阪大学医学部 神経内科学 医員
筒井 泰史 金沢大学医薬保健研究域 医学系脳神経外科 医員
灰谷 淳 金沢大学医薬保健研究域 医学類免疫学
岸本 俊輔 金沢大学医薬保健研究域 医学類免疫学
華山 力成 金沢大学医薬保健研究域 医学系免疫学 教授
武内 敏秀 大阪大学医学系研究科 講師
永井 義隆 大阪大学医学系研究科 教授
吉田 孟史 金沢大学医薬保健研究域 医学系 助教
瀬尾 尚宏 三重大学大学院医学系研究科 特任講師
小坂 展慶 University of Oxford Department of Zoology Marie Curie Fellow
樋田 京子 北海道大学遺伝子病制御研究所 特任准教授
間石 奈湖 北海道大学遺伝子病制御研究所 助教
森本 真弘 北海道大学遺伝子病制御研究所
富永 直臣 University of Hawaii Cancer Center/国立研究開発法人国立がん研究センター研究所 Cancer Biology Program/分子細胞治療研究分野 Postdoctoral Researcher/シニアリサーチフェロー
星野 歩子 Weill Cornell Medicine Department of Pediatrics, Cell & Developmental Biology Instructor
幸谷 愛 東海大学医学部 教授
樋口 廣士 東海大学医学部 特任助教
木根原匡希 広島大学大学院 医歯薬保健学研究院 特任助教
湯山 耕平 北海道大学大学院 先端生命科学研究院 特任准教授
五十嵐靖之 北海道大学大学院 先端生命科学研究院 招聘客員教授
生戸 健一 神戸大学医学部附属病院 検査部 臨床検査技師
中町 祐司 神戸大学医学部附属病院 検査部 副技師長
河野 誠司 神戸大学大学院 医学研究科 特命教授
黒田 雅彦 東京医科大学医学部 副学長補兼主任教授
高梨 正勝 東京医科大学医学部 講師
中瀬 生彦 大阪府立大学21 世紀科学研究機構ナノ科学・材料研究センター 特別講師
吉岡 祐亮 国立研究開発法人 国立がん研究センター研究所 分子細胞治療研究分野 研究員
森下 将輝 京都大学大学院 薬学研究科
山田 充啓 東北大学大学院 医学系研究科 院内講師
押海 裕之 熊本大学大学院 生命科学研究部 教授
倉田 隼人 ロート製薬㈱ 再生医療研究企画部 研究員
勝田 毅 国立研究開発法人 国立がん研究センター研究所 分子細胞治療研究分野
玉井 里枝 ロート製薬㈱/国立研究開発法人 国立がん研究センター研究所 再生医療研究企画部/分子細胞治療研究分野
石井 強 ロート製薬㈱/国立研究開発法人 国立がん研究センター研究所 再生医療研究企画部/分子細胞治療研究分野
植田 幸嗣 公益財団法人 がん研究会 がんプレシジョン医療研究センター プロジェクトリーダー
園田 光 国立研究開発法人 国立がん研究センター研究所 分子細胞治療研究分野 客員研究員
主な目次
序論 エクソソーム研究が明らかにするもの
第1編 分離精製・観察
第1章 エクソソーム分離精製技術
第2章 エクソソームの差分化手法
第3章 エクソソーム体内動態解析を可能とするエクソソーム標識法
第4章 エクソソーム・マイクロRNA の実用化と課題
第2編 機能研究
第1章 情報伝達における機能
第2章 神経系における機能
第3章 免疫系における機能
第4章 がんとエクソソーム
第5章 老化とエクソソーム
第6章 創薬~DDS/新規バイオマーカー~
第3編 エクソソーム創薬,治療と診断
第1章 間葉系幹細胞由来エクソソームによる疾患治療の可能性
第2章 エクソソームによるがん早期診断法開発
第3章 エクソスクリーンによる体液中の疾患関連エクソソームの定量
詳細目次
目次一覧PDF 1.エクソソームとは
2.エクソソームの標的指向性のトピックス
3.エクソソームによる体液診断の可能性
4.エクソソーム研究が創薬に与えるパラダイムシフト
5.エクソソーム製剤の開発
6.エクソソームは種を超えてワークする
7.おわりに
第1編 分離精製・観察
第1章 エクソソーム分離精製技術
1.はじめに
2.エクソソームとは
3.エクソソームの生物物理学的特性
4.エクソソームの分離精製
5.おわりに
第2章 エクソソームの差分化手法
1.はじめに
2.差分化の必要性
3.いろいろな差分化手法
4.診断と治療のための差分化
5.おわりに
第3章 エクソソーム体内動態解析を可能とするエクソソーム標識法
1.はじめに
2.蛍光プローブを利用したエクソソーム標識法
3.発光プローブを利用したエクソソーム標識法
4.放射性同位体プローブを利用したエクソソーム標識法
5.おわりに
第4章 エクソソーム・マイクロRNA の実用化と課題
1.はじめに
2.エクソソームの抽出方法
3.体液からのエクソソーム抽出
4.エクソソーム中RNA( exRNA )の解析
5.エクソソーム中のRNA プロファイルの多様性
6.エクソソームによるmiRNA を介したシグナル伝達の解析方法
7.In vivo でのエクソソームのふるまい
8.最後に
第2編 機能研究
第1章 情報伝達における機能
第1節 エクソソームによるピロリ菌病原タンパク質の輸送
1.はじめに
2.ピロリ菌感染と関連疾患
3.ピロリ菌病原タンパク質CagA のナノキャリアとしてのエクソソーム
4.おわりに
第2節 周産期における胎盤由来エクソソーム機能
1.はじめに
2.胎盤由来エクソソームの特徴
3.胎盤由来エクソソームと正常妊娠
4.胎盤由来エクソソームと異常妊娠
5.おわりに
第3節 植物の視点から考えるマイクロRNA/エクソソーム
1.はじめに
2.miRNA 発現に影響を与える植物由来の天然化合物とは
3.食品由来のmiRNA は健康に寄与するのか?
4.植物のmiRNA/エクソソーム
5.おわりに
第2章 神経系における機能
第1節 神経系エクソソームとグリア細胞制御~神経変性疾患との関連~
1.はじめに
2.エクソソームと神経変性疾患(原因蛋白質について)
3.Aβとエクソソーム( apoxosome)~神経-アストロサイト間制御~
4.タウとエクソソーム~ミクログリア-神経間制御~
5.プリオンとエクソソーム~神経-アストロサイト間制御~
6.SOD1,TDP-43 とエクソソーム~神経-神経間制御~
7.α-シヌクレインとエクソソーム~神経-神経間制御~
8.エクソソームを介したシナプスの刈り込み~神経-ミクログリア間制御~
9.研究方法(濃縮方法)
10.おわりに
第2節 神経変性疾患におけるエクソソームの役割
1.はじめに
2.神経変性疾患
3.神経変性疾患とエクソソーム
4.おわりに
第3章 免疫系における機能
第1節 エクソソームによる貪食細胞への生理作用と炎症疾患発症メカニズム
1.はじめに
2.エクソソームの貪食細胞への取り込み
3.感染症におけるエクソソームの機能
4.慢性炎症におけるエクソソームの機能
5.アレルギー疾患におけるエクソソームの機能
6.まとめ
第2節 キラーT 細胞エクソソームのがん浸潤・転移阻害メカニズム
1.はじめに
2.キラーT 細胞の活性化とエクソソームの放出
3.キラーT 細胞放出エクソソームの腫瘍への作用
4.エクソソームの膜構造
5.おわりに
第3節 乳中エクソソームによる生命科学研究のパラダイムシフト
1.はじめに
2.乳とは
3.乳中のエクソソームとその性状
4.乳中エクソソームの生体における機能
5.乳中エクソソームは本当に機能しているのだろうか?
6.おわりに
第4章 がんとエクソソーム
第1節 がん細胞エクソソームと血管新生
1.はじめに
2.腫瘍血管新生
3.血管新生の調節機構
4.腫瘍血管の特徴
5.腫瘍血管内皮細胞の特異性
6.腫瘍血管内皮細胞の多様性とがん微小環境
7.がん細胞エクソソームによる血管新生への影響
8.エクソソームによる血行性転移への影響
9.おわりに
第2節 がん脳転移におけるエクソソームの役割
1.概 要
2.エクソソームによる脳転移メカニズム
3.最後に
第3節 エクソソーム含有インテグリンとがん転移メカニズム
1.臓器特異的転移と前転移ニッチ
2.転移先を決定する接着分子
3.エクソソームによる臓器特異的分布の前後
4.インテグリン発現パターンによるバイオマーカー機能
5.今後の展望
第4節 EBV 関連リンパ腫におけるEBV 陽性リンパ腫細胞由来エクソソーム機能
1.はじめに
2.Epstein-Barr ウイルス(EBV )について
3.miRNA 発現と腫瘍の関連
4.EBV 陽性リンパ腫由来エクソソームの腫瘍形成における役割
5.おわりに
第5章 老化とエクソソーム
第1節 老化細胞から分泌される老化関連エクソソーム
1.はじめに
2.がん抑制的な細胞老化の役割
3.がん抑制的に働く老化関連microRNA
4.老化細胞における分泌性因子の亢進
5.老化細胞から分泌される老化関連エクソソームの役割
6.老化関連エクソソームの分泌機構
7.おわりに
第2節 アルツハイマー病とエクソソーム
1.はじめに
2.アルツハイマー病
3.エクソソームに含まれるアルツハイマー病関連分子
4.アルツハイマー病病理におけるエクソソーム
5.エクソソームを利用したAD予防・治療法および診断法開発
6.おわりに
第6章 創薬~DDS/新規バイオマーカー~
第1節 マイクロRNA 含有エクソソームDDS による新規リウマチ薬創出
1.はじめに
2.RA におけるマイクロRNA
3.RA 病態におけるmiR-124 機能解析
4.RA モデル動物へのmiR-124 治療効果
5.miR-124 含有エクソソームDDS によるRA 治療戦略
6.おわりに
第2節 エクソソームの臨床応用について
1.はじめに
2.体液中に存在するエクソソームを応用した診断について
3.エクソソームを応用した治療について
4.おわりに
第3節 機能性ペプチド修飾型エクソソームによるDDS がん治療開発
1.はじめに
2.エクソソームのがん細胞内移行におけるマクロピノサイトーシス経路の重要性
3.アルギニンペプチド修飾型エクソソームのマクロピノサイトーシス誘導と効果的ながん細胞内取り込み
4.人工コイルドコイルペプチドを利用したエクソソームの上皮成長因子受容体標的
5.pH 感受性膜融合ペプチドを用いたエクソソーム内包物の効果的なサイトゾル放出
6.おわりに
第4節 天然のデリバリーシステムであるエクソソームから学ぶ新規DDS の開発
1.はじめに
2.投与エクソソームの体内動態
3.デリバリーキャリアとしてのエクソソーム
4.組織特異的な送達を目指したエクソソームDDSの開発
5.医薬品を見据えたエクソソーム供給源と回収方法
6.医薬品の観点から見たエクソソームは生物製剤か?
7.おわりに
第5節 エクソソームを基盤とした核酸医薬品のためのDDS の開発
1.はじめに
2.エクソソームへの核酸の搭載
3.エクソソームによる核酸医薬の標的細胞へのデリバリー
4.エクソソームによる核酸DDS 開発における課題
5.おわりに
第6節 エクソソームを用いた炎症性肺疾患新規バイオマーカーの探索
1.はじめに
2.炎症性肺疾患におけるエクソソーム解析
3.今後の展望
第7節 エクソソーム解析によるインフルエンザ全粒子ワクチン開発
1.はじめに
2.ウイルス感染と自然免疫
3.エクソソームによる自然免疫活性化
4.エクソソーム内のmicroRNA( miRNA )による自然免疫制御機構
5.季節性インフルエンザとワクチン
6.ワクチン投与後副反応の前診断
第3編 エクソソーム創薬,治療と診断
第1章 間葉系幹細胞由来エクソソームによる疾患治療の可能性
1.はじめに
2.間葉系幹細胞
3.間葉系幹細胞由来エクソソーム
4.結 論
第2章 エクソソームによるがん早期診断法開発
1.求められるがん早期診断
2.がん早期診断におけるエクソソームリキッドバイオプシーの利点
3.がんエクソソームバイオマーカーの測定法
4.開発が進むがんエクソソーム診断薬
5.今後の展望
第3章 エクソスクリーンによる体液中の疾患関連エクソソームの定量
1.序
2.エクソスクリーン法
3.エクソソーム上の疾患関連表面マーカーとその検出
4.まとめ