化学品の市場調査、研究開発の支援、マーケット情報の出版

S&T出版セミナー

       開催日時:2017年1月26日(木)10:30~16:30
       会  場:高橋ビルヂング(東宝土地(株)) 会議室
            東京都千代田区神田神保町3-2   → 会場へのアクセス 
       受 講 料:49,800円(税込) ※ 昼食・資料代を含む

セミナーの趣旨

 最近、電界等を利用して伸長し、または力や電気を発生するエレクトロアクティブポリマー(ソフトアクチュエータ)を世界中で研究・開発が激化している。これらのデバイスを用いることで、SFの世界で繰り広げてきた話が俄然現実味を帯びてきた。
 極近い将来、事故等で障害を負った方が、普通の人より、数段優れた活動が可能になり、自動車等が500gの誘電エラストマ(ソフトアクチュエータの代表的存在)で動く日が来ると、千葉は確信している。また、地震による建物の倒壊を防ぐ誘電エラストマも市場に現れると考えられている。この方法を用いると、船も揺れなくなる。
 誘電エラストマは、各種アクチュエータ、センサ、モータ、ロボット、介護機器、パワースーツ等への応用以外にも、発電現象を利用することで、既存のデバイスでは発電することが難しい、緩やかな運動エネルギーで発電することが可能で、自然エネルギーをはじめ、人や動物・乗り物・建物などの動きから電気が得られることから、幅広い分野への応用が大いに期待されている。
 現在では、0.1gの誘電エラストマデバイスで、2kgの重りを、5mm程持ち上げることが可能となり、上記で述べた高出力が要求される各種アプリケーションへの応用が実現できるレベルとなった。また、100,000Hzまでドライブ可能で、600%まで変形する!アクチュータ効率は、実測値で、81%、発電効率は、72%である。これらのデバイスは、近年、ガラスと同等の透明度になり、応用先が更に広がった。駆動電圧は、1Vから数千ボルトであるが、流れる電流は、2,400Vで0.3μAとかなり小さい。
 本セミナーでは、ポリマーを含む誘電エラストマの素材とその特性についても議論する。

誘電エラストマが実現する10年後の社会に必要な6つのキーワード:
・レアアースに依存しない社会
・CO2フリーのエネルギー社会
・身障者に優しい社会
・水と食料が完全に確保される社会
・医療自動化による医療格差の克服
・危険作業や介護用ロボット化社会
 

 

プログラム

第1部
千葉正毅 氏
千葉科学研究所 代表 Ph.D

 
<講師略歴>

最終学歴:
1979年 英国ウエールズ大学 応用材料学部(カーディフカレッジ)修士課程をジャンプして博士課程修了
1980年 Ph.D 授与(理学博士)

職歴(概略)
1987-1990年 Massachusetts Institute Technology (MIT), Media Laboratory, Visiting Scientist(マサチューセッツ工科大学、メディアラボ、ビジティングサイエンティスト)
1990年 米国SRIインターナショナル(Stanford Research Institute:世界最大級の研究機関)に入社。以後、ソフトアクチュエータ(誘電エラストマを含む)を始め、各種の研究・開発を担当・推進。
2000年より 先端研究開発プロジェクト担当 本部長(Executive Director)
2011年1月末 SRI退社
2012年1月 千葉科学研究所 代表
現在に至る

主な著書:
・シミュレーション発想(コンピュータが生んだ疑似空間の可能性)ダイヤモンド社
・マイクロマシン技術と応用(分担執筆)シーエムシー出版
・エコ・エネ都市システム(分担執筆)省エネルギーセンター
・導電性材料大全集上・下(分担執筆)技術情報協会
・海洋再生エネルギーの市場展望と開発動向(分担執筆)サイエンス・テクノロジー社
・Recent Advances in Wireless Communications and Networks, In Tech 2011,Chapter 20
・Design for Innovative Value Towards a Sustainable Society Springer 2011   “Innovative Power Generation System for Harvesting Wave Energy”, p.1002-1007
・Soft Actuators ( Materials, Modeling, Applications, and Future Perspectives). Springer 2014, Chapter 13&32
・今後の超高齢化社会に求められる生活支援(医療・福祉・介護・リハビリ)ロボット技術、分担執筆、情報機構2015
・進化する誘電エラストマ人工筋肉、&Tech、2016-7
・ソフトアクチュエータの材料開発とロボット・デバイスへの応用技術(仮題)」、2章2節と5章2節、2016-11予定
その他多数
学術発表、論文、雑誌、講演:各種学会の招待講演を含め多数は発表

賞:
2004年 SRIヒーロー賞
2005年 オルガテクノ大賞、特別賞
2006年 オルガテクノ大賞 新技術部門賞
2007年 The 5th International Symposium on Environmental Conscious Design And Inverse Technology (Eco Design 2007)にて、Best Paper Award 受賞
2010年 SRIゴールデンナゲット賞
 

 

1. 人工筋肉型アクチュエータの現状
 1.1 エレクトロアクティブポリマー(EAP)概論
 1.2 イオンや磁気などを利用したエレクトロアクティブポリマーとその特徴
 1.3 電気を利用するエレクトロアクティブポリマーとその特徴
 1.4 誘電エラストマの開発の歴史
 1.5 誘電エラストマトの比較

2. 日本および海外の研究開発動向

3. 誘電エラストマ・アクチュエータの進化と今後
 3.1 アクチュエータの動作原理、求められる素材・特性と構造、製作法や使用時のポイント
 3.2 誘電エラストマ・アクチュエータの各種デバイスの素材とその応用例
  ①ポンプ、モータ、スイッチなどへの応用
  ②スマートマテリアルなどへの応用(マイクロ工場への応用など)
  ③指向性を有したスピーカ、ソナー、ノイズリダクション・システムなどへの応用
  ④医療用デバイスへの応用
  ⑤高出力アクチュエータへの挑戦
  ⑥ロボット、介護機器、パワースーツ等への応用
  ⑦地震から建物を守る誘電エラストマ
  ⑧宇宙への挑戦
  ⑨素材等の今後の改善点

4. 誘電エラストマのセンサへの応用
  ①原理・特徴及び求められる素材・特性と構造
  ②医療、スポーツ、ロボットや車等への応用

5. 高効率人工筋肉発電システムへの応用
 5.1 発電システムの動作原理と今後
 5.2 誘電エラストマ発電システムと求められる素材・特性と構造及びその応用例
  ①小型発電システムとワイヤレスシステムなどへの応用
  ②ウエアラブル発電システム
  ③波発電システムと水産業などへの応用
  ④マイクロ水力発電システムと一次産業への応用
  ⑤回転翼を持たない新しい風力発電への挑戦
  ⑥廃熱や太陽熱を利用した発電システムへの応用
  ⑦誘電エラストマ発電システムの今後の改善点及び将来

6. 誘電エラストマの駆動体験および今後の展開
  ①誘電エラストマの今後の展開
  ②誘電エラストマ・アクチュエータ、発電素子等のデモを実施
  ③誘電エラストマを今後自社で研究・開発をしたい企業・研究機関への支援

【質疑応答 名刺交換】

<キーワード:1.人工筋肉 2.ソフトアクチュエータ 3.EAP 4.誘電エラスト、5.波発電 6.振動発電 7.センサ、8. ロボット、9.介護機、10.パワースーツ>
 

 

第2部 
誘電エラストマ・アクチュエータ、発電素子等のデモを実施します
和氣美紀夫 氏
(有)Wits 代表取締役社長

 
<講師略歴>

栃木県出身。2代続いた建具職人の二男。子供のころからもの作りが好きで、完成された玩具を買った記憶が無い。”無いものは作る”を心情として、常に新しいことにチャレンジし続けている。
趣味は、フライフィッシュング。釣歴は約35年で、フライと呼ばれる擬餌(毛バリ)から竹竿、剥製まで自作する。

職歴(概略)
1984年 富士通㈱に入社後、約20年間同社で移動体通信関連の製造や技術評価に携る。
2003年 ものづくりコーディネーターとして有限会社Witsを設立。同社で製造ラインの改善や新しい試験技術の委託開発をはじめる。
2006年 ㈱HYPERDRIVE設立とともに同社の取締役副社長兼技術本部長に就任。誘電エラストマー人工筋肉を利用した発電システムや音響システム等の研究・開発を行う。
2010年 同社を退職後、有限会社Witsにて、誘電エラストマー人工筋肉の素材を含む総合的な研究開発を続ける。
2012年 産業技術総合研究所 関西センターの客員研究員を1年間兼任。

専門:電気・通信技術全般、材料全般および加工技術,人工筋肉創製技術等

主な著書:千葉との共著が多い(千葉略歴を参照)。
学術発表:千葉と国内外の各種の学会等で、多数の共同発表をしている(千葉略歴を参照)。

賞:
2007年 The 5th International Symposium on Environmental Conscious Design
And Inverse Technology (Eco Design 2007)にて、千葉と共にBest Paper Award 受賞