化学品の市場調査、研究開発の支援、マーケット情報の出版

S&T出版セミナー

       開催日時:2016年10月7日(金)12:30~17:00
       会  場:高橋ビルヂング(東宝土地(株)) 会議室
            東京都千代田区神田神保町3-2   → 会場へのアクセス 
       参 加 費:52,000円(税込) ※ 資料代を含む

講 師

【第1部】 仙波 健 氏 / (地独)京都市産業技術研究所 高分子系チーム 研究副主幹
 
博士(学術)
研究内容:プラスチック成形加工,プラスチック複合材料

【第2部】 荒木 潤 氏 / 信州大学 繊維学部 機能高分子学コース・国際ファイバー工学研究所 准教授

【略歴】
1996年 東京大学農学部林産学科卒業
1998年 東京大学大学院農学生命科学研究科修士課程修了
2001年 東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程修了 博士(農学)
2000年 日本学術振興会特別研究員
2002年 科学技術振興特任研究員
2005年 JST-CREST研究員
2005年 アドバンスト・ソフトマテリアルズ株式会社 技術顧問(兼任)
2007年 信州大学 ファイバーナノテク国際若手研究者育成拠点 テニュアトラック助教
2012年 信州大学繊維学部 准教授
2014年 信州大学学術研究院 准教授(繊維学系)に配置換え
2014年 信州大学国際ファイバー工学研究所(兼任)
(現在に至る)

【研究内容】
セルロース・キチンナノウィスカーの表面修飾と高機能フィラー材料への応用
種々のポリロタキサン誘導体の調製およびそれらを用いた新規機能製材料の創製

【受賞歴】
Jun Araki, 4th Asian Cyclodextrin Conference 2007, The Nagai Poster Prize,
The Grand Prize(第4回アジアシクロデキストリン国際会議 最優秀ポスター賞).
平成26年度セルロース学会賞奨励賞
 

 
【第3部】 内田哲也 氏 / 岡山大学大学院自然科学研究科 応用化学専攻 准教授

【研究略歴】
1996年-2002年(岡山大学)剛直高分子の結晶化,結晶欠陥に関する研究
2002年-2003年(米国ジョージア工科大学)
カーボンナノチューブ/高分子複合体の構造と物性
2003年9月-現在 (岡山大学)
結晶化を利用したナノファイバーの作製と応用、高性能高分子材料開発
光電変換色素固定ポリエチレンフィルムを用いた人工網膜の開発

【受賞歴】
2003年5月 高分子学会・高分子研究奨励賞
2004年6月 繊維学会・論文賞
2011年3月 繊維学会関西繊維科学研究奨励賞
2014年7月 平成26年度内山勇三科学技術賞 他4件

【第4部】 伊藤弘和 氏 / トクラス㈱ 技術開発センター

【略歴】
 ・岐阜大学農学研究科修了
 ・学位 博士(農学)
 ・住友大阪セメントを経てヤマハリビングテック(現トクラス)で、木材とプラスチックの複合化に関する研究に従事
 ・山口大学理工学研究科客員教授を併任
 ・日本材料学会木質部門委員会業績賞受賞

プログラム詳細

第1部 セルロースナノファイバーのカオチン化処理と疎水化処理
    (地独) 京都市産業技術研究所 仙波 健 氏  [12:30~13:30]

【講演趣旨】
 持続的再生可能資源である植物の基本骨格であるセルロースナノファイバー(CNF)は,優れた特性から最近注目されている。本発表では,CNF/熱可塑性樹脂コンポジットにおいて,これまで取り組んだカチオン変性,疎水変性などの変性処理が,CNFの樹脂中での分散性,物性に及ぼす影響について紹介する。

【講演項目】

1. はじめに
 1.1 セルロースナノファイバーの基礎,期待される応用展開
 1.2 セルロースナノファイバーの国内開発状況

2. カチオン変性によるセルロースへの解繊性付与
 2.1 セルロースへのカチオン化剤の利用と種類
 2.2 カチオン変性セルロースによる樹脂の補強
 2.3 カチオン変性セルロース強化樹脂の構造,分散性

3. セルロースナノファイバーの疎水化処理による解繊性付与
 3.1 疎水化処理セルロースナノファイバーがもたらす樹脂物性向上事例
 3.2 疎水化処理セルロースナノファイバーが広げる加工温度範囲
 3.3 最新の疎水化セルロースナノファイバー強化樹脂複合材料の物性

【質疑応答・名刺交換】


第2部 セルロース・キチンナノウィスカーの表面装飾による分散性の制御
    信州大学 荒木 潤 氏  [13:40~14:40]

【講演趣旨】
 セルロース・キチンの「ナノウィスカー」は、天然セルロースおよび天然キチン試料の酸加水分解により得られる棒状ナノ微結晶粒子であり、古くから食品添加物や化粧品材料など様々な面で応用されてきた。近年はその高結晶性、低比重、無毒性、高弾性率、高強度などの優れた利点を活かし、ナノ複合材料のフィラーとしての応用が盛んに研究されている。フィラーとしての応用に際しては、マトリックス内におけるナノウィスカーの高い分散が重要である。本講演では、ナノウィスカー表面への種々の荷電基の制御された導入、および表面への高分子鎖結合による立体安定化について、当研究室で得られた成果を中心に解説する。

【講演項目】

1. はじめに~セルロース・キチンナノウィスカーとは~

2. ナノウィスカーの静電安定化と立体安定化

3. ナノウィスカー表面荷電基の制御と物性の変化
 3.1 種々の荷電基の導入
 3.2 粘性挙動の変化
 3.3 液晶形成挙動の変化

4. ナノウィスカーの立体安定化
 4.1 界面活性剤吸着法
 4.2 granting onto法
 4.3 grafting from法

5. ナノウィスカーの応用例

6. 新規良分散性ナノウィスカーの簡便な調製法

7. おわりに

【質疑応答・名刺交換】


第3部 高分子結晶での被覆によるセルロースナノファイバーの表面改質
    岡山大学 内田哲也 氏  [14:50~15:50]

【講演趣旨】
 セルロースナノファイバー(CeNF)は、高強度、高弾性率、低熱膨張性など優れた特性を有することが知られている。また太さが5~100 nm程度、長さが数~数十μmと非常に細く、アスペクト比が大きい繊維である。このためCeNFは複合体の優れたフィラーとして期待される。しかしCeNFの自己凝集性の強さから、乾燥時や貧溶媒中で凝集してしまう傾向にある。そのため複合体中にCeNFを分散させることが困難であり、期待される補強効果を得ることが難しい。 そこで我々はCeNFを核材とした高分子の希薄溶液からの結晶化を利用して、CeNF表面を高分子結晶で被覆したナノ複合繊維(NCF)を作製する方法を確立した。NCFはCeNFのまわりを高分子結晶が覆うことでCeNFの自己凝集性の抑制、表面の凹凸による添加効果の増大が期待されている。本講演ではNCFの作製法や構造の特徴および作製したNCFを用いた複合体フィルムへの応用についても論述する。

【講演項目】

1. セルロースナノファイバー(CeNF)の特徴

2. CeNFを核材とした高分子の結晶化
 2.1 CeNF濃度と結晶化温度の関係

3. CeNF表面を高分子結晶で被覆したナノ複合繊維(NCF)
 3.1 形態の特徴
 3.2 構造制御
 3.3 分散性

4. NCFをフィラーとして利用した複合体の作製と物性評価
 4.1 作製法と構造、物性の特徴

5. 種々の高分子結晶を用いたCeNFの表面改質

6. その他のナノセルロースへの応用

【質疑応答・名刺交換】
 


第4部 ケイ酸カルシウム水和物によるミクロフィブリル化セルロースの表面改質
    トクラス㈱ 伊藤弘和 氏  [16:00~17:00]

 
【講演趣旨】

 セルロースとプラスチックの複合化技術から得られた課題及びその解決策をベースにCNFの複合材利用に向けた取り組みに関して説明。特に、今回は、ケイ酸カルシウム表面処理による利用技術を詳細に解説。

【講演項目】

1. バイオマス素材とプラスチックの複合化技術
 1.1 ウッドプラスチックの概要
 1.2 セルロース素材が有するポテンシャル
 1.3 ウッドプラスチック技術の課題
 1.4 ウッドプラスチック技術の展望

2. CNFの複合材利用
 2.1 CNFを複合材分野に活用するためには
 2.2 CNFコンパウンド技術に関して
 2.3 CNF活用のプロジェクト(環境省との取組に関する説明)

3. ケイ酸カルシウム表面処理CNFに関して

4. まとめ

【質疑応答・名刺交換】