化学品の市場調査、研究開発の支援、マーケット情報の出版

-自動車構造系部品の信頼性を支える必須技術-

エヌ・ティー・エスセミナー

       開催日時:2016年3月11日(金)10:30~16:30
       会  場:オーム社・第2ゼミルーム
             東京都千代田区神田錦町3丁目1番
            
 
       受講料:49,680円(税込)/1人 ※ 資料を含む

セミナーの趣旨

★ 自動車・機械部品や橋梁等の構造物において、金属材料の疲労に伴う破壊は重大事故に繋がる事も多く、マスコミでも盛んに喧伝されます。しかし疲労破壊を設計段階で予測し、安全を担保する事は現在でも非常に難しい課題です。疲労破壊を減らすためには材料や材料強度に関する広範な知識が必要です。
★ 本セミナーでは、鉄鋼材料を中心に材料の基礎知識から、疲労強度および疲労強度の向上方法までを分かりやすく解説致します。広範な知識を必要とし理解が難しい疲労現象は、過去の破壊事例に学ぶ事が近道ですので、実例や講師の経験を交えながら分かりやすく解説致します
★ 対象:自動車・機械の構造系部品、橋梁・鉄鋼等の構造物の設計・研究・開発・実験・品質保証に関わるエンジニア、及び金属材料の研究開発関連エンジニアの方々etc.
 

講 師

宮本泰介氏 ㈱ワールドテック 講師 工学博士
     (元)トヨタ自動車㈱ FC技術部 プロフェッショナル・パートナー
 
講師プロフィール
1974年 早稲田大学大学院理工学研究科金属工学専攻卒業。
同年、トヨタ自動車工業㈱ - トヨタ自動車㈱入社。
技術、生産技術部門で鋼材料を主とする材料開発や表面処理技術開発に従事。
鉄鋼メーカと共同での新規鋼導入開発や、鋼部品の高強度軽量化技術開発などを進めた。
1999年より 燃料電池自動車開発に携わり、高圧水素、腐食といった特異環境に対応した材料の評価・選定業務を担当。この中で、世界的にも類例が少ない高圧水素環境下での鋼の疲労度の研究を進め九州大学とともに論文発表。
2012年に工学博士取得(九大)。
同年、トヨタ自動車㈱を退職。現在に至る。

最終役職、FC技術部 プロフェッショナル・パートナー。

プログラム

● 時 間 10:30~16:30 
● 内容
 金属疲労の基本事項を、自動車メーカーにおける経験に基づいて広く解説していきます。金属材料や熱処理、表面硬化処理などと疲労強度の関係について重点を置いて解説しますので、金属疲労について実務に生かしやすい知識を得られます。
 また、水素と疲労強度に関する最新の知見についても解説します。疲労強度を低下させる環境要因の中で、水素の影響が特に大きいことを理解します。これらの知見を活用すれば、製品の信頼性設計に生かす事ができます。
 

プログラム詳細

Ⅰ.金属疲労とは
 1. 製品・構造物の破壊形態
 2. 疲労破壊事故事例紹介
 3. 疲労強度が必要な製品例紹介(自動車部品,ねじ,他)
 4. 代表的金属の強度とその材質的要因

Ⅱ.結晶構造と強度
 1. 金属結合
 2. 結晶構造と結晶のすべり面
 3. 純金属(完全結晶)の理論せん断応力と実測値との乖離
 4. 結晶の欠陥と強度
  ・ 転位の存在と転位の運動による金属の変形メカニズム
  ・ 結晶粒界(結晶粒の大きさ)と強度
 5. 金属の基本的な強度向上方法(転位を動きにくくする方法)
  ・ 固溶強化,結晶粒微細化,析出硬化,加工硬化,変態現象の利用
 6. 材料強度評価方法および応力
  ・ 金属組織,硬さ
  ・ 破面観察(代表的破面,高圧水素中疲労破面など実例紹介)
  ・ 引張り試験および応力と降伏条件

Ⅲ.疲労強度
 1. 疲労試験方法(各種試験機,試験応力表示方法,試験周波数の影響)
 2. 疲労強度の表し方と疲労限度および統計的疲労限度の求め方
 3. 疲労限度が存在する理由,ギガサイクル疲労
 4. 金属疲労のメカニズム
 5. 疲労強度への形状因子の影響
  ・ 表面粗さ
  ・ 応力集中と応力勾配
  ・ 寸法効果
  ・ 切欠き係数(疲労限度減少係数)
 6. 疲労き裂の停留と疲労限度
 7. 疲労限度線図(疲労限度への平均応力の影響)
 8. 実働応力の扱い方(応力波形の読み取り方法,マイナー則)
 9.疲労き裂成長の破壊力学的扱い(応力拡大係数,パリスの式など)
 10. 接触応力による疲労について(転動疲労,フレッティング疲労)
 11. き裂(欠陥)の非破壊検査方法

Ⅳ.疲労強度向上方法と環境因子の影響
 1.疲労強度に及ぼす材料因子の影響
  ・硬さ(引張り強さ),介在物(√area 法),鋳造材料,溶接部
 2.表面硬化処理による疲労強度向上
  ・ 浸炭焼入れ,高周波焼入れ,軟窒化,ショットピーニング,表面ロール加工
  ・ 表面残留応力の影響と測定方法(X線回折)
 3. 疲労強度に及ぼす環境因子の影響(鉄系材料)
  ・ 腐食環境,窒素ガスと水素ガス環境,温度
 4. 疲労強度に及ぼす水素の影響(鉄系材料)
  ・ 鉄系材料への水素侵入量(腐食環境,高圧水素ガス)
  ・ 高圧水素ガス中での鋼の引張り強度と疲労強度(水素侵入量の影響)
  ・ 塑性変形部への水素の集積(実験結果と事例紹介)