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S&T出版セミナー

       開催日時:2016年1月29日(金)10:30~16:30
       会  場:高橋ビルヂング(東宝土地(株)) 会議室
            東京都千代田区神田神保町3-2   → 会場へのアクセス 
       参 加 費:49,800円(税込) ※ 昼食・資料代を含む

講 師

小川俊夫 氏 / 金沢高分子ラボ 代表

【略歴、学協会、著書等】
1985~2013年 金沢工業大学教授、現在同大学名誉教授
日本接着学会永年会員、高分子学会フェロー、日本分析化学会永年会員
6年間にわたり「日本接着学会誌」編集正、副委員長
日本接着学会出版、「接着ハンドブック(第4版)」、編集委員長(日刊工業)
 

セミナーの趣旨

 プラスチックの表面処理はほとんどの場合、接着性向上のために行われる。これには物理的な方法と化学的な方法がある。物理的処理の代表格はコロナ処理である。最近は大気圧プラズマ処理という方法がポピュラーになってきているが、効果の本質は変わらない。火炎処理も自動車部品のような大きな材料にはよく適用されている。これらは言ってみれば極表面を酸化させることである。しかも高速で極表面(数nm)だけを酸化するだけであるので、材料自身の特性にはほとんど影響を及ぼさずに、接着性だけを改善してくれる。いくつかの物理的処理方法についての長所短所について詳しく述べる。
 もう一つの化学的方法の代表的なものはシランカップリング剤による処理である。これは極めて簡単に実施できる処理である。シランカップリング剤の希薄水溶液に材料を浸漬後乾燥するだけで処理が完了する。こうした材料を相手材料と圧着するだけでかなり強固な接着力が得られる。あるいはイソシアネート基を有する化合物を使用しても強い接着力が得られる。これらの方法は万能というわけではないが、材料によっては極めて優れた接着性改善につながる。
 接着そのものに注目すれば、何の接着剤も使わずに熱圧着だけで済む場合もあるし、レーザー照射だけでも接着が可能な場合がある。これら多くの接着に関連した処理法について時間の許す限り詳しく述べたい。
 

本セミナーで得られる知識

 受講者各自課題に対する関心の程度は異なるので、できるだけ質疑応答を行ってその辺の調整をしたい。
 

プログラム詳細

1. 接着の基本
 1.1 接着の条件
 1.2 分子間力と化学結合力
  1.2.1 ファンデアワールス力
   1.2.1.1 常温接合と熱溶着
   1.2.1.2 レーザー溶着
   1.2.1.3 溶剤接着とゲル接着
  1.2.2 水素結合力
  1.2.3 シランカップリング剤
  1.2.4 イソシアネート化合物
  1.2.5 エポキシ樹脂

2. ぬれ性と表面張力
 2.1 接触角とYoung式
 2.2 表面張力の存在と測定法
 2.3 液体の表面張力
 2.4 高分子等の固体の表面張力
 2.5 ぬれ性と官能基
 2.6 官能基の極性
 2.7 表面脆弱層(WBL)の存在
 2.8 表面粗さの表現と接着強度への効果

3. 表面処理
 3.1 コロナ処理
  3.1.1 湿度効果
  3.1.2 電極形状効果
  3.1.3 雰囲気ガスの影響
 3.2 低圧プラズマ処理
 3.3 大気圧プラズマ処理
  3.3.1 電極接近型
  3.3.2 パルスプラズマ型
 3.4 火炎処理
  3.4.1 通常処理
  3.4.2 イトロ処理
 3.5 紫外線照射
 3.6 シランカップリング剤処理
 3.7 グラフト化

4. 表面処理に関する分子論的考察
 4.1 高分子鎖への官能基付与
 4.2 分解現象
 4.3 架橋現象
 4.4 処理効果の経時変化

5. 表面のキャラクタリゼーション
 5.1 X線光電子分析法(XPS)
 5.2 全反射赤外分光法(FTIR-ATR)
 5.3 原子間力顕微鏡法(AFM)
 5.4 飛行時間型二次イオン質量分析法(Tof-SIMS)

6. 実際例
 6.1 表面処理と碁盤目試験による塗膜の接着強度の評価
 6.2 LDPEとPETの接着剤なしの接着
 6.3 芳香族ポリイミドと銅箔の接着
 6.4 ポリエチレンビニルアセテート共重合体とアルミニウムの接着
 6.5 火炎処理によるポリプロピレン同士の接着
 6.6 炭素繊維複合材料同士の接着