好評第7回(今年は質問がしやすい会場開催)
新たな実験結果も加え、理論、実験条件・結果/グラフ・写真、考察、対策を200超のスライドで詳細解説
S&T出版セミナー
開催日時:2024年10月9日(水)13:00~16:30
会 場:連合会館 502会議室 → 会場へのアクセス
〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台3-2-11
受 講 料:46,200円(税込) ※ 資料付
備考
【配付資料】
・本セミナーの資料はPDF形式(電子データ)の予定です。
・e-mail添付 または ダウンロード方式にて配布いたします。
【禁止事項】
セミナーで公開・使用される資料、講演内容の静止画、動画、音声のコピー・複製・記録媒体への保存を禁止いたします。
講 師
野口 昭治 氏
東京理科大学 創域理工学部 機械航空宇宙工学科 教授
博士(工学)、技術士(機械部門)
○略歴
1985.3 東京工業大学理工学研究科生産機械工学専攻修了
1985.4 日本精工株式会社入社
研究、開発、設計部門に勤務経験
2002.3 日本精工株式会社退職
2002.4 東京理科大学 理工学部機械工学科 助教授、准教授を経て現在に至る
○受賞歴
精密工学会論文賞(1992、2005)
精密工学会高城賞(2021)
日本機械学会 情報・知能・精密部門優秀講演論文賞(1997)
日本設計工学会論文賞(1999)
日本設計工学会武藤栄次賞優秀設計賞(2006、2020)
日本機械学会機素潤滑設計部門業績賞(2009) 等
○所属学会
精密工学会、日本機械学会(フェロー)、日本トライボロジー学会、日本設計工学会、日本工学教育協会
○役職経験
精密工学会理事、日本トライボロジー学会理事、日本設計工学会理事
日本機械学会機素潤滑設計部門 部門長、広報委員長、技術企画委員長 等
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セミナーの趣旨
転がり軸受は、日本人の食生活に例えて“機械の米”と呼ばれることもあり、機械システムを構成する上で欠くことのできない機械要素です。機械設計においては、転がり軸受を機械の仕様に合わせて選定することが仕事となりますが、基礎的な条項をしっかり理解していないと、大きなミスにつながります。
最近では、インバータによるモータの回転速度制御が普及するにつれて、家電品でも電食が見られるようになりました。電食は機械的な損傷ではありません。また、転がり軸受の内部を電気が流れるような設計は本来していないはずですので、電食が発生するとその原因はよくわからないことが多くありました。このセミナーでは、電食が発生する条件、リッジマーク成長過程の観察、電食を防止する方法を説明いたします。転がり軸受の電食に特化したセミナーは珍しいと思います。参加者の皆様にとって有意義となるセミナーにしたいと考えております。
プログラム
1.1 直流における電食発生電流密度
○軸受内部で本当に放電が起こっているのか?
○電食発生の目安について
○電食発生における電流密度の目安
○実験装置
○実験条件(608電流値と電流密度、6201電流値と電流密度、6203)
○実験結果
○3型番の電食発生電流密度のまとめ
1.2 電食が発生する直流電圧
○実験装置
○実験条件
○実験結果(NS7、NDS)
○4種類のグリース実験のまとめ
○グリース基油粘度と電食発生電圧の関係
○電食耐電圧実験のまとめ
2. リッジマーク形成条件と成長観察
2.1 電食損傷と油膜パラメータの関係
2.1.1 回転速度を変化させた場合
○実験装置
○実験条件1(回転数)
○軸受内部観察結果(300/min、2700/min)
○実験のまとめ(300~1500/min、1800~5400/min)
2.1.2 表面粗さを変化させた場合
○内輪軌道面表面粗さの振動値
○表面粗さ良品内部観察結果
○表面粗さ標準品内部観察結果
○表面粗さ大品内部観察結果
○実験結果のまとめ
2.1.3 グリース基油粘度を変化させた場合
○実験条件
○内部観察結果(高粘度、NSC)
○内部観察結果(低粘度、PS2)
○実験結果のまとめ
2.1.4 リッジマークの形成条件
○リッジマーク形成と振動周波数
○発生する振動の周波数
○実験装置
○実験条件
○試験結果(1800/min、3600/min)
○考察
○まとめ
2.1.5 リッジマーク 形成過程の観察
○実験装置・条件
○軌道面(リッジマーク)の観察方法
○軌道面観察
○平面度測定
○リッジマーク形成過程
○まとめ
2.1.6 リッジマークの成長と振動上昇
○1つのリッジマークに注目した成長過程の観察
○リッジマークの成長と振動上昇の関係
○リッジマークの円周方向における連結と分離
○まとめ
2.1.7 3円筒試験装置(電食基礎試験機)を用いたリッジマーク形成観察
○電極接続パターンとリッジマーク形成状況
○振動上昇とリッジマーク形成状況
3. 電食防止に関する研究
3.1 導電性グリース
○鋼球において必ず電食が起こる実験条件
○先の条件における振動上昇結果
○導電性グリース実験条件
○導電性グリースの物性
○結果(導電性グリース)
○導電性グリースの効果
○考察
3.2 セラミックス転動体
○実験条件
○セラミック玉軸受の電食耐久試験結果
○セラミック玉軸受の入力電圧と温度変化
○セラミック玉軸受内部観察結果
3.3 導電性グリースをバイパスとして用いる方法
○実験装置
○実験条件
○結果(予備実験)
○実験結果
○内部観察結果(天動体)
○内部観察結果(内輪軌道面)
○考察
○まとめ
4. 高電圧高周波環境下での電食
○試験軸受とファンモータ
○実験装置
○実験条件
○実験結果
○音圧測定結果
○実験2(軸受だけを高電圧高周波環境で回転)
○実験条件
○実験結果
○実験結果の考察
○高電圧高周波環境下における電食のまとめ
5. EV用転がり軸受の電食に関する考察
○EV用転がり軸受の特徴
○これまでの電食と違いはあるのか
○絶縁皮膜軸受の研究動向
○セラミック球を用いた高電圧印加電食試験
・直流800V印加試験結果
・直流1000V印加試験結果
受講対象者
・受講に当たっての予備知識
実務経験があれば特になし
・受講対象となる業種、所属部門、レベル等
転がり軸受を使用する機械産業、モーターメーカーの新人、中堅技術者
学べる事
転がり軸受における電食特性と電食防止技術