化学品の市場調査、研究開発の支援、マーケット情報の出版

S&T出版ウェビナー

       開催日時:2023年6月8日(木)10:00~12:00
       受 講 料:38,500円(税込) ※ 資料付
       会  場:【WEB限定セミナー】※在宅、会社にいながらセミナーを受けられます。 

備 考

<Webセミナーのご説明>
本セミナーはZoomウェビナーを使用したWebセミナーです。
※ ZoomをインストールすることなくWebブラウザ(Google Chrome推奨)での参加も可能です。
お申込からセミナー参加までの流れは こちらをご確認下さい。
 
配付資料について
・本セミナーの資料はPDF形式(電子データ)の予定です。
・e-mail添付 または ダウンロード方式にて配布いたします。

講 師

柴田 善朗 氏
一般財団法人 日本エネルギー経済研究所 電力・新エネルギーユニット 担任補佐 研究理事

<講師略歴>
 1992年:東京大学 工学部 航空学科卒業,1994年:東京大学大学院 工学系研究科 航空宇宙工学専攻 修士課程修了,1994年:㈱東芝 入社 エネルギー事業本部,1997年:フランス 国立パリ鉱業大学 修士課程修了,1999年:(株)住環境計画研究所 入所,2010年:日本エネルギー経済研究所 入所 計量分析ユニット,2013年: 同 新エネルギーグループ, 2022年から現職

【活 動】
“CO2から燃料を作ることはできない~水素・CCUに求められる正しい分類学~”, 日本エネルギー経済研究所 2022年7月 “カーボンリサイクル燃料の炭素源に関する試論(1)~(4)”, 日本エネルギー経済研究所 2021年 ”CCU ・カーボンリサイクルに必要な低炭素化以外の視点 - CCUS という分類学により生じる誤解 -”,日本エネルギー経済研究所 2020年2月 “低・脱炭素社会に向けたメタネーションの意義”, エネルギー・資源 Vol.41 No.1(2020) ” 分散型コージェネのカーボンニュートラルメタン利用による再エネ出力変動緩和”,第36回エネルギーシステム・経済・環境コンファレンス, 2020年1月 “カーボンニュートラルメタンのポテンシャルと経済性 - PtGとCCUの活用 -” ,第 35回エネルギーシステム・経済・環境コンファレンス, 2019年1月 柴田,“時間軸を踏まえたPower to Gasのビジネスモデル- 調整力の提供, 複数用途への活用,再エネ主力電源化への貢献 -”, IEEJ, 2018年8月 “水素による再エネ活用「Power to Gas」”, 電気総合誌オーム, 2018年4月 “Power to Gas と水素製造”, 水素エネルギーシステム, Vol.43, No.1 (2018) “我が国におけるPower to Gasの可能性”, エネルギー経済, 第42巻, 第1号, 2016年3月 “国内再生可能エネルギーからの水素製造の経済性”, 第32回 エネルギーシステム・経済・環境コンファレンス, 2016年1月 “ポストFITを見据えた太陽光発電と蓄電池のあり方-太陽光発電+蓄電池システムの競合性に関する分析-”,“系統対策としてのデマンドレスポンスの可能性”, 風力エネルギー, Vol.38, 通巻.112 (2014) “調整力制約を踏まえた風力発電導入ポテンシャルの評価”, 風力エネルギー, Vol.37, 通巻.107(2013)

セミナーの趣旨

 e-fuelは、船舶、航空、自動車用のクリーン燃料として期待されている。しかしながら、製造するために水素と併せて必要となるCO2の回収・利用・再排出という一連の挙動が、e-fuelのメカニズムと意義に対する正しい理解を阻害し賛否両論を巻き起こしている。更には、CO2排出削減効果の特定や帰属を難解にすることで、関連制度設計が非常に複雑になる可能性がある。制度が複雑になれば普及への障壁になる。
 e-fuelのメカニズムやそれに基づく意義を正しく整理し、近年の関連動向やその背景を概観しつつ、e-fuelのメリット・デメリットを議論する。

プログラム

1.e-fuelに関する最近の動向
 (1) 国内外の動き
 (2) 政策動向
  
2.水素とe-fuelの関係性
 (1) なぜ水素?
 (2) なぜe-fuel?
 (3) e-fuelは水素なのかそれともカーボンリサイクルなのか
 (4) ブルー水素からのe-fuel?
 (5) 水素、e-fuel、CCU、CCSの分類学
  
3.e-fuelが活躍できるかもしれない用途は?
 (1) 船舶、航空、自動車
 (2) 電気自動車、燃料電池自動車、水素エンジン自動車とe-fuel自動車の関係性
 (3) エネルギー貯蔵
  
4.厄介な制度
 (1) 避けられないCO2帰属の問題
 (2) CO2排出削減効果は制度設計次第という本質的な欠点
 (3) 揺りかごから墓場まで
  
5.エネルギー・産業の観点
 (1) エネルギーシステムに求められるシンプルさ・効率性
 (2) 国内既存産業との関連性
  

学べる事

 e-fuelはあくまで水素の次善策である。現在の化石燃料をベースとした成熟技術・インフラ・サプライチェーンを有効に活用しつつ水素を輸送・貯蔵・利用する手段である。e-fuelを普及させるためにはCO2排出削減効果の帰属に関する制度構築が求められるが、この制度は必ずしも科学的根拠に基づいたものにはならないリスクがある点には留意が必要である。他の選択肢との関係性を踏まえつつ、e-fuelを選択するとしても、本当にe-fuelは必要なのか、いつまでCO2を使い続けてe-fuelを必要とするのか、ということを考えなければならない。