化学品の市場調査、研究開発の支援、マーケット情報の出版

強靭性・自己修復性・接着性素材等を軸に
超分子架橋構造を駆使した高分子材料の近年の動向から、学術的な基盤、具体的な産業界への応用・展開まで俯瞰的に新材料の知識・ノウハウを習得することを目的とします!

 
※ 本セミナーはZOOMを使ったLIVE配信セミナーです。会場での参加はございません。

R&D支援センターウェビナー

       開催日時:2022年9月21日(水)10:30~16:30
       開催場所:【WEB限定セミナー】※ 会社やご自宅でご受講ください。
       参 加 費:55,000円(税込)

定 員

 30名

備 考

【Zoomを使ったWEB配信セミナー受講の手順】
1)Zoomを使用されたことがない方は、 こちら からミーティング用Zoomクライアントをダウンロードしてください。ダウンロードできない方はブラウザ版でも受講可能です。
2)セミナー前日までに必ず動作確認をお願いします。Zoom WEBセミナーのはじめかたについては こちら をご覧ください。
3)開催日直前にWEBセミナーへの招待メールをお送りいたします。当日のセミナー開始10分前までに招待メールに記載されている視聴用URLよりWEB配信セミナーにご参加ください。

・セミナー資料は開催前日までにお送りいたします。
 無断転載、二次利用や講義の録音、録画などの行為を固く禁じます。

講 師

ユシロ化学工業㈱ 技術本部 研究開発部 1課 主査
大﨑 基史 氏

【ご専門】
超分子科学、高分子科学、材料科学

【ご略歴】
2009年3月 大阪大学 大学院理学研究科 高分子科学専攻 博士後期課程 修了, 博士(理学)
2009年4月 大阪大学 大学院理学研究科, 特任研究員
2017年6月 大阪大学 大学院理学研究科, 特任助教
2018年7月 大阪大学・ユシロ化学工業 ポリマーゲル共同研究講座
      (現・ポリマーゲル共同研究部門)
2019年4月 大阪大学 大学院理学研究科, 特任講師
2021年6月 ユシロ化学工業株式会社, 技術本部 研究開発部, 主査

ユシロ化学工業㈱ 技術本部 研究開発部 1課 課長
高橋 宏明 氏

【ご専門】
化学工学

【ご略歴】
2005年4月 入社  当社事業 金属加工油剤の設計、開発
         微粒子分散技術の応用(大学技術を応用)
         化学物質の調合技術、乳化技術、プロセス開発
2015年      新規事業プロジェクトチーム
         当社の新規事業の専任技術員
         自己修復ポリマーの自ずと営業活動
2020年以降    研究開発部 課長
         本講演でお話しする自己修復性ポリマーの統括

受講対象・レベル

技術・営業・企画等々職域を問わず、高分子材料技術の動向に御興味をお持ちの方。
業種も高分子産業の方に限らず、周辺部材としての高分子や新素材・新材料に御興味をお持ちの方。 

必要な予備知識

特に制限はございません。中等・高等教育レベルの化学の知識があれば好ましいですが、高分子に関する高度な予備知識等は特には無用です。 

習得できる知識

・ホストゲスト相互作用等の分子間力を駆使した架橋構造(可逆的架橋・可動性架橋)
 を用いた高分子材料(超分子材料)に関する基礎的な知見
・超分子材料の最新の研究動向(材料接着、自己修復、強靭化、複合材料化等)
・超分子材料の社会実装に向けた各種動向
・具体的な適用例・実装化ノウハウ 

趣 旨

 電子デバイスや、電気自動車、医療機器・器具、社会インフラ、生活周辺製品など産業界各分野の激しい技術革新に要請されるように、それらを周辺で支える高分子素材には、高強度・高靭性・高追従性・高復元性などさらなる性能向上や抜本的な新機能付与が求められている。
 また、SDGs等の世界動向からも、高分子材料の高耐久化・長寿命化・メンテナンスフリー化への対応は社会的急務である。これらの要求性能を満たすためには、従来にはない分子設計・材料設計が必要であり、高分子鎖ネットワークの可逆性架橋化/可動性架橋化といったアプローチが近年盛んである。これらの成果として、力学特性の向上のほか、自己修復性や選択的接着、異種材料接合、刺激応答性などの、これまでにない機能が実現されてきている。
 本講演では、超分子架橋構造を駆使した高分子材料の近年の動向に触れつつ、学術的な基盤から具体的な産業界への応用・展開まで俯瞰的に新材料の知識・ノウハウを習得することを目的とする。

プログラム

1. 高分子の新材料について
   1-1. 重合反応とその制御
   1-2. 共有結合による高分子の架橋
   1-3. 分子間相互作用を利用した機能化
      (1)選択的接着による高分子材料の自己組織化
      (2)異種材料間の接着
  
2. 超分子材料 ~ ホストゲスト相互作用による高分子ネットワーク
   2-1. 可逆性架橋構造
   2-2. 可動性架橋構造
   2.3. ホストゲスト架橋の複合ネットワーク化
   2-4. 異種材料との複合化
  
3. 自己修復材料開発について概観
   3-1. マイクロカプセルを用いた自己修復性材料
   3-2. 光刺激を用いた自己修復性材料
  
4. 逆的結合を用いた自己修復性高分子材料の動向
   4-1. Deals-Alder反応を用いた自己修復性材料
   4-2. 水素結合を用いた自己修復性材料
   4-3. 金属配位を用いた自己修復性材料
   4-4. 動的共有結合を用いた自己修復材料
  
5. ホスト-ゲスト相互作用の自己修復性材料への展開 ~ 強靭化も見据えて
   5-1. ホスト-ゲスト相互作用を用いた自己修復材料の材料設計
   5-2. ホストポリマーとゲストポリマーを用いた自己修復材料
   5-3. ホスト-ゲストポリマーによる自己修復性機能
   5-4. 犠牲結合が拓く力学特性
   5-5. ゲルからバルク材料へ ~ あらゆるポリマーへの展開
   5-6. 架橋点が自由に動く材料の力学特性
  
6. 超分子材料研究の機能化最前線
   6-1. 超分子によるハイブリッド材料化
   6-2. 刺激応答性素材
  
7. 超分子材料の産業界への展開
   7-1. 新規事業を成功させるまで
   7-2. 自己修復材料の市場ニーズ
  
8. 超分子材料の開発 ~モノマー合成から超分子材料ができるまで~
   8-1. ホスト、ゲスト分子の量産化
   8-2. 強くて乾かない自己修復性ゲル「ウィザードゲル」の開発
   8-3. 強度を飛躍的に向上させた
      自己修復性エラストマー「ウィザードエラストマー」の開発
   8-4. 使用環境への配慮 ~ 無毒劇物化・疎水化
  
9. 超分子材料の良さをあらゆる材料へ
   9-1. 汎用樹脂の機能性向上が可能な添加剤開発
   9-2. 超分子材料のニーズと取り組むべき方向性
   9-3. 今後の展望
  
【質疑応答】