化学品の市場調査、研究開発の支援、マーケット情報の出版

~ 自動車関連を中心として ~

  ■ 発  刊:2019年3月29日
■ 定  価:60,500円(税込)
■ 体  裁:B5版 並製本 170頁
■ 発  行:R&D支援センター
   ISBN 978-4-905507-34-5

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著 者

<敬称略>
EMCプラザ         畠山 賢一
防衛大学校        山本 孝
山形大学         日髙 貴志夫
キーコム㈱        鈴木 洋介
広島大学         蔦岡 孝則【(執筆時)故人】
山口東京理科大学     笠置 映寛
兵庫県立大学       山本 真一郎
東京大学         大越 慎一
東京大学         生井  飛鳥
シーエムシー技術開発㈱  河邊 憲次
藤倉化成㈱        菅 武
塚田理研工業㈱      塚田 憲一
京都工芸繊維大学     泉 誠一

ご執筆いただいておりました蔦岡孝則先生はご執筆後、編集作業中にご逝去されました。
心よりご冥福をお祈りいたします。

共同研究者皆様のご尽力により蔦岡先生の原稿も掲載いたしております。

発刊にあたって

 電波吸収体、電磁遮蔽材は、時代毎に要請される課題を解決するように改良され、現在に続いている。最近、ミリ波レーダが車に搭載されるようになり、ミリ波用電波吸収体が注目を浴びている。電磁波利用システムが計画通り稼働するためには、ETC の場合と同様に電波環境を整備することが必要である。ミリ波帯電波吸収体は、一部は既に開発が行われている。車載レーダシステムにおける電磁環境については、自動運転レベルの進行に合わせて、車周囲の電磁環境も平行して検討され、課題が具体化されると期待される。これにより、電磁環境を解決するための電波吸収体、遮蔽材、必要により全透過材などの開発が進むと期待される。
 自動車の駆動系については、内燃機関からハイブリッドや電気自動車へ急速に移行しつつあるので、これら大電力機器から発生する低周波の電磁環境にも対応が必要である。低周波電磁界の遮蔽、特に近傍界の磁界遮蔽は、一般に遮蔽が難しいと言われる技術領域であり、早急な検討が必要である。
 以上述べたように、車の安全・安心性能を含む高機能化を推進するためには、車を取り巻く電磁環境に対応した、車載用/インフラ用の電波吸収体、電磁遮蔽材などが必要となる。
 本書はこのことを念頭に編集されたもので、
 第1章では電波吸収体、電磁遮蔽材について、反射波、透過波の発生から吸収材、遮蔽材の設計法、評価法など電波吸収体や遮蔽材を扱う際の必須となる基本諸項目を詳しく解説している。
 第2章では吸収・遮蔽材に関係する最先端材料技術の成果、および吸収体や遮蔽材の開発事例をまとめた。
 第3章では、自動車関連を中心にEMC の規格動向をまとめた。
 電波吸収体、遮蔽材を理解し、利用する際のご参考となれば幸いである。

 (はじめにより 一部抜粋)

目 次

目次一覧PDF
はじめに

第1章 電磁波遮蔽・吸収体の特性・設計・評価法

 第1節 電磁波の種類と発生・反射メカニズムと吸収・反射材の考え方

 第2節 材料による電波吸収体・電波遮蔽体のメカニズム

 第3節 電磁波遮蔽材・吸収材の設計法

 第4節 電磁波シールド・吸収材料の種類・特性と最新動向
  1.はじめに
  2.電磁波シールド材料
  3.電磁波吸収材料
  4.特性および評価方法
  5.遠方界の測定法

 第5節 電磁波吸収・遮蔽材の評価の考え方
  1.はじめに
  2.電波吸収体評価の考え方
  3.電磁遮蔽材評価の考え方

 第6節 電磁遮蔽・吸収体の評価法
  1.はじめに
  2.材料のシールド効果測定法
  3.ケーブル用シールド効果測定法
  4.電波吸収材料の測定法
  5.まとめ

第2章 各種電磁波吸収体・遮蔽材の開発

 第1節 人工誘電体を用いる電磁波吸収、遮蔽材
  1.はじめに
  2.人工誘電体の比誘電率
  3.人工誘電体を用いる電波吸収体
  4.人工誘電体を用いる透過特性の制御

 第2節 左手系材料を用いる電磁波吸収/遮蔽材
  1.はじめに
  2.左手系複合材料の物性と電磁界応答
  3.電磁メタマテリアルを用いた電波吸収/遮蔽

 第3節 金属線周期配列材を用いた広帯域電波吸収体、周波数選択性電磁遮蔽材の設計
  1.金属線周期配列材を用いる広帯域電波吸収体
  2.金属線周期配列材を用いる周波数選択性電磁遮蔽材
  3.金属線周期配列材と誘電体を用いる空間帯域通過フィルター

 第4節 イプシロン酸化鉄における磁気損失型ミリ波吸収特性
  1.はじめに
  2.イプシロン型-酸化鉄の基礎物性
  3.イプシロン酸化鉄の磁気特性
  4.イプシロン酸化鉄のミリ波吸収特性
  5.金属置換による磁気特性の制御
  6.金属置換型イプシロン酸化鉄のミリ波吸収特性
  7.おわりに

 第5節 カーボンマイクロコイルを用いた電磁波吸収材の開発と特性
  1.はじめに
  2.カーボンマイクロコイル(CMC)の特性
  3.CMCの電磁波吸収メカニズム
  4.CMCを活用した各種電磁波吸収材
  5.まとめ

 第6節 電磁波シールド塗料の設計・特性と用途展開
  1.はじめに
  2.シールド塗料の構成
  3.シールドのメカニズム
  4.電磁波とシールド塗料の相互作用の概念
  5.電磁波シールド塗料について
  6.磁気シールド塗料について
  7.部品シールド用導電性ペーストについて
  8.磁気シールド塗料の特性
  9.おわりに

 第7節 最新のプラスチックの電磁波シールドめっき技術
  1.はじめに
  2.電磁波シールドめっきの歴史
  3.電磁波シールドめっきのシールド効果の理論
  4.無電解めっきによるシールドめっきの規格
  5.シールドめっきのシールド効果の測定
  6.電磁波シールドめっきの工程
  7.無電解めっきによる電磁波シールドめっきの品質
  8.電磁波シールドめっきをするプラスチックの種類と設計上の留意点
  9.シールドめっき上の塗装
  10.無電解めっきの製造(金型―成型からも)
  11.塚田理研の試作、技術解析体制
  12.MIDの開発
  13.金属のシールドめっき

第3章 国内外のEMC規格・規制動向~自動車関連を中心として

 1.はじめに
 2.自動車EMC規格の概要
 3.自動車EMC規格の解説
 4.あとがき