化学品の市場調査、研究開発の支援、マーケット情報の出版

 
* 本セミナーは開催済みです。再開催のご要望があれば、お知らせください。

        再開催を希望   

CMCリサーチセミナー

       開催日時:2017年11月24日(金)10:30~16:30 
       会  場:ちよだプラットフォームスクウェア 503  → 会場へのアクセス 
            〒101-0054 東京都千代田区神田錦町3-21
       受 講 料:50,000円(税込) ※ 資料代・昼食代含
             * メルマガ登録者は 45,000円(税込)
             * アカデミック価格は 38,000円(税込)
            パンフレット
 
 ★ アカデミック価格:学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院の教員、学生に限ります。
 ★ 【メルマガ会員特典】2 名以上同時申込で申込者全員メルマガ会員登録をしていただいた場合、2人目以降はメルマガ価格の半額です。
 ★ セミナーお申込み後のキャンセルは基本的にお受けしておりません。ご都合により出席できなくなった場合は代理の方がご出席ください。
 

セミナーの趣旨

 リチウムイオン電池の異常発熱や発火などを原因としたトラブルから、製品回収へと至ったり、使用や輸送等に新たに規制が加えられたりする例がここ数年、散見されるようになっております。リチウムイオン電池が異常発熱、発火等の非安全へと至るメカニズムとは? それらを抑えて安全を確保する技術とは? また、リチウムイオン電池の安全性に関連する規制や規格動向とは? 理論に秀でた大学教授と経験豊富なコン サルタントの二人が、リチウムイオン電池の安全性に関して”技術”と”規制・規格”の両面から語り尽くします。

セミナーで得られる知識

 ・ 実用リチウムイオン電池の基礎技術と性能評価
 ・ JIS、電気用品安全法など国内規格と安全性試験
 ・ UL、UNなどグルーバルな安全性試験規格の概要と適用範囲
 ・ UNECEなど欧米のEV用リチウムイオン電池の安全性試験
 ・ 中国のEV用リチウムイオン電池の安全性基準
 ・ リチウムイオン電池(セル)の輸送実務
 ・ 安全性試験の計画と実施への予備知識

プログラム

講演 1.
リチウムイオン電池が非安全機構になる機構と安全性確保策
10:30~12:30
 講 師: 鳶島真一 氏  群馬大学 理工学部 環境創生理工学科 教授
 【経 歴】 1979年 日本電信電話公社入社
2001年より群馬大学教授
 【概 要】  リチウムイオン電池はモバイル機器のみならず電気自動車、電力貯蔵装置等、今後飛躍的に市場が拡大されるとの経済予測がある。電池の高性能化を目指した 研究 開発の国際的開発競争が行われている。一方で工業製品としての安全性は十分とはいえず、毎年、発火の可能性がある電池のリコールがなされている。本講演ではリチウムイオン電池の安全性の基礎、現状と課題、安全性向上対策等について概説し高性能電池開発の助としたい。
【講演プログラム】
1. リチウムイオン電池の現状と今後

2.リチウムイオン電池が非安全になる機構

3.市販電池の現状の安全性確保策

4.モバイル機器用電池の市場トラブル例

5.各種機器、国内外における電池の市場トラブル例

6.安全性の現状に関する特徴

7.安全性向上の取り組み、対策
 7.1 電解液の安定性向上
 7.2 負極表面処理による安定性向上
 7.3 正極表面処理による安定性向上
 7.4 電解液の難燃性向上
 7.5 セパレータ
 7.6 全固体電池

8.リチウム電池の安全性評価方法

9.安全性と今後のビジネスチャンス

10.まとめと今後の展望

質疑応答 □ 


講演 2.
EVなどリチウムイオン電池の安全性規格の制定動向と今後の展開
(グローバルスタンダードの攻防と日本の状況)
15:00~16:20
 講 師: 菅原秀一 氏  泉化研
 【概 要】
 2017年後半は、EVに関しては激動の時間であった。中国、欧州の各国が数年先に、ガソリン乗用車を禁止し、前面的にEVないしZEV(PHVとFC燃料電池車を含む)に転換するとの内容を打ち出したことである。果たしてそれが可能であるか、地球環境の維持から見て必須であるのか、はたまた経済活性化を狙った荒療治なのか。誰にもその行方は明言出来ないであろう。
 その中で、重要な技術要素はリチウムイオン電池を含むEVの、安全性とコスト問題である。後者は今回の講演テーマからは外れるが、安全性は自動車と言うヒトの関わる社会環境での必須事項である。
 今回のセミナーのポイントでもあるが、安全性規格を定め、安全性試験をクリアすれば、EVは無事故(発火、破裂と漏液)がホントに担保出来るのか。UL、UN、ISO等々多くの規格や試験方法の中で、リチウムイオン電池やEVの実務はどの様に進めたら良いのか・・・この関係の業界はかなり五里霧中の中にあろう。
 更には国際的には、EVやPHV技術で先行した日本が、欧米とのグローバルスタンダードの攻防で微妙な立場にある。先行するUNECE(国連欧州経済委員会)のEV規格(R100)を例に、ULやISOの規格を解説する。
 本セミナーでは、実務担当者の業務に役立つ指針として、多くの規格や試験方法を解説し、その適応範囲や試験計画の立案に役に立つ内容としたい。
 
【講演プログラム】
1.リチウムイオン電池事故の概要と安全性規格
 1-1 電池事故の発生件数
 1-2 安全性試験の設定
 1-3 法規制、認証とガイドライン
 1-4 製品規格と測定規格
 1-5 各種規格の相互関係
 1-6 品質保証とPL
 1-7 機械的安全性試験と事例
 1-8 電気的安全性試験と事例
 1-9 安全性試験の考え方(リスクとハザード)

2.JIS規格と電安法(電気用品安全法)
 2-1 JISの経緯
 2-2 JISC8715-1,-2最新2012制定
 2-3 JISC8715-2の安全性要求事項
 2-4 電安法2008の最近の運用2016
 2-5 変更、改訂の動きと今後の動向
 2-6 関連する国内法規の直近改正

3.自動車用(EV、HV、PHV)の電池に関する諸規格と安全性試験
 3-1 Freedom CAR米国
 3-2 DOE & USABC米国
 3-3 EUCAR欧州とハザードレベル
 3-4 SAE
 3-5 UN/ECE国連欧州経済委員会グローバル規格類とISO、IEEEほか
 3-6 中国のQC/T2006EV用リチウムイオン電池の極めて優れた規格
 3-7 中国のGB/T3147.32015安全性試験規格と運用
 3-8 日本国内の動向JIS;”路上走行車を除く”(JISC8715-1,-2)

4.ULのリチウムイオン電池関係規格
 4-1 規格一覧と認証
 4-2 UL1642 汎用セル
 4-3 UL2580 EV用

5.国連危険物輸送基準勧告(UNオレンジブック)
 5-1 UNオレンジブックの内容(対象となる電池と輸送区分)
 5-2 安全性試験方法(T1~T8)とクラス9
 5-3 輸送に関する表示と書類、MSDS

6.輸送の安全に関する諸規定(船舶、航空、鉄道および国内)
 6-1 UNとIMO(船舶)、IATA(航空)
 6-2 UNと国内法の対応
 6-3 消防法と同、施行規則
 6-4 EUその他の規制

7.リチウムイオン電池(セル、モジュール)輸送規制と実務
 7-1 輸送のカテゴリー(国内、国際、郵便、宅配)
 7-2 船舶安全法とIMO(国際海事機構)
 7-3 輸出の準備手順と書類等
 7-4 輸出貿易管理令

8.リチウムイオン電池(セル)の製造と安全性の確保
 8-1 製造工程の概要
 8-2 セル設計と安全性マージン
 8-3 工程管理と品質保証

9.ZEVの動向と安全性
 9-1 各国の燃費と排気ガス規制目標
 9-2 電池ユニットの髙容量化と冷却システム
 9-3 EV、PHVの走行エネルギー効率

10.参考資料定置用(大型)リチウムイオン電池の安全性規格と規制