化学品の市場調査、研究開発の支援、マーケット情報の出版

 
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CMCリサーチセミナー

       開催日時:2016年4月4日(月)13:00~16:50 開場 12:30
       会  場:ちよだプラットフォームスクウェア 5F 502会議室  → 会場へのアクセス 
            〒101-0054 東京都千代田区神田錦町3-21
       参 加 費:48,000円(税込) ※ 資料代含
             * メルマガ登録者は 43,000円(税込)
            パンフレット

講 師

 富山大学 大学院 理工学研究部(工学)教授 中村真人 氏
 

セミナーの趣旨

 3Dプリンターの活用が医療・ヘルスケアでも注目され始めている。補聴器や人工歯根、人工装具(義肢など)、臓器のレプリカ(手術の準備用)などの医療関連製品の製造に利用されている。さらには、骨や結合臓器などを3Dプリンターで作製する技術の研究も進んでいる。外科領域を中心に、学会で3Dプリンターが話題にのぼることも増えた。
 再生医療への応用展開としては、生体由来の細胞や組織をベースとする人工臓器を3Dプリンターで作製する技術がある。NEDOは2014年11月、バイオ・医療3Dプリンティングや細胞シートの積層技術などの立体造形技術を用いて、iPS細胞などから立体組織・臓器を製造する技術開発プロジェクトをスタートさせた。
 医療再生用の細胞培養の足場を生体適合性材料で実現する「再生医療用スキャホールド」にも注目が集まっている。NEDOプロジェクトでは、バイオ・医療3Dプリンターで高機能な足場素材を実現することで、再生組織・臓器を作ることを目指している。
 肝臓の再生では、合成コラーゲンを3次元造形し、バイオ3Dプリンターを用いて作製した足場素材とインクジェットヘッドから噴射する成長因子を利用して、再生肝臓を作製するといったケースがある。さらには、生体材料を使った3D組織モデルや細胞組織チップなどもある。これらの領域では、皮膚や角膜、軟骨などを作る技術は既に実現できているものの、今後はより複雑な構造や高度な生理機能を持つ、心臓や腎臓、肺などの臓器の実現を目指している。
 3Dプリンターが、医療現場に本格的に浸透し始めた。医療機器の構成部品から、ステントなどの治療器具、体内に埋め込んで使う医療機器まで、その用途は幅広い。本セミナーでは、バイオ・医療の用途に向けた3Dプリンティング技術の最新動向を紹介する。
 

講師から

 近年、もの作りの世界では、3Dプリンターが世界的な一大ブームを引き起こしている。3Dプリンターによる3次元構造物の作り方は、Additive Manufacturing(付加製造法)と呼ばれ、ボトムアップ的に積み上げて作り上げる方法である。コンピュータ内でデザインした3次元構造物をデザインすれば、そのデータを出力して誰でも自在に作れる利点があり、今後のものづくり業界を大きく変革するだろうと言われている。3Dプリンターで一体何を作るのか?世界は今激しい競争の時代に入っている。その中で、注目されているのがバイオ・医療への応用である。
 医療用の製品の製造へ応用する際には、どんな材料で作製するかが重要な鍵となる。現在の3Dプリンターで作った物で役に立つならばすぐにも参入できるが、新しい材料や新しい造形機構が必要となると、3Dプリンター自体の研究開発から必要になる。また、医療現場で実際にヒトに使用する治療用製品を目指すのであれば、3Dプリンターを含めて、臨床グレードの製造装置が必要となる。
 臨床医学、人工臓器、再生医工学の研究開発の最前線から、3Dプリンターの原理・特徴・課題、医療へ応用する際の考え方、そしてバイオ医療用3Dプリンターの研究開発のあゆみと現状、最前線、さらに、未来に向けて医工連携による医療の発展の展望を解説する。
 

プログラム

 ① 生体医工学:医学における工学の意義

 ② 3Dプリンターの原理と特徴
  1) 3Dプリンターの世界的ブーム
  2) 3Dプリンターの原理と分類
  3) 3Dプリンターの特徴

 ③ 3Dプリンターの医療への応用の考え方とレベル分類
  1) レベル1:現在の3Dプリンターでの3次元造形
  2) レベル2:生体適合性材料での3次元造形
  3) レベル3・4:再生医工学への応用

 ④ 再生医工学への応用
  1) 再生医工学とは?
  2) 再生医工学の手法と課題

 ⑤ 3Dバイオプリンターの開発(自験例)

 ⑥ 世界の動向と最前線
  1) バイオプリンティング・バイオファブリケーションのあゆみ
  2) 世界の動向と研究の最前線

 ⑦ 生命を届ける医工学へ:組織臓器製造のための医工学
  1) 材料と装置開発への期待
  2) 製造プロセス工学技術への展開

 ⑧ まとめ-日本の強みと医工連携・産学連携-