化学品の市場調査、研究開発の支援、マーケット情報の出版

S&T出版セミナー

       開催日時:2015年8月24日(月)13:00~16:30
       会  場:連合会館 5階 502会議室 → 会場へのアクセス
       参 加 費:43,200円(税込) ※ 資料代を含む
 

講 師

 瀧 健太郎 氏 / 金沢大学 理工研究域 自然システム学系 准教授

【ご略歴】
2005年 京都大学大学院工学研究科化学工学専攻 博士後期課程卒業
      京都大学博士(工学)
2005年 同 助手
2007年 同 助教
2013年 山形大学大学院理工学研究科 准教授
2014年 金沢大学理工研究域自然システム学系 准教授

本セミナーで得られる知識

 ロールツーロールUVナノインプリントプロセス,
 再現性の良いreal time FT-IRの測定法,
 UV硬化樹脂のネットワーク構造の考え方

趣 旨

 UV(紫外線)硬化樹脂の硬化過程は,成形品の物性に大きな影響を及ぼすと考えられてきたが,UV硬化樹脂の硬化時間がわずか数秒と極めて短く測定が困難であるため,これまで十分な研究が行われてきたとは言い難い.我々はphoto DSCと並んで最もよく使われているreal time FT-IRの測定精度と再現性を大幅に向上させる手法を開発し,real time FT-IR測定によりUV硬化反応の見かけの反応速度定数の解析を可能にした.これにより従来よりも系統的な研究が可能になり,硬化過程のシミュレーション,酸素阻害の評価などを行えるようになった.また,ロールツーロールのナノインプリントや3DUVプリンターなどへも展開している.本講演ではこれらの内容について,日ごろの1時間の講演では説明しきれない詳細な内容について解説する.なお,本講義では個別のモノマーや開始剤の反応性の比較については,最小限の解説にとどめ,硬化過程の測定法や解析法を解説する.

プログラム詳細

1. 講義の位置づけ

2. ロールツーロールUVナノインプリントプロセス
 2.1. ラインスピードとUV硬化樹脂の反応率,硬化フィルムの弾性率
 2.2. UV照射強度とUV硬化樹脂の反応率,硬化フィルムの弾性率
 2.3. 反応率と弾性率の関係
 2.4. UV光の分布とフィルムの弾性率の関係

3. real time FT-IRを使用した硬化過程の測定法
 3.1. 試料光学系(透過,反射,ATR)の特徴
 3.2. 透過光学系の詳細
 3.3. 測定の再現性を支えるテクニック
 3.4. 測定例:UVの照射時間と反応率

4. 反応速度定数の算出方法
 4.1. 暗反応(暗重合)の実験方法
 4.2. 反応速度定数の算出方法
 4.3. その他のシミュレーションに必要なパラメータの決定法

5. 硬化過程の数値シミュレーション
 5.1. 自由体積と拡散現象
 5.2. Anseth-Bowmanモデルの解説
 5.3. 実験で得られた反応速度定数へのフィッティング
 5.4. 酸素の拡散係数の決定方法
 5.5. 溶存酸素濃度の決定法
 5.6. 計算例:照射時間と反応率の関係
 5.7. シミュレーションで得られた反応速度定数と実験値との比較

6. 3DUVプリンターにおける酸素阻害の影響
 6.1. 3Dプリンターの概要
 6.2. UV硬化樹脂を使った3Dプリンター
 6.3. 3Dプリンターの模擬実験
 6.4. シミュレーションによるモノマーと酸素濃度の変化
 6.5. UV硬化樹脂が積層されることによる反応率分布
 6.6. 収縮率の分布

7. フォトレオメータでわかること
 7.1. レオロジーの解説
 7.2. フォトレオメータのしくみ
 7.3. 測定例
 7.4. 測定結果から推測されるネットワーク構造

8. まとめ