化学品の市場調査、研究開発の支援、マーケット情報の出版

S&T出版セミナー

       開催日時:2015年7月9日(木)10:30~16:40
       会  場:連合会館 5F 502会議室 → 開場へのアクセス
            〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台3-2-11
       参 加 費:49,800円(税込) ※ 昼食・資料代含む
 

講 師

【第1部】長谷川 雅考 氏 / 国立研究開発法人産業技術総合研究所 ナノ材料研究部門 炭素系薄膜材料グループ 研究グループ長
【略歴・活動】
1990年 工業技術院電子技術総合研究所
現在、国立研究開発法人産業技術総合研究所 ナノ材料研究部門 炭素系薄膜材料研究グループ 研究チーム長、技術研究組合 単層CNT融合新材料研究開発機構 グラフェン事業部 プロジェクト本部長、産総研コンソーシアム「グラフェンコンソーシアム」会長
ダイヤモンド半導体の電気伝導性制御、ダイヤモンドのCVD合成技術、ナノ結晶ダイヤモンド薄膜のCVD合成技術、グラフェンのCVD合成技術などの研究開発に従事。工学博士。

【第2部】仁科 勇太 氏 / 岡山大学 異分野融合先端研究コア 准教授

【第3部】本間 格 氏 / 東北大学 多元物質科学研究所 教授
【略歴】
昭和59年 東京大学工学部卒
昭和60年 東京大学工学部化学工学科助手
平成03年 同上 講師
平成07年 工業技術院 電子技術総合研究所 主任研究官
平成22年 東北大学多元物質科学研究所 教授

【第4部】鈴木 慎悟 氏 / (株)アイテック 営業・技術開発主任
【研究内容】
 講演者は、1996年に原子過程の研究で博士(理学)を取得し、5年前より、超臨界水熱法に基づいたナノ粒子合成に携わってきており、金属酸化物、金属のナノ粒子及びその有機修飾を行った材料の開発を行ってきております。一昨年より、グラフェンの製品開発を開始し、量産化とその性能向上に取り組んでおります。

【第5部】長谷川 正治 氏 / グラフェンプラットフォーム(株) 代表取締役社長
【略歴】
北海道大学工学部卒、米国カリフォルニア工科大学研究員
マイクロソフト 役員、米国ベル研究所 日本代表を歴任し、
2000年 当社設立

プログラム詳細

第1部 グラフェンの工業生産に向けた量産技術
    産業技術総合研究所 長谷川 雅考 氏  [10:30~11:30]

【講演趣旨・説明】
 世界各国で開発競争が繰り広げられているグラフェンについて、実際はどのような材料であるのか、工業利用を目指した合成技術、および量産技術確立への展望などについて議論する。さらに現在進められている用途開発と直面する課題について検討し、グラフェンの可能性と今後の展開について把握する機会としたい。

【ご講演項目】
1. グラフェンの基礎特性
 1-1 特性のまとめ
 1-2 電気的特性・光学的特性の基礎
 1-3 機械的特性
 1-4 熱的特性

2. 炭素材料とグラフェン研究開発の歴史
 2-1 グラフェン開発の歴史
 2-2 日本の炭素材料開発およびグラフェン開発

3. グラフェンの形成法
 3-1 剥離などによるグラフェンの形成
 3-2 熱CVDによるグラフェンの形成
 3-3 プラズマを利用したグラフェンのCVD合成

4. グラフェンの量産に向けた試みと現状の課題

5. グラフェンの用途開発の現状
 5-1 透明導電膜用途
 5-2 その他の用途の可能性

6. 海外のグラフェン研究開発動向

第2部 化学的酸化プロセスによるグラファイトの剥離と応用
    岡山大学 准教授 仁科 勇太 氏  [11:40~12:40]

【講演趣旨・説明】
 黒鉛は安価かつ入手容易な結晶性炭素材料である。黒鉛を1枚ずつ剥離すればグラフェンが得られる。実用的に使用する際には粉体または分散液として取り扱うことが望ましいが、グラフェンは凝集するため1枚の構造を保つことが極めて困難である。そこで、酸化により極性官能基を導入し、極性溶媒への分散性を高める方法が採られている。ところが、酸化によりグラフェンに望まれる特性が失われてしまうため、酸素官能基の導入を極限まで減らしたいという要望も強い。

【ご講演項目】
1. 酸化グラフェンとは
 1-1 グラフェンと酸化グラフェンの違い
 1-2 合成法の詳細
 1-3 提唱されている構造と形態
 1-4 化学的・物理的特性

2. 酸化グラフェンの形成メカニズム

3. 酸化グラフェンの構造制御
 3-1 サイズの制御
 3-2 酸化度の制御(酸化段階での制御)
 3-3 酸化度の制御(還元による制御)

4. 酸化グラフェンの還元
 4-1 熱還元
 4-2 光還元
 4-3 化学還元
 4-4 その他の還元法

5. 機能化法の紹介と応用
 5-1 有機複合材
 5-2 無機複合材
 5-3 高分子複合材
 5-4 用途(電極、触媒、膜、補強材、潤滑剤、など)

【受講に必要な知識】
機器分析(SEM,TEM,EDX,XRD,XPS,XAFS,IR,UV-Vis,Raman,CV,など)

【本セミナーで得られる知識】
酸化グラフェンの一般的な合成法や還元の方法を一覧にした資料を用意します。

第3部 グラフェンのリチウムイオン電池、キャパシタへの応用と課題
    東北大学 教授 本間 格 氏  [13:20~14:20]

【講演趣旨・説明】
 太陽電池、リチウムイオン電池、キャパシタなどの電池材料へグラフェンを応用する場合は低コストで高速生産が可能な量産化技術の開発が必須である。
 本講演ではグラフェンを短時間で製造できる様々な溶液・流体プロセスの紹介を行う。また、リチウムイオン電池、キャパシタ電極材料応用を目指したグラフェン表面へのナノ活物質の担持技術、3次元アセンブリー技術、層間制御による高エネルギー密度電極材料応用技術など、グラフェンの機能化と先端電池材料応用への研究成果を紹介する。

【ご講演項目】
1. グラフェンの物性
 1-1 単原子層グラフェン
 1-2 多層グラフェン

2. ナノグラフェン
 2-1 ナノグラフェンの合成方法
 2-2 エッジ構造と評価

3. グラフェンの合成方法
 3-1 Hummers法
 3-2 超臨界流体プロセス
 3-3 再積層プロセスと多層グラフェン

4. グラフェンの構造解析
 4-1 透過型電子顕微鏡
 4-2 AFM
 4-3 共鳴ラマン散乱
 4-4 電気化学測定

5. グラフェンのリチウムイオン電池・キャパシタ電極材料への応用
 5-1 グラフェンの電気二重層キャパシタ応用
 5-2 グラフェンのリチウムイオン電池負極応用
 5-3 グラフェン再積層体の高エネルギー密度電池応用

第4部 グラフェンの量産化新技術とその物性・用途
    (株)アイテック 鈴木 慎悟 氏  [14:30~15:30]

【講演趣旨・説明】
 近年、グラフェンの研究開発が盛んになり、基礎研究から応用研究、そして実用化の段階に至るにつれて、その有用性が広く知られるようになってきております。弊社においても、このグラフェンの有望性に着目して研究開発をすすめ、まずは多層のグラフェンに対する量産化技術を確立しました。そして、iGurafen®という商品名で製品化を行い、粉末、表面処理品、分散液などの形態で提供しています。単層グラフェンに対する開発も進めております。
 本講演では、弊社における取り組みの実例を中心として、グラフェンの高機能性、用途展開などについて解説したいと思います。

【ご講演項目】
1. 会社紹介

2. グラフェンについて
 2-1 単層グラフェン
 2-2 多層グラフェン
 2-3 酸化グラフェン

3. 産業への応用
 3-1 熱伝導用途
 3-2 電気伝導用途
 3-3 その他

4. 近年の動向

5. 製造プロセスについて

6. 性能評価

7. 多層グラフェンの熱・電気伝導特性

8. 複合材料
 8-1 樹脂との混練材料
 8-2 その他

9. 生体適合性について

10. グラフェンの普及に向けて

【本セミナーで得られる知識】
 グラフェンが実際の応用場面に使われ始めていることや、その高い有用性が理解できることになります。

第5部 世紀のナノ素材、グラフェンの超低コスト・大量生産の基盤技術と展望
    グラフェンプラットフォーム(株) 代表取締役社長 長谷川 正治 氏  [15:40~16:40]

【講演趣旨・説明】
 情報革命の次は、グラフェンによる素材革命であると言われている。何故か?グラフェンは、CNTなどと同じ炭素ナノ素材でありながら、炭化水素からCVDなどにより合成しなくても、地球上に1億トン以上埋蔵されていると言われている天然の黒鉛そのものが、グラフェンの塊だからである。 この1kg2ドルの天然黒鉛を剥離すると高純度のグラフェンが精製される。
 本講座では、効率的な天然黒鉛剥離によるグラフェンの超低コスト・大量生産の基盤技術をご紹介し、この技術により、どのような素材革命が起こるか展望する。

【ご講演項目】
1. グラフェンによる“炭素”の時代

2. グラフェンによる素材革命

3. グラフェンの優位性

4. グラフェンの超低コスト・大量生産の基盤技術(グラフェン前駆体)

5. 素材革命の展望

【本セミナーで得られる知識】
グラフェンの超低コスト・大量生産の基盤技術および21世紀の素材革命の展望